斎藤工「ムダ毛ブーム来い!」西部劇CMで語った“時代へのカウンター”

俳優・斎藤工が出演する株式会社リクルート 不動産・住宅情報サイト『SUUMO』の新TVCM「斎藤さんの家買うボーイ」篇が、9月26日(土)より全国にて順次放映開始となることが明らかとなった。なおWeb上では、9月18日(金)より公開される。
今回のTVCMでは、カウボーイならぬ“家買うボーイ”を演じる斎藤が、広大な荒野を馬で爆走するワイルドなカウボーイ姿で登場し、理想の物件を購入するまでの様子を描いた。
フィルムで撮影された同CMは、CMであることを忘れてしまうような本格的な西部劇映画風の世界観を展開。一瞬のスマホさばきで『SUUMO』を開き「Good buy」と満足げにつぶやき去っていくコミカルな一幕も。
CMストーリー

太陽が照りつけ地平線まで続く荒野を「イエー!」と叫びながら馬に乗って爆走し、激しい砂塵を舞い上げる、斎藤演じるカウボーイ。丘の上で馬を止めると、何かを発見したかのように鋭い視線を送る。
どこか緊張感漂う真剣な眼光で、腰のホルダーへじわっと手を伸ばすと、目にも止まらぬ速さで抜き放ち、指でクルクルと回転させたのは「スマートフォン」。


画面に映し出されているのは『SUUMO』アプリに掲載された荒野の戸建て物件だ。スマホを下ろすと、目の前には画像と同じ一軒家が佇んでいる。その物件を目にした斎藤は大満足の表情を浮かべ、近くの木陰で休んでいたカウボーイハット姿のスーモも、ハットのつばをクイッと上げてグッドポーズ。家を買うことを決め「Good buy…」とつぶやきながら晴れやかに去っていく斎藤をスーモが見送る。


「家を買うなら、SUUMO」のメッセージとともに締めくくられ、本格映画さながらのスケール感とシュールなテンポの良さが際立つストーリーとなっている。

斎藤工オフィシャルインタビュー
――CM撮影の感想を教えてください。
斎藤工:今回フィルムで撮影していて、CMをフィルムで撮影するというのは僕の経験上でもほとんどないことなので、このフィルム感、マカロニ・ウェスタン感に非常に興奮しましたし、映画のような質の高い映像作品になるのではと胸が高鳴りました。単なる再現やコスプレではなく、さまざまな映画を手掛けてきた撮影監督をはじめとするスタッフが集まって、質の高さや奥行きを目指している体制だったので、まさに映画のようだと感じましたね。モニターやスチール写真を確認するたびに、フィルムの持つ味もかみ締めていました。昨今はきれいな映像やショート動画が日常に多くあふれていますが、そういう時代だからこそ、こうした映像の深みを目指すチームとキャラクターに任命していただけたことに感謝でいっぱいです。

――ストーリーや世界観についてはいかがですか?
斎藤工:『カウボーイ(家買うボーイ)』や『Good buy(グッドバイ)』といった言葉の韻や印象が強く残る作品になっています。シリアスかつ実直にこの世界観に向き合っているからこそ、コミカルな要素やそこで発せられる言葉がより際立つのではないかと思います。最近は同業者も含めてここ10数年は髭もなく“ツルツル”とした方向へ男女問わず向かっている印象があります。この時代の中で、あえてワイルドな世界観を見せることにカウンターカルチャー的な面白さを感じました。亜流と主流は大きく回ってまた別のフェーズになってくるのかなと思っているので、「ムダ毛ブーム来い!」と思っています(笑)。
――カウボーイ役を演じられていかがでしたか?
斎藤工:実は数年前にまさにこの撮影場所で、あるアーティストがカウボーイ役を演じられるミュージックビデオを監督させていただいた経験があります。日本人とカウボーイの接点や、重ねてきた生きざまが役ににじみ出る感覚を強く感じていたので、今回のカウボーイ役と点と点がつながる感覚がありました。また、西部劇はアメリカの時代劇であり、名作『荒野の七人』のルーツが『七人の侍』であるように、カウボーイは日本でいう侍的な存在だと捉えています。衣装やヘアメイク、撮影・美術スタッフの皆さんの力を借りて、一瞬のカットからその背景にある物語を、観ている方が想起できるような素晴らしい瞬間を生み出したいと思って撮影に臨みました。

