2026-05-03 11:00

『証言TIF~アイドル戦国時代とはなんだったのか~』第2回:元ぱすぽ☆・根岸愛×奥仲麻琴「デビュー当初はペラペラの衣装をドンキで買って、装飾を自分たちで縫ってました」

写真左から、元「ぱすぽ☆」の奥仲麻琴と根岸愛
(提供写真)

2010年、品川ステラボールで第1回が開催され、今ではアイドルシーンに欠かせない一大興行にまで成長した『TOKYO IDOL FESTIVAL』(通称TIF)。そのムーブメントの渦中にいたアイドルたちの証言をもとに、TIFがアイドルシーンに与えた影響について迫っていこうと思う今連載の第2回に登場するのは、アイドル戦国時代の申し子と言っても過言ではない「ぱすぽ☆」から、根岸愛と奥仲麻琴。グループの絶頂期から低迷期、そして彼女たちの代名詞でもあり、狂騒的だったライブ・特典会の裏側について赤裸々に語った『BUBKA9月号』のインタビューを一部抜粋してお届けする。

寝ても覚めてもリリイベ

──ぱすぽ☆(後にPASSPO☆に改名)はアイドル戦国時代の申し子だと思っていて、2010年のTIFのライブ映像を改めて見返すと、メンバーからもファンからも当時のすさまじい勢いを感じます。

根岸愛:メジャーデビューする直前くらいの状態ですよね。

奥仲麻琴:ステラボールでしたよね。よく覚えてます。

──前回、元アイドリング!!!の遠藤舞さんと森田涼花さんに取材した際、テレビ局発のアイドルグループとして活動というのもあって、当初はライブが軸ではなかったものの、2010年あたりからアイドル全体がライブメインの時代に移っていったという話になったんです。その点で言うと、ぱすぽ☆はかなりライブの比重が高く、現在のアイドルに繋がる存在だったと思います。スタート当初からそういう方向性だったのでしょうか?

根岸愛:私たちって、もともとアイドルに詳しいとか、アイドルをやりたいという子ではないメンバーの集まりなので、アイドルがどういう活動しているかもわかってなかったんです。事務所で初めてアイドルを作るということで、事務所としてもあまりわかってない状態で、ゼロからのスタートだったんですよね。だから、がむしゃらにやっていたという感じで、気づいたらずっとライブしてました(笑)。

奥仲麻琴:最初は事務所に集まって演技のワークショップとかをやってたんですよ。

根岸愛:最初は19人くらいの候補生が集まったんですよね。それぞれ経緯は違うと思うんですけど、もともとスカウトされて事務所に所属していた子がほとんどで、アイドルユニットを作るということでそのためにスカウトされた子も少しいて。そこからメンバーが選出されたという感じです。学校に行きながら放課後に集まって活動してました。

──アイドルシーンがどんどん盛り上がっていく渦中でどんなことを考えていたか覚えてますか?

根岸愛:アイドルと言えばAKB48さんという感じで、映像を見たりして勉強してました。会えるアイドル、会いに行けるアイドルという感じで握手会とかをやっていたじゃないですか。こういうものなんだ、私たちもこれをやっていくんだなと思ってました。学業で大変だった子もいると思うんですけど、私は活動がたくさんあって楽しいなと思ってました。

奥仲麻琴:当時はAKBさんが流行り始めていて、私の同級生にもメンバーがいたんですよね。その子はまわりから見ても神様みたいな存在で、なかなか学校に来れなかったりしたんです。私もいつかこうやって学校休んでみたいなって思ってました。

──休むのがかっこいいなと(笑)。

奥仲麻琴:そうそう、学校にいないことがかっこよかったんです。私が高2のときにぱすぽ☆がメジャーデビューしたんですけど、ちょくちょく学校に行けないことがすごく嬉しかったのを覚えてます(笑)。仕事も増えてきて、TIFとかの大きいフェスに出れるようになって、この1年間すごくない?って思いながら高校生時代を過ごしてました。

根岸愛:最初はトントン拍子だったもんね。

──ブームの最中の楽しさ嬉しさというのもあると思うんですが、ぱすぽ☆は猛烈なスケジュールだったから大変だったのではないかとも思うんです。

根岸愛:もちろんめちゃくちゃ大変でしたよ! しかも、インディーズの頃は衣装とかも自分たちで管理していて。

奥仲麻琴:そうそうそう。

根岸愛:その衣装自体もAmazonとかで売ってるようなすごく薄っぺらくてペラペラの、ちょっといかがわしい感じのコスプレ衣装みたいなので(笑)。キャビンアテンダントさんがテーマだったので、市販のそれっぽい衣装を買って、そこにオカダヤとかで担当カラーの装飾を買ってきて、自分たちで縫ったりしてました。

──既製品をカスタムしていたんですね。

奥仲麻琴:それぞれがいろんなのを付けてたのでガッチャガチャでした(笑)。

根岸愛:衣装がちゃんとオリジナルになったのはメジャーデビューしてからくらいだよね。

奥仲麻琴:マネージャーさんがスーツケースに衣装を入れて運んでくれるようになったことのありがたみは忘れられない。

根岸愛:最初は小道具とかも自分たちで持っていってたもんね。そうすると、やっぱ忘れちゃったりとかする時もあって。出だしは全部自分たちでやっていたので、環境がよくなっていくありがたみを感じてました。

──よく知らないまま始めてみたアイドルだったものの、活動はブームと相まってうまく軌道に乗り、待遇も変わっていった。

根岸愛:メジャーデビューくらいまではどんどんよくなっていきました。活動を始めてからメジャーデビューまでは集客も下がったことがなかったです。やればやるほど上がっていくという毎日で。体力的に大変な部分はありましたけど、先の不安みたいなことは感じなかったです。

──品川のTIFはどんな記憶がありますか?

