【BUBKAアーカイブ特別版】乃木坂46五百城茉央「……この世界って、いろんな人の言葉を聞くことがあるじゃないですか」|“魂”のアンダーライブ特集インタビュー全文掲載

撮影/田中健児
9月29日・30日、乃木坂46が東京体育館で開催する「42ndSGアンダーライブ」。5期生・小川彩をセンターに据えた42ndSGアンダーメンバー14名はその名を、その熱を、その輝きを、乃木坂46「アンダーライブ」の歴史に刻む。現在発売中の『BUBKA10月号』では「逆襲のアンダーライブ特集」と題し、アンダーメンバー全員にインタビューを敢行。その胸中を語ってもらった。開催が目前に迫るこのタイミングにぜひ、彼女たちの思いを感じてほしい。
今回は特別版として2作前、40thSGアンダー楽曲『純粋とは何か?』参加メンバーのインタビューを全文(『BUBKA1月号』掲載)公開。初めてのアンダー楽曲、初めてのアンダーライブ、そして初めての座長を務めた彼女の言葉を振り返る。
歴史に恥じない姿を
──数カ月前、20歳になりましたね。どんな気分ですか?
五百城茉央(以下、五百城):19歳最後の日はすごくワクワクしていました。「わぁ、20歳になるのか」って。その日はメンバーとカラオケに行って、19歳っぽい曲をいっぱい歌って。そして、次の日になってみたら何も変わらなかった(笑)。私も20歳なんだなぁという気持ちで生きています。
──いくつかやれることは増えますよね。
五百城:お酒はちょびっと飲みました。「おっ、こんな感じか」と思って。
──その感じだと苦手そうですね(笑)。さて、今月はアンダーライブ大特集号です。日本武道館のリハーサルはまだ始まっていないですね?
五百城:はい。私はたくさん覚えなくちゃいけないんですけど。
──まずはその問題に直面しそうですか。
五百城:今は久保史緒里さんの卒業コンサートのリハーサル真っ最中で、それが終わってからアンダーライブのリハに入ります。暇さえあれば、動画を観て覚えています。
──ブログでは「わくわく>悔しい」と書いていましたね。
五百城:わくわくもすごくあるんですけど、他の皆さんはもう出来上がっているじゃないですか。その中に一人で入っていくので、焦りもあります。振り覚えは遅いほうなので。振り入れについていけそうにないので、いっぱい準備して臨みます。
──しかも、座長ですね。それも焦りの原因のひとつですかね。
五百城:そうですね。私はアンダーライブに初めて参加させていただくので、これまでの歴史に恥じないように頑張らないといけないという気持ちです。
──アンダーライブの映像を観たり、あるいは現地で観たりした経験はありますか?
五百城:仕事で行けなかった回以外はすべて行かせていただいています。初めて観たのは32枚目かな。よく覚えているのは『左胸の勇気』を観ながら涙したことです。その時に思ったのは、自分は何もできていないなということでした。ライブって人の心を動かせるものじゃないですか。乃木坂46のライブを客観的に観るのってアンダーライブしかなかったので。だから、いろんなことを学べる場所なんです。たとえば、ステージの端や後ろの方で踊っていても、真ん中じゃなくてそっちに目がいくことはあるし、カメラに抜かれているかどうかは関係ないですよね。あと、「歌だけで会場の方々を感動させているんだ、すごいな」って思ったこともあります。ライブってこういうものなんだなって学びましたし、楽しんでもいました。
──よく知っているメンバーが踊っていると、特に感じることがありそうですね。
五百城:そうですね。それもあって、自分はこんなパフォーマンスができているのかなって観に行く度に思っていました。でも、踊る時の目線はこうしたらいいんだとか、こういうコールアンドレスポンスが盛り上がるんだって学んで、自分のパフォーマンスに取り入れるようにしました。
──特に目についたメンバーはいましたか?
五百城:同期の奥田いろはちゃんです。10月の横浜BUNTAIでは、どこにいてもダンスがしなやかで、すごいなって思いました。同じステージで踊っていても感じるんですけど、輝きが違うと思いました。あと、ご卒業された中村麗乃さんのパフォーマンスも大好きでした。立ち姿が美しいから、私も姿勢を正そうって思わせてくれました。ダンスも歌も輝いていて、あんなふうにパフォーマンスしたいなって思っていました。
──ミュージカルの舞台に立っていた人ですからね。
五百城:その作品も観に行かせていただきましたけど、あまりにもすごすぎて(笑)。私には無理だと思いました。映像と違って、舞台ってすべてを客席から見られるじゃないですか。しかも、2~3時間です。それを一糸乱れず、隙なく終えるってなんてすごいんだろうって感動しました。

撮影/田中健児
純粋の意味
──ご自身のライブ映像はチェックしますか?
