私立恵比寿中学・安本彩花×AKB48・向井地美音インタビュー(1)|「平成と令和のアイドルって特徴が違う」合わせて30年、最前線で戦い抜いた二人のアイドル観

撮影/幸田昌之
「アイドル」という職業に10年以上という時間を捧げた私立恵比寿中学・安本彩花とAKB48・向井地美音。別グループで互いの人生を過ごしてきたけれど、積み重ねてきた経験値と平成アイドル魂は、二人の中で共鳴し合うはず。向井地の卒業が間近に迫る中、編集部はグループの最前線で活躍してきたこの二人に、「時代と変化」について語ってもらうことにした。
型はいらない
──グループの垣根を越えた対談です!
向井地:卒業直前に、本当に貴重な機会を設けていただきました!
安本:初めて劇場に来させてもらったんですけど、すごいです! 感動してます!
──というわけで、2人がどうして対談しているのか、まずはその背景を。
向井地:私が一方的に大ファンなんです(笑)。初めてえびちゅうさんのライブを見させていただいた時のことが今でも忘れられません。えびちゅうさんのパフォーマンスが素晴らしすぎて。
安本:ありがとうございます!
向井地:魂からの歌声で気持ちを伝えるパフォーマンスが、本気ですごかったんです。で、心の底から楽しかったなって家に帰ったんですけど、次の日から安本さんの歌声がずっと頭から離れなくなって。そこからYouTubeとかをめちゃめちゃ見るようになって、いろいろ調べる中で大ファンに!
安本:もちろんみーおんさんの存在は知っていたし、(廣田)あいかが仲いいっていう話を聞いて、ほかのメンバーみんなでいいないいな、うらやましいなって言ってたんですよ。そしたら、あいかの卒業ライブに来てくださって、「本物だ! 本当に仲がいいんだ!」って(笑)。そのあと、あいかから「みーおんが彩花のこと好きって言ってるよ」って聞いて、ファンの方からもその情報をちょこちょこ聞くようになって。
向井地:共通のファンの方から、伝言ゲームみたいに(笑)。
安本:最初は本当かなーと思ってたんです。でも、いろんな人から言われるから、これは本当だなと(笑)。
向井地:安本さんのファンになって、いつかお会いしたいなと思ってたんですけど、共演する機会がなかなかなくて。でも、同じ日にTIFでご一緒する機会があって、そのときに楽屋挨拶に行かせていただいたり、一緒に写真を撮らせていただいたり。
安本:みーおんさんほど、ストレートに好きって伝えてくれるほかのアイドルさんっていなかったし、テレビで見てるみーおんさんが好きって言ってくれる! うれしい! ってなって(笑)。もう本当に光栄ですね。
──安本さんは、AKB48に対してどんなイメージを持っていましたか?
安本:えびちゅうにとって直の先輩はももクロちゃんなので、ももクロちゃんを追っかける気持ちがありつつ、もっと広い意味でアイドルとして考えたら、AKB48さんの背中はアイドル全員が追いかけるものでした。自分がアイドルになる前からAKB48さんの曲は聴いていたし、アイドルになってからもAKB48さんとご一緒できることで自分たちの立ち位置を測るというか、共演できるってことは私たちも頑張って積み重ねられたんだなって、努力を証明できる場所というか。その中でみーおんさんは、私たち世代が応援していたOGのみなさんと今の若手メンバーの間にいて。
向井地:そうなりますね。
安本:私も後輩を受け入れる経験がある中で、いろんな苦労や逆にそこで得られる楽しさだったり、同じような経験をきっとしてるんだろうなって思いながら、ずっと応援させてもらっていますね。
──アイドルを10年以上続けている者同士として、同じ経験や感覚があるはずだと。
安本:先輩の背中を追いつつ、後ろからは後輩たちが追いかけてきて、間に挟まれている感覚というか。それは私も感じることがあるので、それもあってみーおんさんを応援したい気持ちになったし、いつの間にか同志のような意識で見ていましたね。
向井地:私は加入前に見てきたAKB48がものすごく大きな憧れの存在としてあって、入ってはみたものの、同じAKB48って言っていいのかなというところから始まり、先輩の背中にただただついていくだけの時期もありました。でも、途中で気づいたんです。当時のAKB48は総選挙があったし、本当だったらセンターになりたいという気持ちで自分を高めるのが正解なんだろうけど、私はやっぱりAKB48という存在が大好き。だったら、グループ全体のためになれる人になりたいって。それで、総監督に立候補させていただいたんです。
安本:そうだったんですね。
向井地:そこから今、新しい子がどんどん入ってきてくれる中で、やっぱり自分が見てた背中、あの頃と今のAKB48はまったく違ったりして。そこをつなげるのはむずかしいなって、卒業を控えた今も思います。少しでも、そこをつなげられていたらいいんですけど。えびちゅうさんもここ何年かで後輩方が入られているから、安本さんにもぜひそのあたりのお話をお聞きしたいと思ってました。
安本:世代で区切るのはよくないけど、平成のアイドルと令和のアイドルって、やっぱり特徴が違くて。そういう子たちと向き合うのには、すごく時間がかかりましたね、今となっては昨日もみんなでご飯を食べに行ったり、本当にたくさんの時間をかけて、やっと仲良くなってきた感じ。
向井地:そうなんだ。
安本:上の世代って言われる真山(りか)と私、中山莉子までは人に意見を言うのが苦手なタイプで。
向井地:私もめっちゃそれなので、よくわかります。最初は、全然言えなかった。
安本:言えないんですよ! でも、後輩たちのために言わないといけない!
向井地:そう! そこにぶつかりますよね!
安本:で、壁にはぶつかるけど、やっぱ下の子たちのガッツや野心がすごいので、そこに背中を押されて。みんながこんだけあがいて頑張ってるんだったら、私たちから伝えられることもあるだろうしって。最初は伝え方が不器用で、もしかしたらみんなのことを傷つけちゃった場面もあったと思うけど、後輩のみんながそれをただ嫌だって思わないでついてきてくれた。そんな1、2年があったから、今はお互いに意見を言い合えるようになってきて。ただ、今でも悩むことあります。
向井地:今のAKB48は、1年に1回ぐらいの頻度でどんどん新しい子が入ってくるから、若い子たち中でも先輩後輩があったりする。で、基本的には1期上の先輩が1期下の後輩に教えていく伝統があって、それが今も続いている感じなんです。でも、そうすると知らない間にルールが変わってたり、消滅してたり、逆に増えてたり(笑)。
安本:そんなことがあるんですね(笑)。
向井地:メンバーが多いこともあって、上が気づかないうちに(笑)。
取材・文/大久保和則

撮影/幸田昌之










