2024-03-31 18:30

「ノイミー」川中子奈月心の魅力を楽曲でひもとく

アイドルグループ「≠ME」川中子奈月心(かわなご なつみ)
アイドルグループ「≠ME」川中子奈月心(かわなご なつみ)
ⒸYOANI

川中子奈月心(かわなご なつみ)をご存じだろうか。指原莉乃がプロデュースするアイドルグループ「≠ME」(ノットイコールミー/通称ノイミー)の最年少メンバーであり、「グループの妹」としてメンバーやファンから親しまれている。

18歳ながら大人びた顔立ちと、持ちギャグ(?)「カバのカバン」をはじめとするダジャレ好きというギャップに加え、長い手足を使ったしなやかなダンス、そして何よりも彼女の歌に惹かれる人は多い。落ち着いた、けれどどこか切なさを感じる歌声は楽曲のアクセントとなり、何度も聴きたくなる引力を持ち合わせている。

ウタカタララバイ / Ado(ウタ from ONE PIECE FILM RED)Covered by 川中子奈月心

難易度の高いAdoの『ウタカタララバイ』を歌いこなすなど、歌唱力にも定評がある。

そんな川中子がセンターを務める『君はスパークル』は、まさに彼女の魅力が詰まった1曲だ。

『君はスパークル』の発表当時、グループの絶対的エース・冨田菜々風以外のメンバーがセンターを務める楽曲は、明らかに当て書きされたと分かるものがほとんどだった。本田珠由記センターの『てゆーか、みるてんって何?』は言わずもがな、指原莉乃がレッスン場でも可愛らしくポニーテールをしている鈴木瞳美の姿から着想を得た『ポニーテール キュルン』、圧倒的なダンススキルと独特の感性でグループ内で個性を放つ永田詩央里がセンターの『ワタシアクセント』…。

それに比べて、『君はスパークル』は川中子自身の特徴が歌詞の中に明示されているわけではない。アイドルを一途に応援する人間の複雑な思いが描かれた、ファン目線の歌詞になっている。

≠ME(ノットイコールミー)/ 3rd Single c/w『君はスパークル』【MV full】

疾走感あふれるアップチューンに乗せて、嫉妬、独占欲、やりきれなさなど、「応援する側の苦しさ」が歌われた1曲。

『君はスパークル』のMVがYouTubeに公開された直後、グループのプロデューサーであり作詞も担当している指原莉乃がX(旧Twitter)に投稿した内容。

しかし、『君はスパークル』を聴き込めば、彼女の声質と歌唱力が最大限生かされるように音域と曲調が作り込まれていることに気付くだろう。

また、パフォーマンス面でも、披露する回数を重ねるごとに川中子がセンターを務めることでどんどんと説得力を強めた。

それは川中子がキャリアを積んでいく中で、楽曲の歌詞と、自身の経験や感情がオーバーラップする部分が増えたというのもあるだろう。あるいはわれわれが彼女の内面を知るうちに、歌詞に共感する部分が大いにあると気付かされたからかもしれない。

『君はスパークル』と川中子の存在の大きさを象徴する出来事が、2023年3月31日に東京国際フォーラムで開催された「≠ME 4th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」で起こった。当時、腰椎椎間板症による坐骨神経痛に よって2022年から活動を休業していた川中子が『君はスパークル』のイントロとともにサプライズで登場し、「待ってました」といわんばかりのファンの大きな歓声が会場を揺らした。

それほどまでに、この曲は彼女の代名詞となり、ファンの心を打つ楽曲に育っていた。そして、川中子奈月心という存在が、グループとファンにとって欠かすことのできないものになっていたのだ。

「歌ってる君が綺麗 ちょっと泣いた」「縮まることのない距離が 眩しかった」「君がスパークルだから 僕は生きていける」――そんな歌詞の数々を休業中の葛藤や苦悩を乗り越えて歌う川中子の姿は、まさにきらきらと輝いていた。

≠ME(ノットイコールミー)/ 君はスパークル(from 4th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT)【LIVE ver. full】

このライブパフォーマンスをもって、活動を休業中だった川中子は一部活動再開という形でグループへの復帰を果たす。

川中子の魅力を語る上で欠かせないもう一つの曲は、『「君と僕の歌」』だ。「ファンとともに大きな夢を叶えたい」という思いが詰まったメンバー目線の歌で、川中子自身もグループの楽曲の中でも特に好きだと何度か公言している。

そんな『「君と僕の歌」』では、「みんなの前で誓う」という川中子の歌割がある。泣き顔はもう見せない、私たちが希望となり、どんなときも君を救うと約束する――曲の肝となるこのパートになると、彼女は会場全体を端から端まで真っすぐな瞳で見渡しながら、大きく手を広げて歌う。実直でファン思いな川中子の性格がそのまま表れているようであり、また、客席側で観ていても、まるで自分に言ってくれているように錯覚してしまうのは私だけではないはずだ。

