2026-05-29 23:30

乃木坂46 吉田綾乃クリスティーが卒業を発表━━逃げたくなった過去を乗り越え、メンバーを陰ながら支える道を歩んだ10年

乃木坂46からの卒業を発表した吉田綾乃クリスティー
乃木坂46からの卒業を発表した吉田綾乃クリスティー
ⒸByakuya Shobo Co.,Ltd 2026

5月28日、乃木坂46・3期生の吉田綾乃クリスティーがグループ卒業を発表した。

『BUBKA1月号』(2025年11月末発売)のインタビューで、「私はみんなが削ってきたものを補う」と語っていた吉田。最年長メンバーながら「年上っぽくないよね」と他のメンバーから言われることも多く、誰に対しても分け隔てなく接していた彼女は、乃木坂46を影から支えてきたメンバーだった。

2016年9月に3期生として加入した吉田綾乃クリスティー。その特徴的な名前は、将来ハワイに住もうと考えていた両親が「日本とハワイのどっちでも使えるように名付けた」というエピソードを持つ。

加入時21歳で、すでに成人を迎えていた吉田は同期の中で最年長。ゆえに加入当初の彼女はお姉さんメンバーとして振る舞っていたようだが、その様子について同期の中村麗乃は『BRODY2月号』(2020年12月末発売)にて、「しっかりしないといけないと思ったらしい」と本人から聞いたエピソードを語りつつも、「気づいたらその役割は梅澤美波がしていたんですけどね」と振り返っていた。

その後、梅澤は3代目キャプテンとして乃木坂46を守り抜き、5月21日の卒業コンサートをもってその重荷を下ろした。そのラストステージで梅澤が吉田と向かい合ったとき、梅澤の視線はまるで姉を見るかのようだった。吉田も「妹へ。ぽんこつなうめがだいすきだよ。本当におつかれさまでした。姉より」というメッセージを贈り、同期という関係性を超えて家族のような絆を築いていた。キャプテンとしてグループの先頭に立つことが多かった梅澤は吉田を姉のように慕い、吉田もまた重圧に耐える梅澤を妹のように可愛がり、支えていたのだ。

主にアンダーメンバーとして活動していた吉田。シングルの表題曲を歌う選抜メンバーと、それ以外のアンダーメンバーに分かれる乃木坂46において、アンダーライブのステージは独特の熱狂を生む場所だった。「選抜メンバーだけじゃない」「ここにいる私たちを見て!」「私はこれができる」━━メンバーそれぞれが思いを持ってステージに立つ中、最上期生としてライブでは最後のMCを務めることが多い吉田はアンダーライブとの向き合い方について、「私はみんなが削ってきたものを最後に補う」と語り、全体を俯瞰しながらグループを支える役割を買って出ていた。

グループを鼓舞する梅澤のようなメンバーがいる一方で、吉田はそばで支えるメンバーだった。5期生の岡本姫奈は吉田がレギュラーを務める『東京パソコンクラブ』(テレビ東京)出演時、「後輩が困っている時に、1番に隣に来てくれる」「直接声をかけるとかじゃなくて、横にいてくれた」と、吉田の優しさを語っていた。同じく5期生で4代目キャプテンに就任した菅原咲月が副キャプテンを務めていた頃、アンダーライブをともにした吉田は「副キャプテンという重圧をここではちょっとは下ろせるのかなって思って」と声をかけていた。彼女は自分以外のメンバーが少しでも輝けるように、そして余計なプレッシャーを感じないように、そっと支える役割を担ってきた。吉田ら3期生が最初にもらった期別曲『三番目の風』。その歌詞には「三番目の風になろう/今までとは違う向きに吹き抜けろ」とあるが、吉田が吹かせたのはフォローの風だった。

卒業を発表したブログで吉田は、憧れていたアイドルの世界について、「想像を超えていて、楽しいこと、嬉しいことは勿論、自分ではどうする事も出来ないような辛いこともありました。傷付くことが怖くて逃げたくなった時もありました」と綴っていた。彼女の眼前に広がる景色は、良いことばかりではなかったかもしれない。でも、そんな彼女を救ったのはメンバーやスタッフ、そしてファンであり、吉田は「言葉で傷ついた心を、言葉で癒して元気づけてくれました」「こんな私をずっと支えてくれて、本当にありがとうございました」と感謝を伝えていた。彼女が彼女の道を歩み、そして時には他のメンバーを支える追い風を吹かせ続ける道を選んだのは、そんな経験があったからかもしれない。後輩や同期を「愛おしい存在」と語る彼女は、陰ながらメンバーを守り続けてきた。

8月9日に開催される「真夏の全国ツアー2026」の福岡公演をもって、乃木坂46を卒業する吉田綾乃クリスティー。卒業までの残された時間も、グループの卒業後の未来も━━彼女が幸せであり続けられるように、今度はメンバーやファンがフォローの風となって彼女の背中を押す番だ。

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