五百城:はい。でも、ステージのモニターに映る時って胸から上なので、全身が映っていないから、どう見られているかはわからないんです。なので、日本武道館に来てくださる方を夢中にさせるようなライブを作ることが純粋に怖いなって思います。でも、今は燃えています。アンダーに選ばれた時は落ち込むこともありました。でも、武道館3DAYSだと聞いて、やりたいことが明確になってきました。それは、自分の思いをぶつけたいということです。それは私にとって挑戦です。もしかしたらファンの皆さんには「こんな茉央ちゃんでいてほしい」という願望があるかもしれません。でも、今回は自分のやりたいことをやってみたい。だから、「わくわくしている」とブログで書けたんです。
──ぶつけたい「自分の思い」とはどんなものですか?
五百城:以前のライブは必死にやることしか考えていなかったんですけど、最近はライブでもっと存在感のある人になりたいと考えるようになりました。そのタイミングでのアンダーライブなので。自分にとってチャレンジできる場所だと思っています。そのチャレンジを成功させたいなというわくわくがあります。
──その気持ちがあれば、半分は成功だと思います。今回のアンダー楽曲はどんな曲ですか?
五百城:タイトルは『純粋とは何か?』です。初めて聴いた時は自分に向けて歌いたくなる曲だなと思いました。すごく好きです。最後のフレーズで「カッコ悪い生き方しててもどんな時でも純粋でいたいんだ」という歌詞があって、それを読んで、自分に歌ってあげたくなりました。サビもすごく共感できたし、たくさんの方に聴いていただきたいと思いました。
──サビはどんな感じですか?
五百城:サビでは純粋とは何なのだろうって自問自答しています。共感できたから気持ちを乗せて歌えると思います。……この世界って、いろんな人の言葉を聞くことがあるじゃないですか。
──どうしてもいろんな声が気になっちゃいますよね。
五百城:はい。なので、いろんなタイミングで聴きたいと思える曲でした。
──自分が感じていることを純粋に表現するのは得意ですか?
五百城:純粋が何かはわからないですけど、真っすぐでいたいなとは思っています。その真っすぐさを大事にしなさいという思いが込められた曲だと思います。明るい曲調なので、ふわふわした感じのMVになるのかなと思っていたら、私がセンターの5期生曲『「じゃあね」が切ない』や私の個人PVを担当してくださった方が監督さんだったんですけど、初めは自信のない私がだんだんと変わっていく姿を撮ってくださって。特に説明は受けていないですけど、そのMVが意味のあるものになったらいいなと思いながら撮影に臨みました。
──ご自身が変わりたいという願望はありますか?
五百城:うーん、自分がやってみたいことやこうなりたいという思いを特に表に出すことはないタイプではあるんですけど、もっと出してもいいのかなと思ったりしています。でも、自分を変えたいとは特に思っていないです。
──自分の希望はあまり口に出してはこなかったんですね。
五百城:それは、言える自信がないからだと思います。今は自信をつけている段階なので。
──MV撮影中、アンダーのメンバーと何か話したことはありますか?
五百城:はい。5期生とはもちろん何でも話せる仲なんですけど、期が違うメンバーさんとはどうなるんだろうと思っていました。それまでも皆さんとコミュニケーションは取ってきましたけど、少しだけ不安がありました。ですけど、待ち時間で松尾(美佑)さんが最初に声をかけてくださって、一緒に写真を撮って。その後、(伊藤)理々杏さん、柴田(柚菜)さん、佐藤(璃果)さんと空き時間に外出して、写真を撮って。その時間がすごく楽しくて。「よかった~」って思いました(笑)。
──初めてのアンダーですからね。仲間においでよみたいな感じなんでしょうね。
五百城:特に松尾さんはいっぱい話しかけてくれて、嬉しかったです。温かさを感じました。(田村)真佑さんは選抜発表が終わった夜に連絡をくれました。「何かあったら何でも言ってね」って。すごくありがたかったです。
──嬉しいですね。ただ、その日はさすがにショックでしたよね。
五百城:はい。でも、先輩方が「ごはん行こうよ」と誘ってくれたりして、直接的ではないけど、気にかけてくれているんだろうなと思って、嬉しかったです。
━━五百城さんがそういう優しさを他のメンバーにかけてあげたことはありますか?
五百城:自分で言うのもアレですけど(笑)、最近、後輩が苦しそうなんです。「新参者」のリハーサルをやりつつ、久保さんの卒コンの準備もあって。初めて踊る曲ばかりで、みんな泣いているんです。「いいよ、(振りを)忘れちゃいな」って言いました。本当は忘れちゃダメですけど、今は「新参者」のことだけ考えて、頑張ればいいよっていう意味で、そう言っちゃいました。
──五百城さんもその道を通ってきたから、気持ちがわかるんですね。
五百城:まず振りを覚えないといけないから、そこが苦しいんです。そんなに簡単には入ってこないですし。
──五百城さんにもそうやって手を差し伸べてくれた先輩がいたんですか?
