2023-07-03 18:00

R-指定「Rの異常な愛情」ヒップホップにとってのクルーという文化(後編)

「BUBKA8月号」よりサイプレス上野とR-指定
「BUBKA8月号」よりサイプレス上野とR-指定
この記事の画像(7枚)

前回に引き続き、R-指定とサイプレス上野による「クルー」論対談の後編をお届け! ZZ PRODUCTIONと梅田サイファーという、それぞれクルーに所属する二人にとって、グループやユニットとは異なる、ヒップホップ独特の「クルー」という概念は、どのような意味を持つのか!

ヤサ憧れ

――上野くんは出身地の横浜「ドリームハイツ」に集合場所、いわゆる「ヤサ」を持っているよね。“ヤサの詩”という曲ではその住所まで自分でバラしてる(笑)。

サイプレス上野 なんなら住所がプリントされたコーチジャケットとかも作ってるから(笑)。ドリームハイツのヤサは、俺や(ロベルト)吉野だったり、ドリーム出身の奴のためのヤサという感じですね。ZZ PRODUCTIONのヤサは強いて言えば昔はKAZZ-Kの実家。機材があってRECができたんでSTERUSSのレコーディングはそこでやってたし、“マイク中毒pt.2”もそこで録ってて。SD JUNKSTAの最初のEPを録ったのもDJ KAZZ-Kの家なんですよね。

R-指定 マジっすか!

サイプレス上野 みんなでKAZZ-Kの実家の一部屋に集まって。それで録りながら、KAZZ-Kが激怒したりすることも起こりながら(笑)、なんやかんやで作ったのが『SDPEP』。

R-指定 俺らもコッペパンの曲を作ってたのはKOPERUの実家でしたね。梅田サイファーは土曜日に梅田の歩道橋でサイファーしてたんですけど、サイファーが終わってからみんなでKOPERUの家に泊まりに行って、日曜日はそのまま曲作るみたいな。KOPERUのお母さんがご飯持ってきてくれたり。

サイプレス上野 めちゃくちゃいい環境じゃん。家主が激怒したKAZZ-Kの家のRECとは大違い(笑)。

R-指定 いや、一回だけKOPERUが激怒したことありましたよ。コッペパンのメンバーのタマイコウスケが、「RECがうまくいかん! 降りてけえへん!」と言い出して、更にいきなり裸になって全裸でレコーディングし始めたんですよ。そん時はブチギレてましたね(笑)。それから奈良のdiojさんのDFBRっていうスタジオ。梅田の初期作のRECはそこでやってました。あと、ヤサという意味では、実は20~21ぐらいの時に、みんなで部屋を借りたこともあるんですよ。

サイプレス上野 大阪に?

R-指定 そうです。みんなで1人5000円ずつ出して、道頓堀と長堀橋の間ぐらいのとこに狭いワンルームを借りて。

――梅田じゃなくて心斎橋だったんだ。

R-指定 そうそう。そこが704号室やから「フローリング704」とか名前つけて(笑)。基本的にはOSCAが生活しつつ、週末とか平日とかでもライブ終わった後、そこに泊まりに行くみたいな。

サイプレス上野 最高じゃん。

R-指定 結局、就職とかのタイミングでなくなっちゃったんですけど、そういう場所はあったっすね。いまみんなの溜まり場になってんのはCosaquさんのスタジオ。だから「溜まり場あこがれ」はずっとありますね。梅田も東京で動くことが多くなってるから、そん時に集まる場所を東京で作る計画をしてますね。

サイプレス上野 ウチのヤサを全然使ってもらって構いませんけどね。宿泊できるようにしてるんで。

――横浜の外れのドリームハイツまで(笑)。

サイプレス上野 「大阪帰った方が早いわ!」みたいな(笑)。ヤサには昔は俺や仲間が住んでたんだけど、いまは純粋に制作部屋みたいな感じになってるっすね。ヴォーカルブースも作ったんで、そこで若い子たちがRECできるような環境にしてて。ホントに中学生とかも録りにきてるから。ヤサの下の公園で滑ってるスケーターのガキとかが「録りに行っていいっすか?」「じゃあ5000円で1RECな」とか。

R-指定 1REC5000円なら最高に超良心的ですね。上野さんとか、大阪だとHIDADDYさんの「一二三屋」みたいに、若い子たちを先輩方が手助けしてる環境によって、すごく良い循環が生まれてると思う。

サイプレス上野 やっぱり俺たちはどんどん年を取ってくから。それに若い連中とそういう関係を作れるのがそもそも楽しいしね。

R-指定 そこからLeon(Fanourakis)とか若い世代のスターが生まれてきてますもんね。HIDAさんの動きからはTAKA(WILYWNKA)とか。

サイプレス上野 Leonなんか、本当にヤサが劣悪な環境の時からずっと泊まってて。

――今でこそキレイになったけど、劣悪なときに行ったら俺はハウスダストでクシャミが止まらなくなった(笑)。

サイプレス上野 猫の毛だらけ、ゴミだらけ。そこでLeonが寝て、高校行って帰ってきて、またリリック書いてラップして……みたいな、そういう感じだった。鍛えられたよ、Leonは(笑)。

――まだまだ続くインタビューの続きは発売中の「BUBKA8月号」で!

