乃木坂46 矢田萌華インタビュー|高校の文化祭で『ガールズルール』を踊っていた少女が、オーディションに合格し、憧れのステージに立つまで

撮影/神藤剛
この春、乃木坂46に加入した6期生の矢田萌華。自身初となるソロ表紙を飾ったBUBKA7月号のインタビューを抜粋してお届け。世界を変える勇気ある一歩を踏み出した17歳の少女の足跡を辿った。
なまはげ慣れ
━━秋田県で生まれ育った矢田さんですが、小さい頃はどんな女の子でしたか?
矢田萌華(以下、矢田) あまり人見知りすることなく、幼稚園の園庭で「一緒に遊ぼう」と自分から積極的に話しかけるような子でした。人とコミュニケーションを取ることが好きで、自分が話したことに笑ってくれたり反応してもらえるのがうれしかったです。
━━活発で物怖じしない子だったんですね。
矢田 社交的だったと思います。会話を通して人との繋がりができて、より深く関わることができるのが楽しくて。いまでも人と話すことは大好きです。
━━どんな遊びをしていましたか?
矢田 冬になるとお家の庭に雪が2メートルくらい積もるので、雪山でかまくらや滑り台を作って遊んでいました。妹を誘っても寒くて家から出てくれなかったので、父を無理やり引っ張り出して(笑)。あと、動物とともに暮らしていました。
━━ペットを飼っていた?
矢田 車でちょっと走ると森や山なので、リスや天然記念物のカモシカなどがいるんです。たまにクマが出没することもあって、「みなさん気をつけて帰りましょう」って校内放送が流れていました。
━━普通にクマが歩いている?
矢田 わりと日常でした。
━━雪国育ちということで、スキーやスノボは得意ですか?
矢田 じつはスキーやスノボがちょっと怖くて挑戦したことがないんです。そり一筋で(笑)。結局、一度も滑る機会がないまま17歳になりました。でも、いつか挑戦してみたいと思っています。
━━幼い頃、家になまはげが来た記憶はありますか?
矢田 男鹿市にはその風習があるけど、私が住んでいた地域はなまはげが家に来ないんです。ただ、お祭りなどのイベントになると、普通に人に紛れて突然やって来るので、幼稚園生の頃はすごく怖かった記憶があります。でも、ずっと見ていたら、なまはげに慣れてくるんです。
━━耐性がつくんですね(笑)。
矢田 好奇心でなまはげを追いかけて行ったら家族とはぐれてしまって、お祭りの会場に「秋田市からお越しの矢田萌華ちゃん」って迷子のアナウンスが流れたこともありました(笑)。
━━目立つことは好きでしたか?
矢田 人と話すのは好きだけど、幼少期から小学校高学年までは人前で何かをするのが好きなタイプではなかったです。ただ、家族の前では、おもちゃのマイクを持ってソファの上で歌って踊るミニライブをしていました。AKB48さんの曲に合わせて「I want you〜♪」って。あと、妹とプリキュアごっこをしたり。当時、『ハートキャッチプリキュア!』を見ていて、ピンク、水色、黄色、紫色の子……4人のプリキュアが登場するんですけど。
━━妹さんとピンクのプリキュアを取り合っていた?
矢田 毎回、妹に譲っていた気がします。友だちと『アナと雪の女王』ごっこをするときもエルサが人気だったけど、私はいつも余った役でした。
━━我慢することが多かった?
矢田 そうですね。長女ということもあって、何かと「お姉ちゃんなんだから」と言われることが多かった気がします。
━━幼稚園のお遊戯会で主役を演じたことは?
矢田 キャベツの王子様とトマトのお姫様が登場する野菜の劇をやることになったとき、本当は私もお姫様をやりたかったけど、仲のいい友だちが「私、トマト姫やりたい!」と言うので、私は残ったマヨネーズの役をやりました。言い争いになるのが嫌で、いつも「まぁいいか」って諦めてしまうタイプだったかなと思います。
━━ちなみにマヨネーズの見せ場はありましたか?
矢田 一場面だけ登場するのですが、野菜をおいしくする魔法をかけるために「わ~」と言いながらステージを8の字に走って、去っていく……。
━━大事な役じゃないですか。
矢田 そうですよね。みんなをおいしくするので(笑)。
━━習い事はやっていましたか?
矢田 盆踊り、水泳、習字、塾、公文、英会話……月曜日から日曜日まで毎日習い事でスケジュールが埋まっていました。放課後、友だちに遊びに誘われても「ごめん。習い事があるから帰らなきゃ」と断らなきゃいけなかったのが悲しかったです。結局、盆踊りと水泳は6、7年くらい続けました。
━━その頃の矢田さんの夢は?
矢田 幼稚園の頃は考古学者でした。テレビで遺跡の発掘調査をしている映像を見て、かっこいいと思ったのがきっかけです。卒園式でみんなが「将来はパティシエになりたい」とか「お花屋さんになりたい」と言っているなかで、私だけ「考古学者になります」と言って、保護者席からざわめきが起こっていました(笑)。
━━考古学者の夢はずっと持ち続けていたんですか?
矢田 小学校2年生から将来は医師になりたいと思っていました。当時、身体が弱かったので検診のために月に一度、通院していたんです。採血などもあって大変でしたが、私は病院が嫌いじゃなかったです。毎月行っていると顔をおぼえてもらえて、「萌華ちゃん」って優しく声をかけてくれるし、何か起きても病院なら絶対に大丈夫という安心感があったんです。自分にとって病院は安心できる拠りどころで、医師や看護師さんって素敵だなと思い、将来は私も医学の道に進みたいと思うようになりました。
━━その頃、体育の授業はどうしていたんですか?
矢田 見学することもあったけど、学年を重ねるにつれて症状が軽くなってきて、じょじょに運動ができるようになりました。いま運動音痴なのは「小さい頃に運動してこなかったから」って言い訳しているんですけど(笑)。
━━勉強は得意でしたか?
矢田 両親が勉強にすごく厳しかったのもあって、真面目にやっていました。中学2年生と3年生のときには先生の推薦で立候補して生徒会長をやりました。
━━成績優秀、品行方正な模範生だったのでしょうか?
矢田 そんな優等生とか真面目キャラではないですよ(笑)。1回だけオン眉、前髪ぱっつんの姫カットで登校したら、全校朝礼で注意されたこともあります。生徒会長なのに……。あれは恥ずかしかった
━━同級生にいじられるタイプの生徒会長?
矢田 はい。朝礼で挨拶をしていたのですが、自分が思ったことをアドリブで話すのは得意だけど、台本があると絶対に噛んじゃうんです。それで大事なところで噛んでしまって、友だちに「なんて言った?」「今日は3回噛んだね」とかツッコまれていました。
━━秋元真夏さんと似たタイプの生徒会長かもしれないですね。
矢田 本当におこがましいですが、少しシンパシーを感じます。転んだり、ドジをしちゃう姿を見ると、「……私もなんです(泣)」って思います。

撮影/神藤剛
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