五百城:落ち込んでいる時に励ましてくれる先輩がいました。遠藤さくらさんはこの間も「どっか遊びに行こうよ」と誘ってくださって。仕事帰りの散歩道だったんですけど、多分私のことを気にかけてくれたと思うんです。「気にかけてくれてるんですか?」って聞いたら、「そうです!」って言ってて(笑)。
──その画を想像したら、すでにMVですね。
五百城:今回の結果を気にかけてくれているんだなと思って。何でもない話をしつつ、「本当に無理だよ~っていう時が来たら、いつでもごはんに行くから言ってね」って。ありがたやって思いました。いつか私も6期生にそういうことを言えたらいいなって思います。

撮影/田中健児
NEO IOKI
──6期生とは食事には行きましたか?
五百城:いや、まだです。私が誘って喜んでくれるのかもわからないですし(笑)。でも、洋服をあげる約束だけしました。海邉朱莉ちゃんに。洋服の話の流れになったから、「えっ、いいんですか⁉」って喜んでくれて。他の6期生とも仲よくなれたらいいなと思います。
──後輩だけじゃなく、アンダーライブのリハーサル期間で先輩とも仲よくなると思います。そうしたら、違う世界が見えてくるかもしれません。
五百城:そうですね。仲よくなれるきっかけにしたいです。松尾さんとはともに初選抜だった『人は夢を二度見る』で隣のポジションだったので、その時は私から話しかけていました。私は人見知りですけど、松尾さんもかなりの人見知りで。仲よくなれたかなと思ったら、すぐ鎖国されて(笑)。
─また開国しないといけない(笑)。
五百城:だけど、私が落ち込んだ時、励ましてくれたことがありました。その後は活動の場が近くではなくなってしまったんですけど、「五百城のことを支えたいな」とトークアプリにも送ってくれたみたいで。そういう心遣いがすごく嬉しいです。いい思い出をいっぱい作って、送り出したいと思います。
──ぜひそうしてあげてください。アンダーライブを座長として迎えるわけですが、話す時間がどこかで設けられると思います。
五百城:そうですね。アンダーライブは毎回そういう時間があるから、自分でも何をしゃべろうかって考えています。ですけど、ステージに立って何を感じるのか、まだわからないので、何を話すか決めてはいないですけど、現時点で感じたことは忘れないようにケータイにメモしています。常々思ったことはメモするようにしているんですけど、何を話すことになるかはその時次第になりそうです。
──武道館で、しかも一人だけで話すのって大変なことだとは思いますけど……あっ、プレッシャーかけてるわけじゃないですよ。
五百城:かかりました(笑)。でも、毎回ぐっとくる言葉ばかりですもんね。
──そうですね。20歳でその重圧に耐えているだけでもすごいことです。
五百城:いや、そんな。加入して、あっという間に4年が経ちました。あっという間だったし、いろいろやって来たなと思うし、特にこの1年は自分の中では濃い経験をして、目まぐるしかったです。「待って。もう寒いの?」って思いました。
──冒頭でおっしゃっていましたが、燃えているんですね。普段、その感情はあまり表には出さないように見えます。
五百城:燃えるようになったのは、この1年の経験が大きかったです。ドラマ『MADDER その事件、ワタシが犯人です』(今年4月期放送)に出させていただいたのがきっかけです。それまでは目の前のことを必死にやっていたけど、ドラマが始まってからはそれだけでは足りなくて、自分を燃やさないといけないと思いました。まずそのお話をいただいた時、「無理です」って言いかけたんです。だって、「こんなに多いの⁉」っていうくらいセリフが多かったので。でも、出演させていただいてドラマの面白さにも気づけたし、すごく成長できた期間になりました。ひとつ壁が破れたというか、自分の限界値が広がった気がして、こんな私でも頑張れるんだって思えました。
──撮影期間は燃えていたんですね。
五百城:そうですね。毎日を必死に生きていました。寝る前、必死にセリフを覚えて、「明日はこうやって表現しよう!」と思って寝て。起きてから現場に行って……。そんな毎日を繰り返していたら、あっという間に2カ月が過ぎていました。その体験は大きかったです。
──主演としてのドラマ撮影だけじゃなく、他の仕事もありますよね。
五百城:そうでした。焦りと不安がありましたけど、逆境だからこそ燃えていたんだと思います。今の私はその時と似ているんです。やらなきゃいけないことはたくさんあるけど、この時期を乗り越えたらどんな自分になれるんだろうって。それが楽しみです。
──そうすると、違うバージョンの自分に出会えそうですね。
五百城:ファンの皆さんにも、この子が楽しみだと思ってもらえるように頑張ります。何が正解かわからないですけど、自分ではそう捉えることにしました。この考え方のほうがポジティブでいられるので。今の自分のままで頑張ります!
取材・文/犬飼華
いおき・まお=2005年7月29日生まれ、兵庫県出身。陽の当たる坂道を登りつづける、イノセントワールドの住人。純粋とは何かを自問自答するその日々は、いつか大きな糧となり彼女の未来を明るく照らしてくれるだろう。愛称は「まお」。

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