2025-05-18 09:00

「ラジオ屋さんごっこ」インタビュー|「ラジご」がひらく雑談とインフルエンス

写真左から、リー子、valknee、つかさ
写真左から、リー子、valknee、つかさ

パーソナリティーのvalknee・リー子・つかさの3人がカルチャー、人間関係、性愛、お笑い、政治など幅広いテーマを独自の視点で語っていくポッドキャスト番組・ラジオ屋さんごっこ。書籍化やイベントの実施など、ポッドキャストの枠を飛び越えて活動を展開する注目プロジェクトを掘り下げます。

何でキモいんだろう?

――2018年スタートのポッドキャスト「ラジオ屋さんごっこ」(以下「ラジご」)ですが、スタートのキッカケは?

valknee:私自身がラッパー活動を本格化していくタイミングだったので、もう少し内面を知って貰えるようなコンテンツを作りたいと思ってた時に、友達だったリー子の紹介でつかさに出会って。

つかさ:2人ともラッパーの徳利さんがやってる「Knee Crisis Radio」にドハマりしてたんですよね。それで初対面なのに「もう来月からポッドキャストやろうよ」みたいな。それで、リー子と3人で始めたのが「ラジご」。でも、最初は思い出づくりみたいな感じでしたね。

リー子:「THE3名様」みたいなものへの憧れもありましたね。駄弁りがいい感じに転がったらいいね、ぐらいの気持ちで。だからこんなに続くと思ってなかった。

つかさ:最初は本当になにも考えてなかったから、奇跡的にうまく転がって死ぬほど面白い回と、全くまとまらなくて死ぬほどつまらない回が混ざってるんですよね。「クソつまらない回」(第13回)ってタイトルの回があるぐらい(笑)。リスナー数が増えてからは、さすがに一つのテーマで喋ろうとしてるので、聴きやすくなったかなと。

――Xのプロフィールでは「言語化を目的」と銘打たれていますが、では「『ラジご』という存在を言語化」するとどうなりますか?

つかさ:大きくいえば、いろんなテーマに対して、ほぼノンフィルターで、自分たちが思ってることを自分なりに説明して、それに人が共感してくれる解像度で話す場、かなと思います。

リー子:私はvalkneeみたいに音楽活動をしているわけではないので、あくまでも趣味ですが、自分としてはタイムカプセルを毎月更新しているような感覚でいます。

つかさ:自分の思い出でもあるし、例えば100年後に「ラジご」のデータを聴いてもらって、「こういう人いたんだ」「こんな社会だったんだ」「こういう視点を流してた人もいたんだ」と今の民衆を振り返れる一つの資料として取り扱われたい欲はある。

――時代を切り取ったドキュメントというか。すごく根本的な話ですが、3人が「言語化する」という意義は?

つかさ:なにか対象に対して「なんで」「どうして」と深掘っていくという意味で「言語化」という言葉を使っている認識です。

valknee:根本はつかさの質問魔というか、インタビュアー気質みたいな部分から会話が進むことが多いので、それを「言語化」と後付けした感じだよね。

リー子:つかさが「それはなんで?」「どうしてそう思うの?」って掘り下げてくれると、いかに自分が「なんとなくこっちのほうがいいから」みたいな発想で選んでいたり、選択させられていたことが多いんだなって気づかされて。だから、3人で会話する中で「なんでこれが好きなんだろう」「気持ち悪いんだろう」みたいなことを、自分の中で問うキッカケになっているし、それを大げさな表現かも知れないけど、「言語化」と呼んでるというか。

つかさ:だから言語化っていう大きい言葉を使わないとしたら、「“何で”を追求する」ということになると思う。

――自分の中の感情や思考を、言語化して構造化するというか。

つかさ:そうですね。僕はそんなリテラシーが高くないんで、簡単に「好き」「嫌い」「キモい」とか言っちゃうんですよ。でも自分が尊敬する人は、基本的にそういう切り方はしないし、自分自身も「あれ、それってなんでそう感じるんだっけ?」というのをちゃんと考えないといけないと思うし、考えたうえで言葉にするべきだなって。

valknee:ただ、ラフには話したいよね。発言が切り取られて燃えたりすることも多いから、発信すること自体に臆病になってる人もいると思うんですよ。でも、それをあんまり恐れずに、もっと普通に、もっとラフに話していいんじゃない?っていうのは根底にあって。みんなも自分がどう思っているかをもっと話そうよってインフルエンスしたい気持ちはめっちゃあります。

つかさ:嫌いもそうだし、なんでさらば青春の光が好きなのかとか。

valknee:バキ童(春とヒコーキ)が好きなのかとかも話してるし。

what is ラジオ屋さんごっこ?

