2022-08-01 11:00

『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』著者・高橋ユキ氏「真意が伝わらないままなのは気の毒」

「逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白」著者・高橋ユキ氏
「逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白」著者・高橋ユキ氏

――世間を騒がせた松山刑務所逃走犯と富田林署逃走犯は、どちらも2018年の出来事。連日、情報番組で取り上げていましたが、特に前者は、まったくテレビで報じていた内容と、脱走犯のリアルが乖離していることに驚きました。

高橋ユキ 松山刑務所逃走犯は、開放的処遇施設と呼ばれる塀のない刑務所……社会に近い環境で更生を図ることを目的としているわけですが、そういった環境下ゆえに受刑者による自治会長やリーダーなどが存在する特殊なルールの中で服役していた。彼は、その処遇や理不尽な扱いを不服に思い脱走し、瀬戸内海の向島に逃げ込む。手記を読むと、開放的処遇施設の改善を訴えていて、彼なりのクーデター的な行為だったことが窺えるんですよね。こういった背景があることを、一部の全国紙は報道したものの、テレビでは報道しなかった。テレビ的には、地味で面白みに欠けるのでしょう。彼がどういう理由で逃げようと思ったのか知らない人が多いんだろうなと思います。

――しかも、島の人々は脱走犯に対して、「元気にしとるんかしら」とか「出てきたら、ご飯でも食べさしてあげるのに、って皆で話していた」など親しみを隠そうとしない。本書を読むと、あの騒動の景色がまったく違って見える。

高橋ユキ 向島の住人たちは、意外にも平和的でした(笑)。むしろ、怒りの矛先をずさんな捜査をする警察に向けているくらい。そういう中で、脱走犯は尾道水道を決死の覚悟で泳ぎ、本州にたどり着くも、最後は広島で捕まってしまう。この騒動を受けて、開放的処遇施設は厳重になり、開放的ではなくなってしまいました。彼の訴えは、むしろ逆の結末を招いてしまったわけで、真意が伝わらないままなのは気の毒でもあるんですよ。

――切なさすら感じます。何年後かに、『ザ! 世界仰天ニュース』で再現ドラマ化されるくらいでしょうから、なぜ彼が逃げたのかを切に知ってほしいなと。警察のマヌケっぷり含めて、脱走の背景にはいろいろなリアルがあると痛感しました。

高橋ユキ きちんとしている警察もいると思うのですが、富田林署はちょっとひどかった(苦笑)。今は改善されていてほしいですが、富田林署逃走犯の脱走は、警察署のミスによって発生した感が否めません。その後、彼は、自転車で全国一周をしているサイクリストに扮して逃げ続ける。まさか、サイクリストを装っていたとは思わなかったから、逮捕されたときは日本中がびっくりしましたよね。

逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白
Amazonで購入

BUBKA(ブブカ) コラムパック 2022年9月号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

BUBKA(ブブカ)コラムパック 2022年9月号
BUBKA(ブブカ)コラムパック 2022年9月号

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books

Google Play

紀伊國屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

Twitterでシェア

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA2025年5月号

BUBKA 2025年5月号

BUBKA RANKING17:30更新

  1. 櫻坂46 藤吉夏鈴の「一番好きな輝き方」新エース山下瞳月が20歳に━━振付師 TAKAHIROも絶賛の魅力とは?
  2. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  3. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#52「冬のバイク、不得意です」
  4. 【BUBKA2月号】栗栖正伸、イス大王が語る遅咲きヒールとしての苦節50年
  5. 「ZOZOマリン、まとめてかかってこい!」櫻坂46 山下瞳月の魂の叫び!5年目の勝利にBuddiesたちは態度で示せるか!?
  6. イコラブファンに聞いてみた vol.1 ~誰もが一度は読んでいる、あのブログを書いてる方は…?~
  7. 櫻坂46・村井優と山下瞳月の「うさぎねこ」コンビの大躍進!最新シングルでセンターを分け合う、遅れてきた三期生2人のドラマ
  8. 東洋一の美少女、ユーモアと優しさ・親しみやすさにあふれている究極かつ至高のパーフェクトアイドル、=LOVE佐々木舞香ちゃんを推したくなる理由
  9. 「努力の天才」日向坂46松田好花、26歳の現在地━━今や年間テレビ出演回数100本超え、聴取率首位キープの“売れっ子”の8年間の軌跡
  10. 日向坂46影山優佳×宮田愛萌、秀才コンビが導き出すアイドル処世術【BUBKA12月号】
  1. HKT48地頭江音々“卒業”写真集発売!お気に入りはエモい見開きカット
  2. Rain Tree綾瀬ことり「皆さんとすてきな思い出にしたい」【1st Anniversary Concert開催記念インタビュー】
  3. 「納得できたパフォーマンスはひとつもないんです」と語ってから一年、葛藤を乗り越えて21歳になった櫻坂46 山下瞳月に高まる期待
  4. 乃木坂46鈴木佑捺、大好きな先輩・遠藤さくらと美術館を満喫
  5. ノンストップ30分から始まった熱狂の夜…LarmeR、ツアー完走で示した“現在地”と春への疾走
  6. 『卒業コンサート』を控えるHKT48地頭江音々「まずはすごく幸せだなって思っています」
  7. 日向坂46金村美玖が表紙を飾る!小坂菜緒と藤嶌果歩の対談をはじめ“日向坂46特集”号
  8. 日向坂46正源司陽子、最強アイドルのグラビアショット「私らしさや子供っぽい一面なども」
  9. 元レースクイーン川村那月、お嬢様風役衣装公開に反響「プリンセスみたい」「ポニーテールお似合い」
  10. 「年間260食以上の蕎麦ドル」日向坂46松田好花、身を削って会いに来たファンを「なかなかクレイジー」と最大級の褒め言葉

関連記事