――今回の撮影で感じられたことを一言でまとめるとしたら?
斎藤工:「年齢を重ねることの良さ」だと感じています。ただ時間を重ねるだけでなく、自分の中でずっと引っかかっていた経験や点が今につながり、集約していく強さを実感しています。表現をする上でも、運命の点をつないでいく作業を大切にしていきたいと思っています。全ての出来事は『必然』だと信じていますし、今回の作品も出来上がった映像がまたその必然を教えてくれるのではないかと思っています。
――CMの注目ポイントを教えてください。
斎藤工:世に増えているクリアな映像にはない、この作品ならではの『味わい深さ』や表面的に通過させない印象深く心に残る何か、に注目していただきたいです。
――今回のCMでは荒野の中に佇む戸建てを見つける様子が描かれていますが、戸建て・マンションなど家を購入するならどのような家がいいですか?「いつかこんな物件に住んでみたい」という物件や、どんなスペース・部屋を作りたいか教えてください。
斎藤工:僕は普段から裸足になって自然に触れる「アーシング」が好きで、人気のない夕方の海に20分ほど浸かったり、撮影現場でも裸足で過ごしたりしています。肌が生き返る感覚があり、土や自然との相性は感覚としてとても大切だと感じています。ローカルで自然豊かな暮らしを一昨年からずっと探しています。仕事の利便性も考慮しつつ、45歳を迎える自分のタイミングとしては人生を集約させていくフェーズだと思うので、『自分の心がどこを拠点にしたいか』を重要視しています。
パワースポットに行くのもいいですが、何より『家がパワースポットであるべき』だと思うんです。自宅がある土地の磁場やエネルギーとの相性が大事なのではないかと。実は昨日も東京郊外で滝行をしてきたのですが、自然の中に行くと何千年・何万年という壮大な時を感じます。人間がそこに少しだけ住まわせてもらうという考え方で、自分自身のアジトのような場所を見つけたいですね。家を買うということがとても切実に感じられる年齢になった今、こうしてSUUMOさんとご縁をいただいたことにも深い物語と意味を感じています。

――2001年の映画デビューから今年でちょうど俳優デビュー25周年を迎えられます。この25年間を振り返っていかがですか?
斎藤工:決してスムーズとは呼べない25年間でしたが、全ての出会いや出来事に必然があり、それらをつないでいくことがこれまでの歩みを肯定してくれていると感じます。全ての出会いが今に結実しているとは言えないかもしれないですが、“あの時のあれがなかったら今の自分はいない”といったことが、25年の中で多々ありすぎて。過去の出来事や他者からの恩恵が三つ編みのように織りなされて今の自分があるのだと思います。俳優業は不安定な職業なので決して万人にお勧めはしませんが、出会いが肯定してくれて、確定的ではないからこそ生まれる『見えない筋肉』のようなものが物をいうのだと再認識しています。
――これまでの25年を一言で表すと何でしょうか?
斎藤工:キャリアを重ねるにつれて完成度が伴っていくと思っていましたが、伴わないまま来ちゃった感覚があります(笑)。自分は「自分がこの仕事に一番向いていない」と思わないと準備も努力もしない怠惰な性格だと分かっているので、未熟である自覚を大切にしています。25年を一言で表すなら『不安定という安定』や『未熟な熟し方』ですね。安定してしまうと大事なものが失われてしまう気がしていて。到達できたという自覚がないからこそ25年間やめずに続けてこられたのだと思います。
役者は、異業種の方が作品の中で驚くほど輝くことがあるように、職業的に積み重ねてきているものより、何か奇跡が起こるっていう不思議な職業だと思います。「これでいいんだ」と満足してしまうと人の心を動かす何かを失ってしまうのではないかと感じています。甲子園球児のように、計算のない純然たる実直さに人は胸を打たれるものだと思うので、いろんな作品を見るというより、自分が本当に見たいものや心が動く瞬間を逃さず失わないことが生涯大事なんだと思います。
――CMの最後には、満足そうな表情で「Good buy…」とつぶやくセリフが印象的です。斎藤さんの人生を通じて、「Good buy」と思わず言いたくなるお気に入りのアイテムがあれば教えてください。
斎藤工:本気でおすすめしたいのが『ふんどし』です! 体の熱を逃がす構造になっていて、特に日本の猛暑を乗り切るための先人の英知が詰まっています。ゴムによる締め付けがなく自分で強さを調節できるのも魅力で、実は着替えがない声だけのお仕事の時などは年中ふんどしで過ごしているくらいです。あくまで個人的な実感ですが、和食にシフトしたら健康状態が改善された経験と同じように、現代にこそこうした伝統の理にかなった昔の和の文化が必要だと感じています。
もう一つは、知人に勧められた『頭の熱を全部逃す枕』です。この『ふんどし』と『熱を逃す枕』の2点セットがあれば、今の季節でも空調に頼りすぎず窓を開けて扇風機を弱で回すだけで快適に眠ることができます。特に最近はふんどしの普及活動をしています(笑)。皆さんもだまされたと思ってぜひ試してみてください。
「斎藤さんの家買うボーイ篇」20秒|【公式】SUUMOスーモ
斎藤工プロフィール

斎藤工=さいとう たくみ|1981年8月22日生まれ。俳優/映像制作。モデル活動を経て2001年に俳優デビュー。主な出演作に映画『昼顔』『シン・ウルトラマン』『新幹線大爆破』『This is I』『キングダム 魂の決戦』、ドラマ「極悪女王」「海に眠るダイアモンド」「誘拐の日」Prime Originalドラマシリーズ「犯罪者」など。公開待機作に来年公開の『存在のすべてを』などがある。初長編監督作『blank13』は国内外の映画祭で8冠を獲得。企画・プロデューサーを務めるドキュメンタリー映画『大きな家』は第34回日本映画批評家大賞ドキュメンタリー賞を受賞。永尾柚乃初監督作品『LITA』でもプロデュースを務める。また、全国の被災地などでの移動映画館「cinéma bird」主宰、「Mini Theater Park」、白黒写真家など、活動は多岐にわたる。
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