2026-08-25 05:00

増田三莉音の復帰、一ノ瀬美空×小川彩“涙のデュエット”──菅原咲月体制で駆け抜けた「乃木坂46の夏」を振り返る

乃木坂46「真夏の全国ツアー」より
撮影/乃木坂46LCC
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8月20日~23日の4日間、乃木坂46「真夏の全国ツアー2026」の最終公演が、グループの“聖地”である東京・明治神宮野球場で開催された。新キャプテン・菅原咲月と、最新シングル『是非に及ばず』のセンター・一ノ瀬美空を軸に、全国8都市18公演という史上最大規模のツアーを駆け抜けた乃木坂46。最終公演のアンコールで菅原と一ノ瀬を中心に、メンバー全員が抱き合い、ひとつになった光景は、メンバーたちが「守りたい」と語る、先輩から託された「乃木坂46らしさ」そのものだった。強さや一体感が見られた東京公演から3つの場面を軸に、2026年の“乃木坂46の夏”を振り返ってみる。

まずは、2度目の「真夏の全国ツアー」となった6期生について。彼女たちが示したのは2年目の成長や乃木坂46の確かな戦力になっていること、そして念願だった11名全員が揃った姿だった。

初めての神宮のステージから約1年。選抜やアンダー、「新参者」公演などで経験値を積む中、矢田萌華が『太陽ノック』でセンターを、大越ひなのと森平麗心が『ロマンティックいか焼き』でWセンターを担うなど、6期生が先輩後輩の入り混じった全体曲の中心に立つ場面が目立って増えた。中でも矢田と瀬戸口心月がWセンターを務めた41stシングル表題曲『ビリヤニ』は、ツアー序盤に公開されたコール動画の効果もあってか、アンコールでの披露時の声量がすさまじく、「ビ・リ・ヤ・ニ!」という咆哮にも似た大歓声が神宮の空に響き渡った。6期生を中心とした新たなキラーチューンがツアーを通して、ファンと一緒になって作り上げられていた。

また、初日となる20日(木)の公演では、6期生にとって初めての期別曲となった『タイムリミット片想い』披露の際に、4月から休業中だった増田三莉音が復帰を果たした。イントロで増田を除く10人が横一列に並ぶ中、中央に1人分のスペースが空けられ、そして、ステージ奥からスポットライトに照らされた増田が登場。少し緊張した表情を浮かべながら歩みを進め、彼女のもとに集まる同期と目が合い涙をこらえるような様子を見せた。そんな増田と6期生を観客は歓声で後押ししており、その声量が彼女の復帰と6期生11名全員が揃うのを待っていたことを証明していた。

そして『タイムリミット片想い』のパフォーマンス後は、Music Videoでは10人で踊っていた最新の6期生曲『命の色』を、増田も参加した11人で披露。グループ加入から約2年が経ち、「真夏の全国ツアー」でも活躍の場面が増えた6期生11名は現在、少しずつ自分の色を見つけている最中だ。10月~12月にかけて、彼女たち単独の「6期生全国ツアー」の開催も発表された中、自分たちがどんな色をどうやって見つけていくのか、彼女たちのこれからが楽しみだ。

乃木坂46「真夏の全国ツアー」より
撮影/乃木坂46LCC

2つ目の場面として挙げたいのは3日目の22日(土)公演での、『是非に及ばず』のセンターでツアーの座長を務めた一ノ瀬と、42ndシングルアンダー楽曲『フォルテシモ』のセンター・小川彩がデュエットで披露した『僕だけの光』だ。

全18公演中、この日限りの披露となった『僕だけの光』。一ノ瀬のソロパートから始まり、彼女が堂々と歌声を響かせる一方、小川は「この世界には何も 貢献できていない」という歌詞に感情が抑えられなかったのか、途中から声が震え、歌えなくなる場面があった。その後も、一ノ瀬と向かい合うパートでも、小川は言葉を詰まらせ、歌うことができなかった。そんな小川を支えるように、一ノ瀬は代わりに小川のパートを歌うと、優しい表情で見守り、小川が落ち着くのを待っていた。