聞き手・構成/ 高木“JET”晋一郎

サイプレス上野|1980年、神奈川県出身。DJのロベルト吉野とともに、サイプレス上野とロベルト吉野のMCとして活躍中。“HIP HOPミーツallグッド何か”を座右の銘に掲げ、“決してHIPHOPを薄めないエンターテイメント”と称されるライブパフォーマンスを武器に人気を集めている。

R-指定|1991年、大阪府出身。Creepy Nuts、梅田サイファーのMCとして活躍中。バトルMCとしても、2012年からの「UMB」3連覇をはじめ、テレビ朝日『フリースタイルダンジョン』での2代目ラスボスなど、名実ともに「日本一」の実績を誇っている。

2022年日本語ラップの旅 -Rの異常な愛情 vol.2- Kindle版
Amazonで購入

Rの異常な愛情 ──或る男の日本語ラップについての妄想── Kindle版
Amazonで購入

BUBKA(ブブカ) コラムパック 2023年7月号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

Amazon Kindle
楽天Kobo
Apple Books
紀伊國屋Kinoppy
BOOK☆WALKER
honto
セブンネットショッピング
DMM
ebookjapan
ブックパス
Reader Store
COCORO BOOKS
コミックシーモア
ブックライブ
dブック
ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

HKT48田中美久表紙:BUBKA (ブブカ) 2023年 8月号
Amazonで購入
セブンネットショッピングで購入(田中美久ポストカード1枚付き(3種からランダム1枚)

HKT48田中美久表紙:BUBKA (ブブカ) 2023年 8月号

日向坂46松田好花表紙:BRODY (ブロディ) 2023年8月号
Amazonで購入
HMV&BOOKS onlineで購入(ポストカード特典・松田好花)
セブンネットショッピングで購入(ポストカード特典・平岡海月)

【日向坂46松田好花表紙:BRODY (ブロディ) 2023年8月号

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA 2024年11月号 BUBKA 2024年11月号増刊 BUBKA 2024年11月号
BUBKA 2024年11月号コラムパック DOLCE Vol.13 尊みを感じて桜井
新谷姫加 相楽伊織 いけちゃん

BUBKA RANKING5:30更新

  1. 東洋一の美少女、ユーモアと優しさ・親しみやすさにあふれている究極かつ至高のパーフェクトアイドル、=LOVE佐々木舞香ちゃんを推したくなる理由
  2. 乃木坂46佐藤璃果「田舎から出て、違った世界を見てみたいなっていう気持ちはずっとありました」
  3. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  4. 令和のリアルなお姫様?執事気分で見守りたくなる=LOVE屈指の天然カワイイ音嶋莉沙さん
  5. 乃木坂46与田祐希「全部 ありのまま」なアイドル人生……ハブ&ピース、猪突猛進の8年間
  6. 齋藤樹愛羅さん、20歳の奇跡~=LOVEの“永遠の妹”が大人になる日~
  7. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#2「CL250との出会い」
  8. 大注目のユニットTHE ORCHESTRA TOKYO(オケトー)、ワンマンソールドアウト「回数を重ねるごとにお客さんが増えていく手応え」
  9. 「もう“新参者”じゃない」日向坂46の今後を占う四期生たちの「見たことない」魅力が爆発!
  10. 群雄割拠のアイドル界隈、2024年に個の力を蓄えた=LOVEがグループとしての輝きを放つ2025年のツアーに期待
  1. “奇跡の38歳”清水楓、ベテラングラドルが放つ大人の魅力
  2. “日本一えっちな幼なじみ”宮越虹海、蛍光カラーの三角ビキニがまぶしい最新作
  3. 東洋一の美少女、ユーモアと優しさ・親しみやすさにあふれている究極かつ至高のパーフェクトアイドル、=LOVE佐々木舞香ちゃんを推したくなる理由
  4. 乃木坂46五百城茉央、透け感ベビードール×ランジェリー…ドキッとする封入特典ポストカード第6弾解禁
  5. 『ミスFLASH2025』グランプリ葵成美、色白ボディーに映えるピンクのビキニ姿を披露
  6. “令和の白ギャル”ゆうちゃみ、身長175cmスラりと長い手足がまぶしいグラビアショット
  7. 『Rain Tree』綾瀬ことり、初めてのグラビア撮影…透明感あふれる初々しい姿
  8. “紐水着”でプールにぷかぷか…グラビアアイドル藤原ナミ、大人の魅力あふれる最新作
  9. マシュマロボディー西野夢菜、愛らしい笑顔がまぶしいグラビアショット
  10. グラビア界最強ビジュアル猫宮あすか、妄想膨らむ夢の同棲生活が始まる