2026-07-17 18:00

佐藤優羽「先生から『進路はどうするの?』と聞かれて。『実は……』とXのトレンドで1位になっているスマホを見せました」【日向坂46『五期生LIVE』開催記念 五期生“変革”ドキュメンタリー③】

写真左から、佐藤優羽、蔵盛妃那乃、坂井新奈
写真左から、佐藤優羽、蔵盛妃那乃、坂井新奈
撮影/森山将人
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7月15日、16日の二日間、横浜・ぴあアリーナMMにて、日向坂46が「五期生LIVE」を開催。グループの未来を担う五期生10名のステージは、溢れんばかりの歓声と拍手で幕を閉じた。7月20日・21日にはリピート配信も予定されている。

今回は「五期生LIVE」に挑んだ10名全員が登場した『BRODY12月号』(2025年10月発売)より、全17,000字のドキュメンタリーを一部抜粋してお届け。アイドルとしての第一歩目を日向坂46の聖地・横浜スタジアムで踏み出した10人の新星。憧れのグループに加入し、その一員としておひさま(日向坂46ファンの総称)に温かく向かい入れられる中で生じた希望と不安とは━━。

真ん中の恐怖

2025年3月11日から「日向坂ちゃんねる」で五期生のプロフィール動画が1名ずつ公開されていった。世の中が彼女たちを日向坂46として認識する瞬間だ。グループとの縁が深い宮崎県の最南端に位置する都井岬で、彼女たちは青空を見上げ、どこまでも高く跳んだ。

大野愛実:最初に公開される映像が私で、五期生の公開が注目度が高いことはわかっていたのでとても怖かったです。公開後は五期生特設サイトに大野愛実の顔だけが載って、「Coming Soon…」が並んでいる状態に「こんなに孤独を感じることってあるんだ」と思いました。早く24時間経って、次のメンバーが公開されてほしかったです。全員が公開されてからはワクワクしました。

片山紗希:私の動画が公開されるのがレッスン中で、12時になって「早く観たい!」とソワソワしてました。レッスンが終わると友だちからたくさん連絡がきて、こんなに注目を浴びたことがなかったのでうれしかったです。

蔵盛妃那乃:自宅にいたんですけど、公開の時間が近づくとお腹が痛くなって「本当に無理! 本当に無理!」と母に言いました。結局、公開されても3時間くらい映像を観ることができなくて。現実を直視するのが怖かったんです。

佐藤優羽:私の映像が公開された日、ちょうど先生から「進路はどうするの?」と聞かれたので、「実は……」とXのトレンドで1位になっているスマホの画面を見せました。

坂井新奈:自分の顔と名前が世に出ていることに不思議な感覚になりました。世間の声を勝手に想像して不安な気持ちになっていたんですけど、おひさまの温かい反応や友だちからのメッセージで心が落ち着きました。

大田美月:自分の存在を知っている人が急に何万人も増えたことが不思議で、まだおひさまにも会っていなかったので、日向坂46のメンバーになった実感も薄かったんです。「6回目のひな誕祭」で初めておひさまの前に立ったことで自覚が芽生えました。

4月5日、6日の「6回目のひな誕祭」で、初めておひさまの前で自己紹介した五期生の10人。月と星が踊る夜空の下、美しく光るペンライトが彼女たちを歓迎していた。「6回目のひな誕祭」では、佐々木久美と佐々木美玲の卒業セレモニーが行なわれた。その一カ月後に高瀬愛奈が卒業すると、日向坂46から一期生全員が卒業。一期生との交錯は一瞬だったかもしれないが、五期生にとって大きな財産になった。

大田美月:久美さんと美玲さんとは「ひな誕祭」のリハーサルと本番の2週間くらいしか過ごすことができなかったんですけど、その期間でも久美さんと美玲さんは何かを残そうとしてくださって。久美さんからは日向坂46が大事にしている挨拶を、美玲さんからは心の持ちようを教えていただきました。一生心に残るような言葉だったので、短くても一緒に活動することが出来て本当によかったなと思います。

坂井新奈:美玲さんが五期生を呼んでお話ししてくださったんです。「今後、キツいこともたくさんあると思うけど、活動を楽しんでほしい」という言葉に救われました。

蔵盛妃那乃:久美さんからは五期生一人ひとりに「入ってくれてありがとう」というメッセージつきのプレゼントをいただきました。加入したばかりの私たちのことまで考えてくださって、本当にありがたかったです。

佐藤優羽:不安な気持ちが大きかったけど、お2人からいただいた言葉で、少しずつ前向きな感情に変わることができたんです。「ひな誕祭」でOGのみなさんのパフォーマンスを目にしたことで、けやき坂46時代からの熱さを引き継いでいきたいと心に誓いました。

大野愛実:私はけやき坂46に感銘を受けていたので、一期生さんと短い間でも関わることができてうれしかったです。終演後に久美さん、美玲さんが五期生を集めて話をしてくださって、感謝と寂しさの両方がありました。一期生さんが卒業されて、キャプテンが髙橋未来虹さんに代わって、新生日向坂46になるタイミングで加入できたことを運命だと感じています。一期生さんを中心に作り上げた伝統を壊さず、新しい道を切り拓きたい、という気持ちになりました。

日向坂46五期生集合
日向坂46五期生集合
撮影/森山将人

五期生に与えられた最初の曲は『ジャーマンアイリス』。過ぎ去った儚い青春の日々を追憶する歌詞、ミドルテンポな曲調、しなやかな振付と、加入したばかりのアイドルには難易度の高い作品だ。物怖じしないキャラクターの大野だが、心の内側でプレッシャーと戦いながら真ん中に立った。

片山紗希:まなみんとは3次審査で一緒になって、一目見た瞬間に「この子、めっちゃかわいい! 絶対に受かる!!」と思ったんです。なので、ずっとガン見していました!