≠ME(ノットイコールミー)/ 「君と僕の歌」(from 3rd ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT)【LIVE ver. full】
前述した川中子のパートは3:12~

そんな川中子が、グループ加入後二度目となる休業に入ると3月26日に公式サイトより発表された。≠ME運営事務局は「このほど、メンバーの川中子奈月心が、体調不良のため本日をもちまして、当面の間活動を休止し、療養と治療に専念させていただくこととなりました」という文面とともに、「本人から体調不良の申し出があり、医師を交え協議した結果、健康が第一と考え、充分な休養が必要だとの判断に至りました」という経緯を説明しているが、復帰のめどは立っていない。

川中子自身、ファンクラブブログにて「『君はスパークル』を歌うことが怖くなってしまうことがあった」という不安を吐露することもあった。

彼女が心身共に健やかな状態となり、また笑顔で活動する姿を見せてくれますように。あわよくば、彼女が歌う『君はスパークル』と『君と僕の歌』を見ることのできる日が来ますように。今はただ願うことしかできないが、こんな文章が少しでも彼女に寄り添うことができればと思い、この記事を書かせてもらった。

乃木坂46久保史緒里表紙:BUBKA (ブブカ) 2024年 5月号
Amazonで購入
セブンネットショッピングで購入(久保史緒里ポストカード2種からランダム1枚付き)
セブンネットショッピングで購入(伊藤理々杏ポストカード1枚付き)

乃木坂46久保史緒里表紙:BUBKA (ブブカ) 2024年 5月号

SKE48菅原茉椰表紙:BUBKA (ブブカ) 2024年 5月号増刊
Amazonで購入
セブンネットショッピングで購入(菅原茉椰ポストカード2種からランダム1枚付き)
セブンネットショッピングで購入(上村亜柚香ポストカード2種からランダム1枚付き)

菊地姫奈表紙:BUBKA (ブブカ) 2024年 4月号
Amazonで購入
セブンネットショッピングで購入(菊地姫奈ポストカード3種からランダム1枚付き)

AKB48村山彩希表紙:BUBKA(ブブカ) 2024年 4月号増刊
Amazonで購入
セブンネットショッピングで購入(AKB48村山彩希ポストカード3種からランダム1枚付き)

BRODY (ブロディ) 2024年4月号
Amazonで購入
HMV&BOOKS onlineで購入(ポストカード特典:山﨑天 ※完売)
HMV&BOOKS onlineで購入(ポストカード特典:谷口愛季 ※完売)
セブンネットショッピングで購入(ポストカード特典:日向坂46石塚瑶季)

BRODY (ブロディ) 2024年4月号

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA2025年5月号

BUBKA 2025年5月号

BUBKA RANKING5:30更新

  1. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#13「プロにおまかせしてきました」
  2. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#16「西日本編」
  3. 乃木坂46、10年の歴史…3択クイズで振り返る
  4. プロ野球・俺たちが忘れられない助っ人外国人たち…伊賀大介×中溝康隆が語る
  5. ヒャダイン的サ道探求記「狂い焚きサウナロード」本八幡レインボーで見えた虹の架け橋
  6. 吉田豪「What’s 豪ing on」Vol.8 原田郁子(クラムボン)、自分たちが出した音に全身を震わされて
  7. ハードコア巨人ファンは、なぜ令和に“西武時代のキヨハラ”を書いたのか?
  8. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  9. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#15「初めての西日本ツーリング」
  10. ヒャダイン「一年の計は白山湯にあり」
  1. 日向坂46松田好花、「無敵の人」オードリー春日に飛び蹴りで復讐を図るも「松田君の方が怪我しなかったら大丈夫」と逃げられ物理クレーム失敗
  2. STU48中村舞、“一日署長”に就任「すごく光栄です」
  3. オードリー春日襲来で見せた日向坂46 松田好花のMC力!「暇だから」「オードリーの2軍」若林イズムを受け継ぐイジりで、ラジオモンスターを手懐ける
  4. 私立恵比寿中学と乃木坂46の印象をそれぞれ語り合うレアな『Spicy Sessions』
  5. 日向坂46金村美玖が美脚際立つミニスカコーデで大阪万博へ!「ミャクミャクとミクミクのコラボ」「彼女感溢れてて、一緒に回りたい!」の声
  6. 黒沢薫、真山りか&安本彩花&中西アルノのセッションに「最高のシーンでした」
  7. アイドルグループ『my fav』8th Single「犬ペンギン。」はトコトコ・パタパタ…歌詞も振り付けも注目
  8. 櫻坂46的野美青の台北オフショットに「今回もビジュアルが覚醒してる」「高校卒業したばかりとは思えない大人っぽさ」と反響続々
  9. WHITE SCORPION初のサマーチューン、HANNA「ジャケット写真はめっちゃ夏…でも実際にMVを見たら…」
  10. 「乃木坂46 3期生箱推し」バド女子銅メダル 志田千陽選手が語る佐藤楓の輝き! 加入前に秋元真夏、運営が満場一致で見初めていたことが明らかに