2022-02-05 11:00

Creepy Nuts・R-指定「DABOさんのラップはスムースやし、滑らかすぎるから、凄さを見逃しちゃうんですけど、分析するととんでもないライミングなんですよね」

R-指定(Creepy Nuts)
写真/河西遼

Creepy NutsのMCとして活躍するR-指定によるイベント『Rの異常な愛情』。約10カ月ぶりの開催で扱うテーマは「DABO」。NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの一員として、そしてソロMCとしても旋風を巻き起こしてきた最強ラッパーについて語り尽くします! 中編は今回のイベントのメインである1stアルバム『PLATINUM TONGUE』本編についてです!

DABOの革命前夜(中編) 新しいシーンの幕開け

和製『Illmatic』

――中編では『Platinum Tongue』本編の解説に入っていきましょう。このアルバムはUSのヒップホップのトップレーベル「DEFJAM」が、その日本支部として「DEF JAM JAPAN」を立ち上げて、そことソロ契約第一号を結んでリリースされたんだよね。それはとんでもない称号だったし、REDMANとの2マンライブも行われたり、その期待度は尋常じゃなかった。

R-指定 だからアルバムのトラックメイカーも敏腕揃いなんですよね。それこそDJ CELORYさんやLAMP EYEのDJ YASさん、MASTERKEYさん、MUMMY‐Dさん、D.O.Iさん、CQさん……。

――そしてMACKA-CHINさん、DJ WATARAIさん、DJ HAZIMEさん、Mr.ITAGAKIさんという宇田川のイツメン勢。意外にも海外勢はP.KINGだけなのも興味深い。時代的にも、海外のトッププロデューサーのトラックを、言い方は悪いけど買い付けて箔をつけるということも考えられる。でもそれをしないで、このクオリティを出したことは、日本のシーンが一段階変わった象徴とも言える。

R-指定 その成り立ちがNasの『Illmatic』に近いなと思ってたんですけど、インタビューでDABOさんも言ってるんですよね。「『Illmatic』を作ろうとした」「『Illmatic』を作ってくれって周りから言われてた」と。

――Nasの『Illmatic』は、当時のNYの超一線級のトラックメイカーが横断的にこぞって参加したんだけど、『Platinum Tongue』も同じ傾向がある。当時は宇田川系ならMUROさん、FG系はDさん、UBGならINOVADERさんみたいに、プロデューサーの人選に関係性が反映されがちだったけど、DABOさんの場合は東京シーン全体のトッププロデューサーが参加してて、それも『Illmatic』に近いよね。

R-指定 そこからもいかに期待されてたかが伺えますよね。では本編の話に入りましょうか。まずはD.O.Iさんプロデュースの“Platinumintro”。

――この曲は〈new generation begin〉、つまり「新しい世代の始まり」っていう宣言から始まるんだけど、それって「今までのシーンは旧世代」ということと同義だから、かなり気合いの必要な発言だよね。Rくんだったらデビューする時に言える?

R-指定 俺はちょっとそのタマじゃないですね(笑)。DABOさんのアルバムってイントロからオモロイんですよ。『HITMAN』の“HITMANのテーマ”は、ヒットマンの足音がコツコツ聞こえて銃声が鳴るとか、『DIAMOND』のイントロの“多面体”は、HAZIMEさんがDABOさんの別名、二つ名をずっと叫んでいくという。「DABO A.K.A.MR.フダツキ! A.K.A.PLATINUM TONGUE! A.K.A.HITMAN! A.K.A.BIG DICK Bruner!」って10個ぐらい言ってますよ(笑)。そして“MIC CHECK”ですが、(曲を聴きながら)上手いですねぇ……。DABOさんのラップはスムースやし、滑らかすぎるから、凄さを見逃しちゃうんですけど、分析するととんでもないライミングなんですよね。〈マチガイナイ/お前のスケじゃ扱えない/危険人物いざ意見陳述/チョーパンー発新天地進出〉。〈危険人物〉〈意見陳述〉は、もっと強調してもいいぐらいのロングライムなんですけど、それをもったいぶって使ってないんですよね。よくやりがちなのは「なんとかかんとか、危険人物/なんとかかんとか、意見陳述」みたいに。

BUBKA3月号 コラムパックのご購入はこちら

BUBKA3月号 コラムパック
BUBKA3月号 コラムパック

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books(Mac または iOS デバイスのみ)

Google Play

紀伊國屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA2025年5月号

BUBKA 2025年5月号

BUBKA RANKING17:30更新

  1. 「努力の天才」日向坂46松田好花、26歳の現在地━━今や年間テレビ出演回数100本超え、聴取率首位キープの“売れっ子”の8年間の軌跡
  2. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#13「プロにおまかせしてきました」
  3. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  4. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#16「西日本編」
  5. 「ひなた坂46」が横アリ2日間で起こした奇跡!山口陽世の「ひらがな、ぶちかませ!」でこじ開けられたグループの新たな扉
  6. ファンの追い風を受けて=LOVE(イコラブ)旋風が巻き起こる予感
  7. 感謝の気持ちにあふれている=LOVE山本杏奈さん~令和の新しいリーダー像~
  8. 日向坂46 佐々木久美が残す「誰よりも高く跳べ!」というメッセージ━━副キャプテン 高橋未来虹や松田好花に託された想い
  9. 櫻坂46 藤吉夏鈴の「一番好きな輝き方」新エース山下瞳月が20歳に━━振付師 TAKAHIROも絶賛の魅力とは?
  10. 22歳の誕生日を迎えた日向坂46金村美玖が「負け顔」キャラからセンター、そして芸術の才能も開花させたアイドル人生
  1. 井桁弘恵、髪ばっさりボブにイメチェン&ヘアドネーション報告「全世界が待っていた」「ショートカットで美人さんがさらに際立つ」と反響続々
  2. アイドル界の下克上…ラフ×ラフ日比野芽奈、SKE48熊崎晴香&AKB48千葉恵里を破り“じゃんけん大会”を制す!!
  3. 櫻坂46 2ndアルバム『Addiction』本日発売!「最もプリミティブ」な方法でテレビ出演した守屋麗奈が「ハリソン守屋」呼ばわりされ、後輩の小島凪紗を巻き添えに
  4. STU48中村舞、美しすぎる“鬼女”姿解禁
  5. 日向坂46の「この先ないぐらいの奇跡」が起きた日━━藤嶌果歩が巻き起こした「聞いたことない歓声」と伝説のOGが集結した「6回目のひな誕祭」
  6. AKB48小栗有以、ひろゆき氏に“論破”される
  7. 櫻坂46 藤吉夏鈴の金髪ロング姿に「何回見ても衝撃!」「中毒性が高すぎて、ハマってしまう」の声
  8. ラフ×ラフ藤崎未来、“大喜利”で爪痕残す!ひろゆき氏も絶賛した回答とは
  9. 「努力の天才」日向坂46松田好花、26歳の現在地━━今や年間テレビ出演回数100本超え、聴取率首位キープの“売れっ子”の8年間の軌跡
  10. 日向坂46「6回目のひな誕祭」サプライズで長濱ねるらOGメンバーが登場し『ひらがなけやき』を披露!