ラッパーのvalknee、デザイナーのリー子、見習い建築士のつかさの3人が「言語化」を目的に、カルチャーから政治まで多様なトピックで語りを展開するラジオ番組(通称ラジご)。2018年の開始以後徐々に注目を集め、今年4月には書籍化&イベントを開催。現在は隔週月曜20:00更新で、YouTubeやSpotifyなど各種音声アプリで配信中。

BUBKA(ブブカ) コラムパック 2025年5月号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

『読むラジオ屋さんごっこ』(ソウ・スウィート・パブリッシング)
読んで楽しむ「ラジご」が発売。ラジオ屋さんごっこの人気回を収録のほか、豪華ゲスト陣による書籍オリジナルコンテンツを多数掲載。
Amazonで購入

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA2025年5月号

BUBKA 2025年5月号

BUBKA RANKING23:30更新

  1. 【吉田豪インタビュー】アフロ「客に笑われ、引かれ」異常なまでの熱さと勘違い力で東京で生き延びてきた男の半生
  2. 【吉田豪インタビュー】鈴木茂「売れそうもないと思ってた」はっぴいえんどとの出会い、名盤『BAND WAGON』から50年の音楽人生を語る
  3. 柿崎芽実&長濱ねるビブス・花ちゃんズ衣装も…日向坂46の歴史を体感する貴重な展示
  4. 【吉田豪インタビュー】かつての「神童」が母親に「壊れた」と思われ、スチャダラパーとの出会いから「かせきさいだぁ」になるまで
  5. 【吉田豪インタビュー】渡辺俊美、頑張らないこそ築けたキャリア
  6. 【吉田豪インタビュー】井上富雄、過去のものはそんなに引っ張らないでいきたい
  7. 日向坂46丹生明里「私たちにとってすごく大事な場所・東京ドーム」フォトスポットを明かす
  8. =LOVE、Anime Matsuri 2024 in ヒューストン現地詳細リポート
  9. プー・ルイ×古正寺恵巳、元BiSから今のアイドルシーンへ。「60歳の私と本当にチェキ撮ってくれるのか!?って思いますけど」
  10. 宮田愛萌「この衣装が好きすぎて」煌びやかなワンピース姿で登壇
  1. 櫻坂46新メンバー・四期生の初ステージ!「団結」「圧倒」「咲き続ける」を掲げ、グループの一員としての活躍を誓う
  2. 「シャコタン鳥」が大バズり!「写真で一言」だけじゃない乃木坂46大越ひなのの文才と、バナナマン日村も絶賛のバラエティ力
  3. 【吉田豪インタビュー】アフロ「客に笑われ、引かれ」異常なまでの熱さと勘違い力で東京で生き延びてきた男の半生
  4. 乃⽊坂46 初披露の会 「はじめまして、6期⽣です」完遂!初のステージでは『タイムリミット片想い』など5曲をパフォーマンス
  5. 上戸彩、15年ぶり写真集表紙カット解禁
  6. 【Rain Treeインタビュー前編】綾瀬ことり×吉川海未 「イケメン担当」吉川の“愛され過ぎ問題”の真相とは?
  7. 櫻坂46的野美青、スーツ姿でクールにポージング
  8. 乃木坂46中西アルノ、夏を先取り…爽やかグラビアショット
  9. 「乃木坂46の流儀」に日向坂46 松田好花が信じられないと驚嘆! 理想の先輩・久保史緒里の「グループアイドル論」
  10. 新センター・的野美青を据え、東京ドームの的を射抜いた櫻坂46の「運命を左右する」新曲『Make or Break』の全貌がついに明らかに!