2022-04-04 11:15

プロレスラー大谷晋二郎、新日本に憧れた男…炎の戦士が30年貫いたレスラー論

――時代がわかりますね(笑)。そんな大谷さんが新日本50年の歴史で至高の名勝負を選ぶとどの試合になりますか?

大谷晋二郎 それは3試合すぐに出るんですよ。どれも内容、結果も含めてプロレスの魅力に溢れた試合なんですけど、まずは猪木さんがアンドレ(・ザ・ジャイアント)からギブアップを奪った試合(86年6月17日、愛知県体育館)ですね。猪木さんが腕固めを極めたとき、後ろからマネージャーのワカマツが乱入しようとしていて「あ~、今回も反則決着かぁ」と思った次の瞬間、アンドレがギブアップしたんで、もう一瞬言葉を失った後、「ウワーッ!」ってものすごく興奮したのを憶えていますね。

――当時、僕らファンも「アンドレのフォール、ギブアップ負けはありえないもの」と、半ば諦めていたところがあったから、なおさらですよね。

大谷晋二郎 まさか、あんなシーンが見られるとは思っていなかったので、夢心地でしたよね。そして2試合目もファン時代に観た、越中(詩郎)さんと髙田(伸彦)さんの試合ですね。

――出た! ジュニア版名勝負数え唄。

大谷晋二郎 越中さんが髙田さんの蹴りでボッコボコにやられるんですけど、最後、ジャパニーズレッグロールクラッチホールドで丸め込んで勝つんですよね。俺、その瞬間泣いたんですよ。やられてもやられても諦めず、最後に必死に丸め込んで勝つ姿に感銘を受けて。

――まさにそれがプロレスのカタルシスですよね。

大谷晋二郎 もう1試合は越中さんvs髙田さんに近い内容なんですけど、僕がプロレスラーになってから観た、藤波(辰爾)さんと橋本(真也)さんの試合ですね。これも橋本さんがボッコボコに藤波さんを蹴ってて。あれ、会場はどこだったかな?

――広島グリーンアリーナ(94年4月4日)ですね。

大谷晋二郎 そうだ、広島だ。さすがですね! あの試合もボコボコに蹴られた藤波さんが最後、グラウンドコブラで丸め込んで勝つんですけど、あの丸め込みに凄みすら感じたんですよ。

――橋本さんの蹴りがあまりにも凄かったんですよね。

大谷晋二郎 そうなんですよ。死んじゃうんじゃないかっていうくらいの蹴りを喰らって、胸板が蹴られた靴の痕だらけになりながら勝って。試合後は「橋本は甘い!」って厳しい表情で言って。あの頃、もう僕はデビューしてましたけど、あらためてプロレスってすごいって思いました。その3試合が僕の中では心に残ってますね。

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA2025年5月号

BUBKA 2025年5月号

BUBKA RANKING23:30更新

  1. 日向坂46、後輩たちへ受け継がれる野球愛…意外なバッティングセンスにも注目
  2. SKE48菅原茉椰、“地元”でセレモニアルピッチに挑戦
  3. SKE48荒井優希、シングルで初のベルト獲得「何回もぺちゃんこになっちゃった」
  4. SKE48荒井優希「プロレス界でももっと1番を狙っていけるように」渡辺未詩とのタッグで勝利を収める
  5. エレガントな装いの乃木坂46池田瑛紗が華を添える「JRA70周年特別展示『世界一までの蹄跡』」9月20日より開催
  6. SKE48荒井優希、伊藤麻希選手のベルトに初挑戦するも完敗
  7. SKE48荒井優希、宮本もか選手とのタッグで準決勝進出「この勢いで次の試合でも頑張りたい」
  8. 浅田真央「愛を忘れないように指導していきたい」コーチとして今後の夢も語る
  9. 【プロ野球】気鋭の中日ファン“赤味噌”が立浪ドラゴンズを語りに語る!「中日が久しぶりに強いところを見たいんです」
  10. 浅田真央、“指導者”としてスタート「何よりスケートを楽しんでもらいたい」
  1. 乃木坂46賀喜遥香&筒井あやめダブル主演ドラマ、トレーラー映像&第1話場面カット解禁!オープニングテーマも決定
  2. 私立恵比寿中学・真山りか×AMEFURASSHI・愛来 対談インタビュー|独自の音楽性を追求してきた2グループが、今お互いに伝え合いたいこと
  3. 乃木坂46 矢田萌華インタビュー|高校の文化祭で『ガールズルール』を踊っていた少女が、オーディションに合格し、憧れのステージに立つまで
  4. 「誰かに慰めて貰うためにアイドルになりたかった訳じゃない」乃木坂46 岡本姫奈が選抜発表で芽生えた「悔しさ」の理由
  5. 櫻坂46あるある!? 「藤吉夏鈴が退出しました」にキャプテン・松田里奈が注意するも、本人は「記憶にございません」
  6. 乃木坂46 賀喜遥香、39thシングル『Same numbers』のセンターに決定「全員に感謝を届けられる作品に」
  7. SKE48長谷川雅「みんなで精いっぱい頑張っていきます」若手メンバーによる新公演スタート
  8. 乃木坂46一ノ瀬美空の猛攻に“全日本代表のサバサバ女”松尾美佑もたじたじ
  9. 乃木坂46 6期生・瀬戸口心月、愛らしいルックスで表紙を飾る
  10. 日向坂46、後輩たちへ受け継がれる野球愛…意外なバッティングセンスにも注目