櫻坂46の「小さな巨人」森田ひかるが24歳に──グループのシングル最多センターに立った彼女のコンプレックスを武器に変えた「客観力」

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櫻坂46の森田ひかるが7月10日に24歳の誕生日を迎えた。圧倒的なライブパフォーマンスが魅力の同グループにおいて、彼女は150cmとグループ内で最も小柄なメンバーだ。しかし、彼女は埋もれることなく、ひと際存在感を放っており、その姿はさながら彼女の好きな漫画『ハイキュー!!』に登場する「小さな巨人」(170cmとスパイカーとしては小柄ながら、驚異的な瞬発力と脚力を持つ存在として描かれている)。本稿では彼女の「小さな巨人」たる所以を紹介していきたい。
まず、森田のパフォーマンスからの思い浮かぶのは「安定感」という言葉だ。これはダンスの精度の高さだけでなく、幅広いジャンルの曲に対しアジャストする能力の高さも含んでいる。
例えば、8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』のイントロ。片足立ちの状態で4回連続足を蹴り上げ、同時に両腕を4回広げる激しい振り付けがある。森田以外のメンバーは蹴る度に軸足の位置が少しずつズレているように見えるのだが、森田はまるで天から地面に1本の軸が刺さっているかのように全くブレない。『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)でのパフォーマンス時には、SNSで「エグすぎる体幹」「全くブレないのがすごい」などのコメントが溢れていた。公式YouTubeチャンネルの「櫻坂46『何歳の頃に戻りたいのか? -Dance Practice-』」では、彼女の圧倒的な体幹を確認することができる。
また、森田は表題曲でメンバー最多である4回のセンターを務めている。1stシングル『Nobody’s fault』と2ndシングル『BAN』、そして7thシングル『承認欲求』では曲の世界観に合わせて張り詰めた表情で踊り、11thシングル『UDAGAWA GENERATION』では一転して、アッパーな曲調でコミカルな振り付けを満面の笑みで踊っている。どんな曲にも対応できる柔軟な表現力も彼女のパフォーマンスの特徴だ。
もう一つ、彼女を表す言葉として気になるのは「客観視」。これは彼女自身がよく使う言葉で、『BUBKA12月号』(2023年10月)のインタビューでは「活動していくなかで『自分を客観視している部分があるな』と気づきました」と答えていた。また、2024年7月放送の『イワクラと吉住の番組』(テレビ朝日系)の『ハイキュー!!』特集回に出演した際には、好きなキャラクターが頭脳派で冷静沈着な性格だったことに、「『熱く冷静に』ってライブ中にやっている」「何事も結構客観視しちゃうタイプ」と自己分析し、「共感して好きなのかな」と語っていた。
そんな森田は自身のコンプレックスを客観的に解決している。前述の番組内で低身長のキャラクターが話題に挙がると、森田は「私も身長が150cmなので……。櫻坂のメンバーって結構160cm台のメンバーが多くて。全体で並ぶと凹んじゃうくらい身長が低い」「同じ振り付けを踊ってても違うように見えたり」と、パフォーマンス面での悩みを明かしていた。しかし彼女は「(身長が)小さいからこそできる得意分野みたいなものを見つけていこうって」と考え、グループ全体を客観的に見て、高身長メンバーの中でも小さいことが武器になるように、加入まで未経験だったダンスを人一倍取り組んだという。ファッション誌『ar』で森田が連載している『ヒカルノメ』では、「実は負けず嫌いな性格だから、できるまでやめないし、ダンスの練習もメンバーの誰か一人でも残っていたら続けます。だからいつも帰るのは一番遅いんです」と努力を惜しまないエピソードもあった。
表題曲4曲でセンターを任され、1stアルバム『As you know?』のリード曲『摩擦係数』では山﨑天とWセンターを組んだ森田。2024年の東京ドーム公演で同曲が披露された際、ダンスバトル風の演出で168cmの山﨑天に引けを取らない存在感を発揮し、肩を並べていた150cmの彼女の姿があった。アイドル界の「小さな巨人」は櫻坂46にいる。
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