2026-06-28 17:45

日向坂46 金村美玖インタビュー|「心が揺らぎがちでした」一番上の期生として、小坂菜緒と支え合い、2人で引っ張った『7回目のひな誕祭』を振り返る

日向坂46の金村美玖
日向坂46の金村美玖
撮影/田中健児
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「7回目のひな誕祭」では、ドラムやソロダンスなど多彩なパフォーマンスでステージを盛り上げた、日向坂46二期生の金村美玖。個として常に表現を拡張しながら、同時にグループを牽引していく。そんな彼女の多面性にさまざまな角度から迫るロングインタビューを、一部抜粋してお届けします。

偶然の凱旋

──3月25日に行われた日本大学の卒業式でライブをしましたが、日向坂46のことを知らない学生も多かったと思います。どんな空気でした?

金村美玖:普段のライブとは違う環境だったのでみんな緊張していたんですけど、『OVERTURE』で気づいてくださる方もいて、日向坂46という名前が出たときに歓声があがって。安心してステージに立つことができました。

──金村さんが同大学の卒業生なので、ライブが実現したんですよね。

金村美玖:事前にそうお聞きしました。

──グループに貢献できたと思いますか?

金村美玖:どうなんでしょう(笑)。大学では自分の好きなことをやらせてもらっていたので、それがグループに還元できたのは偶然の産物だったと思います。

──日本大学の卒業式では、ライブ前に実施された学長式辞の中に「クリフハンガー」というワードが登場し、その後実際に『クリフハンガー』が披露されるという流れでした。

金村美玖:『クリフハンガー』というタイトルもすごく印象的ですし、今年1作目にパフォーマンスで自らを解放できるような力強い楽曲をいただけてよかったなと思います。

──センターに立つ大野さんは高校を卒業したばかりですが、どのステージでも堂々とパフォーマンスをしているように思います。

金村美玖:私もそうでしたが、加入したばかりの頃はどうしても萎縮してしまうんです。でも、大野ちゃんは最初からそういうところを見せない強さと落ち着きがあって。「人生何週目?」と思ってしまうくらいでした。でも、行動ひとつひとつを彼女は深く考えていて、かなり努力してそこに辿り着いているんだろうなというのもすごく感じていて。私よりもいろんなことを考えてるんじゃないのかなと思います。

──いやいや(笑)。金村さんや小坂さんが考えすぎるほど考えているからこそ、後輩のメンバーものびのび活動できているというか。

金村美玖:どうでしょうか。でも、私も後輩に刺激をうけて頑張れているなという気はしています。

──「7回目のひな誕祭」は「松田好花卒業セレモニー」以来となる全体ライブでしたが、リハーサルで二期生が2人になったことを実感する瞬間はありましたか?

金村美玖:このちゃんとは、よくご飯に行っていたから卒業後も関係値は変わらないだろうと思っていたけど、やっぱり環境が変わると会う機会は少なくなって。メディアを通して活躍している姿を観ることが多くなりました。ライブでは卒業したこのちゃんの役割も担うことになって、私と菜緒ちゃんにかかる責任感がより大きくなった感覚がありました。色々と頑張ることも多くなって、リハ中は、私も菜緒ちゃんも心が揺らぎがちでした。

──心の揺らぎはどこから来るものだったのでしょうか。

金村美玖:今回のライブはチャレンジが多かったんです。それぞれのソロダンス、2人だけの歌唱、私でいえばドラム演奏。特にソロダンスに苦戦しました。二期生なので、ほとんどの曲の振りが入っているけど、一から始めるソロダンスは時間がかかって。だから、ひなた坂46ライブを観に行くと、新しいポジションへの挑戦がたくさんあって対応している後輩たちはすごいなと思います。

──改めて、ライブ期間中に小坂さんと話す機会はありましたか?

金村美玖:リハ期間は一緒にいることが多かったので、合間にいろんなことを話しました。私がボケると、菜緒ちゃんがツッコんでくれるんです(笑)。あとはどちらかの気分が落ちているときは、背中を支えるような関係でした。彼女のほうが責任感も強いので、私より重圧があったと思うんです。だから支えてあげないと、と思ったし、菜緒ちゃんがいたから頑張れたし、乗り越えることができました。

──後輩へのスタンスは変わりましたか?

金村美玖:「積極的に毎日話しかける」というわけではないけど、フランクに接するようになりました。加入当初は萎縮していた五期生たちも話しかけてくれるようになって、四期生はみっちゃん(平岡海月)を筆頭にイジってきます。

──活動面で後輩にアドバイスすることもあるんですか?

金村美玖:対面で話すことは少ないけど、個別に連絡をすることはあります。よかったことは伝えようと意識しているんです。あとは全体に対して、振りの細かいニュアンスを教えることはあります。オリジナルの振りを知っているのは二期生となのちゃん(上村ひなの)だけ、という曲もあるので。当時の雰囲気と変わらないように、今回のリハでは時間をかけて整えました。本編最後の『ソンナコトナイヨ』は、振付してくださったCRE8BOYさんに改めて教えていただき、先輩方の振付を受け継ぐことができたと思います。

日向坂46の金村美玖
日向坂46の金村美玖
撮影/田中健児

1分半のひとり舞台

──今回の「ひな誕祭」は生バンド演奏がありました。

金村美玖:「Welcome to HINATAZAKA ROCKESTRA」というサブタイトルで、生バンドがあると勘づいたおひさまも多かったと思います。個人的に、野外フェスでバンドを観ることが好きだからうれしくて。毎回、ひな誕祭では前回のライブを超えることを目標にしていますし、生バンドの導入でメンバーのモチベーションは高まったと思います。

──初日は雨に降られました。ステージに立つ側として、どんな気持ちになりましたか?