大野愛実:4次審査で、片山に「あんバターサンド!」と急に声をかけられた時はビックリしました(笑)。

片山紗希:「3次審査であんバターサンドを食べていた子がいる!」と思って、つい変な絡み方をしてしまいました(笑)。加入後、まなみんはオールラウンダーだと知って、「この子は真ん中に立つべき人だ」と思っていたから、『ジャーマンアイリス』のセンターが発表された時は納得しました。不安な気持ちもあるはずなのに、まなみんはクヨクヨすることなく前を向いて引っ張ってくれるので、私たちも「頑張ろう」と思うことができたんです。

大田美月:研修期間から大野には一目をおいて……いや、最終審査で一目惚れしました。いまも溺愛しています。できないことがあったら頼ってくれるところがかわいいんです。「アドバイスをください」と、基礎練習をしている動画が送られてきたこともありました。あの動画は保存して宝物にしています。どんなことにも前向きに頑張る子だと知っているので、センターに選ばれた時は私もうれしかったです。

蔵盛妃那乃:フォーメーション発表で大野の名前が呼ばれた時、「やっぱりそうだよね!」と思って。自分のポジションは関係なく、とにかく楽しみでした。大野は歌もダンスも上手いから、絶対に素敵な曲になると確信したんです。

大野愛実:五期生はすごい子たちの集まりなので、その真ん中に立つと言われた時は動揺しました。センターが一番注目されることは必然だと思うので、その期間は「同期のためにどうやって頑張ろう」と考えることが多かったです。

松尾桜:大野はスキルがあって高みを目指しているから、みんながついていこうと思えるんです。ただ、良くも悪くも完璧主義で、強がってしまうところがあって。責任感が強いからひとりで抱え込んでしまうんです。大野は本音を語るタイプではないので、楽しい時は一緒に楽しんで、美味しいものを一緒に食べて、寄り添う形が正解なのかなと考えていました。五期生にとって1作目のセンターというプレッシャーがのしかかる状況で、この期間を完走してくれて尊敬してます。「五期生でもっと上を目指したい」と思えるようになったのは大野がセンターだったからだと思います。

大野愛実:五期生に対する期待値の高さを感じていましたが、この10人だったらそうなるだろうなと思っていました。それぞれのスキルが高くて、人柄もチームワークもいい。私は五期生のみんなが好きだから、期待してもらえることがうれしいんです。一方で、期待値の高さが誰かにプレッシャーを与えていないか、心配になることもあります。

日向坂46五期生集合
日向坂46五期生集合
撮影/森山将人

5月27日に行なわれた五期生「おもてなし会」では、それぞれが特技を披露し、初めておひさまの前で楽曲をパフォーマンスした。『キュン』は松尾、『ドレミソラシド』は坂井がセンターを務める。そして、合宿の課題曲だった『青春の馬』で真ん中にいたのは高井だった。彼女は瞳に情熱を宿すと、無我夢中にステージを駆けた。

蔵盛妃那乃:通しリハで泣いてしまいました。イヤモニをつけてパフォーマンスすることが始めてだったので、動揺してしまったんです。歌えば歌うほど頭が真っ白になって、「情けない」という気持ちが強くなって。ポロポロと涙が止まらなくなっていました。気づいたら、みんなが「大丈夫だよ」と寄り添ってくれたんです。五期生って温かいなと思いました。

佐藤優羽:特技披露でステージに立つと、私のサイリウムカラーであるエメラルドグリーンが一面に広がっていたんです。こんなにたくさんの方が私のことを応援してくださっているんだと感動しました。不安も入り混じって、涙が流れました。

松尾桜:『キュン』のセンターに選んでいただきました。リハーサルの期間はネガティブになってしまったこともありましたが、曲を何度も聴いて、映像を何度も観て、ちょっとした所作や髪のなびかせ方まで研究して、『キュン』の世界に染まろうと思いました。ただ、1サビ前の「かわいい」というセリフを小坂さんのように発声すると、私は声が小さくなってしまうので、四期生さんの「新参者」での藤嶌さんを参考にさせていただきました。他にも視線を変えてみたり、オリジナリティを出したつもりです。

坂井新奈:『ドレミソラシド』のセンターと言われた時は、「本当に私でいいのかな」という気持ちが強くて。でも、任せていただいたからにはやり遂げたいと思い、真剣に向き合いました。パフォーマンス中、笑顔を浮かべる同期と目が合うことが私の活力になっていたんです。

蔵盛妃那乃:最初の指揮者の振りで、ニコニコしながらみんなを見ている坂井の表情が素敵で、私たちも幸せになりました。『青春の馬』は合宿の課題曲だったので、全員が感情の乗ったパフォーマンスをできていたと思います。五期生みんなの声が良く聞こえました。

高井俐香:『青春の馬』のセンターに立たせていただきました。『青春の馬』は聴いてる方を励ますような曲だから、リハーサル期間は笑顔で踊っていたんです。でも、本番直前に「本当に笑顔で伝わるのかな」と思い、笑顔ではなく真剣に想いを伝えられる表現にしようと思い、パフォーマンスしました。後から映像を観て、「こんな表情をしていたんだ」と驚きました。

取材・文/大貫真之介

━━まだまだ続く「五期生ドキュメンタリー」は『BRODY12月号』をチェック!

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