奥仲麻琴:ももクロちゃん! 『ココ☆ナツ』の印象がすごいあります。

根岸愛:わかる。『走れ!』の映像はその後もめっちゃ見たな。ももクロちゃんはそこからバーっと上がっていった記憶があります。SUPER☆GiRLSさんとかも出てて、楽屋に集まってはじめましての挨拶をしたんですよね。これからメジャーデビューするという話を聞いて、今後めっちゃあちこちに出ていくんだろうなと思った記憶があります。

奥仲麻琴:懐かしい。女子流ちゃんとかバニラビーンズとか風男塾さんとかもいて、品川のステラボール近辺のいろんな会場でライブをやったじゃないですか。あそこを駆け回るのが楽しかった。私は素人だったから、どこかに行けば必ずアイドルさんがいるというのが感動でした。

根岸愛:私たちもメインステージに立たせてもらって、すごいことだと思ったのを覚えてます。

奥仲麻琴:たしかそのために夜中に集まって深夜練したよね。このTIFのときに私たちはメジャーデビューするって社長から聞いたんですよ。だからやる気満々でした。

──それはステージにも力が入りますよね。また、初の大規模フェスということもあってかファンの人たちも気合いが入っていたのかなと思います。

根岸愛:それこそ戦国時代という感じがありましたよね。

奥仲麻琴:アイドリング!!!さんのプロデューサーの門澤(清太)さんと番組で何度かお会いしたんですけど、「ぱすぽ☆のファンはこわかった」って言ってました(笑)。

根岸愛:パッセンジャー(ファンネーム)はちょっと強火な感じでしたから(笑)。

奥仲麻琴:誰にも負けないぞ感はあった気がします。

──その勢いのまま、『少女飛行』でメジャーデビューという流れになっていくわけですが、とんでもないペースでリリースイベントをやっていくことになります。

根岸愛:平日もやってましたし、2回しの予定だった日なのに、急遽その間にもう1回入れて3回ししたりして(笑)。あれができていたことも、そこに人が来てたのも不思議です(笑)。みなさんもう使命感みたいな感じだったと思います。

奥仲麻琴:私たちと共にファンのみんなも疲れてたよね(笑)。けど、この子たちをなんとしても応援しなきゃ、という気持ちで動いていたんだと思います。

──これはオリコンチャート1位を取るのではないかとファン以外の人も動向が気になっていた時期でした。そして、そのタイミングで震災があったんですよね。

根岸愛:そうですね。メジャーデビュー日は2011年5月4日なんですけど、当初の予定は違う日だったんですよ。でも、震災があってその日まで伸びて。ライブができなくなったりするなかで……たしか、みんなで大阪のマンションに泊まった時期もあったよね?

奥仲麻琴:ウィークリーマンションに泊まった。2週間くらいいたのかな。

根岸愛:避難というかなんというか。

奥仲麻琴:そこだとリリイベができたんだよ! 関西なら動けるぞってことで。海遊館にリリイベできるところがあったんです。

──関東近辺だと難しい時期だったから。なんという執念!

奥仲麻琴:めちゃくちゃな時代ですよね。私と(増井)みおとあいぽん(根岸)で、社長の車に乗って大阪まで行ったのを覚えてます。

根岸愛:ただ、もちろん疲弊はしていて。まだ曲数が多かったわけではないので、ミニライブもあまり変わり映えしないんですよ。特典会を工夫したりしてたけど、それでも限界はあるじゃないですか。来てくれる人もほぼ同じなので、大変な日々ではありました。

取材・文/南波一海

──まだまだ続く対談インタビューは『BUBKA9月号』で!……「再フライトのきざし」

根岸愛プロフィール

ねぎし・あい 1992年9月27日生まれ、埼玉県出身。2009年に「ぱすぽ☆」(のちに「PASSPO☆」に改名)の初期メンバーとして活動を開始。「あいぽん」の愛称で親しまれ、グループではキャプテンを務めた。2018年グループ解散後は声優、ストリーマーとして活躍の場を広げている。

奥仲麻琴プロフィール

おくなか・まこと 1993年11月18日生まれ、埼玉県出身。2009年に「ぱすぽ☆」として活動を開始。アイドル活動以外にも、2012年に『仮面ライダーウィザード』(テレビ朝日系)でヒロイン役を務めた。2014年にグループを卒業。現在はYouTubeやSNSなどをメインに、タレント活動を続けている。

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