乃木坂46 矢田萌華インタビュー|高校の文化祭で『ガールズルール』を踊っていた少女が、オーディションに合格し、憧れのステージに立つまで

撮影/神藤剛
見知らぬ萌華
━━てっきり学校中から一目置かれている高嶺の花のような存在かと思っていました。
矢田 いやいや、まったく違います(笑)。クラスの中心人物たちが楽しそうに会話しているのを教室の隅っこから見ている側でした。
━━本当ですか? 隣町の中学生たちが矢田さんを一目見ようと、雪山によじ登って窓から教室を覗き込む……。
矢田 ないですよ(笑)。そもそも私、中学生の頃は太っていたんです。食べすぎが原因で。
━━意外すぎます!
矢田 毎日のように学校帰りにコンビニでホットスナックを買ったり、家に帰ってから大判の明太子おせんべいに、とろけるチーズを乗せて炙って食べていたんですよ。それにハマってしまって、9枚入りの袋を1日で食べ切っていました。
━━というか、太っている矢田さんをまったく想像できないのですが。
矢田 高校生になって母校の中学校にふらっと遊びに行ったら、先生に「誰でしたっけ?」と言われて、「萌華です」と言ったら、すごく驚かれたこともあります。別人のように見えたらしくて。
━━高校生活はどうでしたか?
矢田 高校では水泳部のマネージャーをやっていました。ただ、学校にプールがなくて、部員はスイミングスクールで自主練をするので、マネージャーと言ってもそんなに忙しくなかったんです。大会期間中は遠征もあって慌ただしかったけど、夏以外は帰宅部のような生活をしていました。
━━部活がない日はどう過ごしていたんですか?
矢田 放課後は教室に残って友だちとおしゃべりをしたり、図書館で勉強をしていました。
━━乃木坂46との出会いは?
矢田 高校1年生の文化祭で乃木坂46の曲を踊る機会があったんです。暇そうにしていた私を見て、チアリーディング部の先輩が「興味があったらやってみない?」と声をかけてくれて。もちろん乃木坂46については歌番組などを通して知っていましたが、そこまで詳しくなかったんです。でも、幼少期に家族の前でミニライブをしていた記憶がよみがえって、「やってみようかな」と思い、文化祭限定のユニットに参加しました。『ガールズルール』や『裸足でSummer』を踊ったのですが、ダンスの練習のために動画をたくさん見ているうちに乃木坂46についてより深く知るようになり、グループの雰囲気やメンバーの方々が大好きになりました。
━━乃木坂46の魅力に引き込まれていった?
矢田 はい。たくさんの人に笑顔を与えられる仕事って素敵だなと思うようになり、自分もそういう世界で輝いてみたいという気持ちがどんどん大きくなっていきました。
━━文化祭では全校生徒の前で踊ったんですか?
矢田 はい。高2のときの文化祭も乃木坂46の曲を踊りました。2年連続で。
━━その頃は、すでに6期生オーディション(春組)が終わっていますが、文化祭で一緒に踊った生徒たちは乃木坂46に矢田さんが合格したことをまだ知らない?
矢田 はい。オーディションを受けたことも一切言っていなかったので。ただ、高校でロボットダンスが流行って、みんなで首のアイソレーションをやってみようというノリになったとき、「え!? 萌華、めっちゃ上手くなってる!」って驚かれました。週末のダンスレッスンのおかげで、ちょっと上達していたので(笑)。
━━ご家族にはオーディションを受けることを伝えていましたか?
矢田 事後報告でした。勉強のこともあったし、両親が心配するタイプなのはわかっていたので。本気で相談したら止められると思って、反応を伺うために「受けてみようかな?」って軽く言ったら、両親も「まぁいいんじゃない?」という反応でした。それで、締め切りの10分前くらいに応募してから、「送っちゃった」と言いました。
━━冗談っぽく伝えたんですね。
矢田 母は「……え?」って驚いていたけど、私が予想していたよりも反対されることはなくて。まさか娘が乃木坂46に合格するなんて想像していなかったんだと思います。二次審査、三次審査と進み、東京のオーディション会場には母が付き添ってくれました。最終審査が終わって合格発表までの間、母が会場近くのカフェで待ってくれていたのですが、私は母の反応を記録に残しておきたくて、動画を回したんです。小声で母に「受かったよ」と伝えたら、店内に響くくらいの大声で「えっー!!」って驚いていました(笑)。
━━この春、地元を離れて東京での新生活がスタートしましたね。
矢田 はい。ただ、引っ越し作業でバタバタしていたのと、私の勘違いもあって、すごく軽いノリで「バイバイ」と言って家族とお別れしたんです。だから、涙を流しながらハグみたいな感動的な別れではなくて(笑)。東京生活の初日は、日用品や布団以外ほとんど何もない状態だったので、あわててホームセンターにお買い物に行きました。
━━いまはもう少し生活感のある部屋になっていますか?
矢田 最近、テレビやソファなど家具が届いて、やっと部屋らしくなってきました。ベッドも買って、せんべい布団じゃなくなったので身体が凝ることもないです(笑)。お気に入りは肉まん型のクッション。フォルムがかわいくて、もちもちした触感がおすすめです。
━━ホームシックになってないですか?
矢田 忙しいと余計なことを考えずにお仕事に打ち込めるけど、家に帰ってひとりでご飯を食べている瞬間は寂しい気持ちになります。家族みんなで食卓を囲むのが大好きだったので、ひとりでご飯を食べることにまだ慣れていなくて。
━━ご両親も心配しているのでは?
矢田 すごく心配されます。とくに母が涙もろいんですけど、電話をするたびに「はよ帰ってきてよ~」って泣いています。
━━もう少し子育てしたかったという気持ちもあるでしょうね。
矢田 それはすごく言っています。「こんなに早く巣立つなんて思っていなかった」って。
取材・文/宮田英一郎

撮影/神藤剛
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