金村美玖:MCで「楽しい!」って叫んだように、すごく楽しかったです。雨という演出も加わったおかげで高揚感に包まれて。また新たな歴史を刻むことができたんじゃないかなと感じました。おひさまが大変だったことは想像できますが、そんな歴史の証人になっていただけたんじゃないかと思います。

──2日目の1曲目は、二期生曲『世界にはThank you!が溢れている』を全員で歌いました。

金村美玖:確かに、二期生曲ですね。

──そんな感覚でしたか。

金村美玖:はい(笑)。ひなた坂46ライブでも歌ってくれたし、最近は期別曲を全員で歌うことも増えたので。華やかな曲なのでオープニングにピッタリだし、ブラスバンドに合っていたと思います。

──『ってか』は、五期生を含めたメンバーでのパフォーマンスでした。

金村美玖:最近は、披露するたびにフォーメーションが変わっています。私はずっと同じ場所に立っているけど、後輩たちは大変だと思います。

──先ほど話していたソロダンスがあるので、金村さんも大変だったと思います。

金村美玖:正直、大変でした!(笑) 伝わっていたらいいんですけど……。

──ライブではソロダンスが恒例になっているので、観ている側が慣れてしまった部分はあるかもしれません。

金村美玖:今回は過去最長と言っていいくらいの長さでした。1分半はあったかな。そこから4分くらい『ってか』を踊ってからの『クリフハンガー』で、なかなかハードでした。しかも、まだ前半だから空が明るくて、光が焚かれていない素のステージで大きく見せるダンスをしなきゃいけない。ライブではサラッと見せていたけど、裏の頑張りが伝わっていたらうれしいです(笑)。

──中盤は期別ブロックでした。四期生、五期生の印象を教えてください。

金村美玖:五期生には期待しかないです。まだ表に出せていない魅力がたくさんあって、私が知らない一面もあるはず。日々変化していく姿を見ているのが楽しいです。おひさまが応援したくなる気持ちがわかります。いつか日向坂46の核になると思うので、このちゃんが言っていたように、いまのうちに刀を研ぎ澄ませてほしいです。四期生は集まったときの存在感が日に日に大きくなっています。個々を見ると、ただ元気なだけじゃなく、それぞれの色があって。魅力的なメンバーばかりです。最近は壁がなくなって、人懐っこさを見せてくれるようになりました。この前、渡辺莉奈が「ご飯にいきたいです」と言ってくれたんです。今となっては同期くらいの気持ちでいれるような関係になれたと思っていますし、四期生にはそのままでいてほしいです。

──三期生でいえば、初日に東名阪ツアーが発表されました

金村美玖:三期生の次が二期生の出番だったんですけど、待機中にスタッフの方から「発表があるから」と言われて。「絶対に三期生ライブじゃん」と察しました。彼女たちが頑張っている姿を見てきたので、私も待ち望んでいましたし、本当にいい子たちだから報われてよかった。三期生は日向坂46のエンジンだと思ってます。

──二期生ライブはやりたいですか?

金村美玖:2人だけですか? うーん。やらなくても大丈夫かな(笑)。今回の「ひな誕祭」で十分頑張らせてもらいましたし、今後は後輩たちが引っ張っていく番だと思っているので。

──二期生として、初日は『わずかな光』、2日目は『どっちが先に言う?』を歌いました。ワンコーラスずつ歌って、最後はユニゾンという形でした。

金村美玖:2人になったからこそできる演出でした。ソロで歌うと比重が大きいけど、分け合うことで、いいパフォーマンスができたのかなと思います。

──失礼を承知で言うのですが、正直なところ金村さんに歌のイメージはありませんでした。でも今回のデュオで「こんなに上手いんだ」と感心しました。

金村美玖:全然そんなことはないです。今回のライブで後悔があるとしたら、もっと歌を頑張ることができたんじゃないか、ということです。素晴らしい演奏に救われましたし、あとは菜緒ちゃんの歌をリスペクトしています。今回歌ったようなバラード調の曲には、あの優しい声がピッタリだなと思いました。逆に、私の声は鋭いから自信がなくて。ファンの方からの「よかったよ」という声が届いているので、そう思ってくれる人がいるならうれしいです。

──「しっかり歌で伝えていきたい」という気持ちはありますか?

金村美玖:その気持ちはもちろんあるし、歌うことも好きですし、上手くなりたいと思い続けています。9年活動してきて、ライブでこんなに長くソロ歌唱したのは初めてでした。すずちゃん(富田鈴花)のソロライブを観たときは「こうなりたい」と憧れたけど、いざ歌ってみると「こんなに緊張するんだ」とわかって。今回の経験が糧になりました。伸びしろはあると思うので、もっと成長したいです。

──『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、若林さんが「ひな誕祭」の金村さんと小坂さんについて、宝塚出身女優である天海祐希さんや真矢ミキさんになぞらえて「佇まいが大師匠」と話していました。

金村美玖:長年ご一緒させていただいているので、私と菜緒ちゃんの成長を肌で感じてくださったのかなと思うとうれしいです。若林さんは誇張していますが、「大師匠」くらいのオーラを出せたらいいなと思ってます(笑)。

取材・文/大貫真之介

──まだまだ続くインタビューは、『BRODY6月号』をチェック!……「齋藤飛鳥さんへの憧れが私の原点で、卒業コンサートのドラムも迫力があったのを覚えています。あのときの飛鳥さんに追いつくことを目標に、ドラムをもっと頑張りたいです」

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