加入当初から一ノ瀬が小川を溺愛し、それを小川が煙たがるというやり取りを見せながらも、プライベートでは一緒にいることが多い。そんな姉妹のような関係性から、ペアのように扱われることが多い一ノ瀬と小川は、連続で選抜入りする一ノ瀬の背中を小川が追うこともあれば、小川が1列目で一ノ瀬が2列目という立ち位置になることもあった。そして一ノ瀬が初めて単独センターに立った42ndシングルのタイミングで、2人は別々の場所で活動することになった。センターというプレッシャーを少しでも一緒に背負いたかったけど、そばにいられない。そんな思いが、小川の涙の理由だったのかもしれない。

乃木坂46「真夏の全国ツアー」より
撮影/乃木坂46LCC

それでも小川は『僕だけの光』の終盤で気持ちを立て直し、再び自らの声で歌い上げると、続くアンダーパートでは何かを吹っ切るように、自信に満ち溢れた姿を見せていた。『フォルテシモ』では多幸感あふれる笑顔を見せる一方、アンダーの象徴とも言える『日常』では、これまでになかった間奏でのステージ移動やダンス演出が加えられ、小川がセンターだからこその『日常』を提示していた。

表題曲とアンダー曲は、お互いになくてはならない存在として、乃木坂46の歴史を作り上げてきた。『是非に及ばず』を引っ提げた「真夏の全国ツアー2026」は終わったが、42ndシングル期間はまだまだ続く。一ノ瀬から受け取った2026年の“乃木坂46の夏”を、今度は小川が『フォルテシモ』を掲げ「42ndアンダーライブ」で締めくくる番だ。

乃木坂46「真夏の全国ツアー」より
撮影/乃木坂46LCC

最後にこの夏、誰よりもプレッシャーと向かい合ったメンバー、四代目キャプテン・菅原咲月を取り上げたい。5月に行われた「14th YEAR BIRTHDAY LIVE」にて、先代の梅澤美波からキャプテンの役割を受け継いだ菅原にとって、史上最多の公演数となる「真夏の全国ツアー2026」は、あまりにもプレッシャーが大きすぎる“初めての大仕事”だったに違いない。キャプテンとして初めて臨んだ“乃木坂46の夏”。彼女は福井、横浜とツアーで2カ所を回った後の6月29日に更新されたブログで、「更により良いLIVEを一緒に作るために皆様のパワーをもっともっといただきたいです!! 欲張りでごめんね」と呼びかけていた。

歴代の先輩たちが築き上げた“乃木坂46の夏”とその熱狂を、自分たちの代で失うわけにはいかない━━そんな覚悟が込められているかのような呼びかけだった。菅原キャプテンが率いた2026年の“乃木坂46の夏”はどうだったのか。その答えが示されたのは最終日、彼女がステージ上で浴びた熱狂のコールと歓声であり、ファンだけでなくメンバーが贈った労いの言葉も、この夏が大成功だったことを物語っていたように思える。その証拠が、梅澤キャプテン時代にも見られた、メンバーが自然と集まり輪になる光景だった。

乃木坂46「真夏の全国ツアー」より
撮影/乃木坂46LCC

史上最大規模となる全国8都市18公演を駆け抜けた乃木坂46。先輩たちが築き上げた“乃木坂46の夏”は、確かに受け継がれていた。そして今度は彼女たち自身が、乃木坂46の新たな歴史を紡いでいく番だ。今ツアーで見られた、輪になってお互いに励まし、支え合うグループ像だけでなく、42ndシングル『是非に及ばず』のフォーメーション発表時に「センターを目指すっていうことが、この活動にいる中ではずっと目標にしていたことだった」と語っていた一ノ瀬美空のような野心あふれるメンバーの存在も、今後乃木坂46が変化していく上で必要だろう。継承と改革━━その両方が、これからの乃木坂46を形づくっていく。

乃木坂46「真夏の全国ツアー」より
撮影/乃木坂46LCC
乃木坂46「真夏の全国ツアー」より
撮影/乃木坂46LCC
乃木坂46「真夏の全国ツアー」より
撮影/乃木坂46LCC

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