日向坂46 藤嶌果歩インタビュー|「グループを引っ張っていく存在になってほしい」緊張や涙をこらえ、野心の炎を燃やして立った『ひな誕祭』のステージ

撮影/高橋慶佑
日向坂46の17thシングル『Kind of love』で、自身初となる表題曲ソロセンターに立った、四期生・藤嶌果歩が『BRODY6月号』に表紙・巻頭で登場。自身のポジションを知らされた時、「私って、そんな器じゃないな」と、中心に立つことを躊躇したという彼女は、どのようにして「7回目のひな誕祭」での初披露までに前向きな気持ちを作り上げたのか。支えてくれた仲間たちへの思いを語ったインタビューを、一部抜粋してお届けします。
私の生きる道
──4月5日に神奈川・横浜スタジアムで開催された『7回目のひな誕祭~Welcome to HINATAZAKA ROCKESTRA~』で、5月20日リリースの17thシングル『Kind of love』のセンターに立つことが発表されました。初の単独センターになりますが、最初はどんな形で知らされたんでしょうか?
藤嶌果歩:メンバーが集められて次のシングルのフォーメーションが発表されたとき、みんなの前で「センターは藤嶌果歩です」と言っていただきました。
──その瞬間の気持ちは覚えていますか?
藤嶌果歩:喜びよりも不安な気持ちが大きかったです。その後の数日間は1人で考え込む時間が多かったんですけど、結果的に自分と向き合う機会になったなと思います。
──どんなことを考えて、どう自分と向き合ったんでしょうか?
藤嶌果歩:せっかくセンターに選んでいただいたのに良くないとは思うんですけど、最初に思っちゃったのは「私って、そんな器じゃないな」ということ。まずは、そこですごく悩みました。もともと坂道グループが好きでずっと見ていたからこそ、そのセンターに立つ人は本当にすごいし、人を惹きつける魅力があるなと思っていたので、自分にはそれがあるのだろうかって葛藤があったんです。そこから何日かして、加入前の日向坂46や小学生のときに見ていた乃木坂46さんのライブ映像やミュージックビデオをたくさん見て、自分がファンだった頃を思い出していました。そうすることで、当時の気持ちを思い出しましたし、いったん第三者目線になることで冷静になることができたかなと思います。
──具体的にはどの映像を見たんですか?
藤嶌果歩:本当にたくさん見たんですけど、それこそ過去の『ひな誕祭』の映像は何度も見ました。それから、乃木坂46さんの『逃げ水』のミュージックビデオです。『逃げ水』、すごく好きなんです。『逃げ水』のミュージックビデオを見て、加入する前の好きだった気持ちを思い出しましたし、(正源司)陽子とWセンターに立つことになったときに、「あのお2人(『逃げ水』でWセンターを務めた大園桃子と与田祐希)みたいになりたいな」って思っていたことも思い出しました。
──そこで気持ちは変わりましたか?
藤嶌果歩:坂道グループに憧れて、こうなりたいって思っていた昔の気持ちを思い出して……その真ん中に自分が立つんだっていう、決意が固まったと思います。アイドル人生でセンターを経験させていただけるなんてなかなかないことだから、この期間を後悔のないように過ごさなきゃって、気持ちがすごく固まったかなと思います。
──そこで覚悟が決まったというか。
藤嶌果歩:それもあるんですけど、最終的に本当に前向きになれたのは、メンバーやスタッフさんから温かい言葉をいただいたからです。そこで頑張ろうって思えたのが、一番大きいです。家で1人で考えている時間も大事だったと思いますし、そこでやらなきゃって決意は固まったけど、固まったぶん自分の中でプレッシャーになってしまった部分があって。でも、メンバーやスタッフさんに「おめでとう!」って言ってもらえて、素直に喜ばしいことなんだって実感できたし、あらためて人の温もりも感じました。
──「おめでとう!」以外のメンバーからの言葉で印象に残っているのは?
藤嶌果歩:(森本)茉莉さんが言ってくれた「果歩が夏曲のセンターに立つ姿が、ずっと見たかった! 本当にうれしい!」という言葉は忘れられません。心の底から言ってくださっていることが、茉莉さんの言葉から伝わってきたんです。『ひな誕祭』のリハーサル期間に気持ちが沈んじゃうこともあったんですけど、ふとしたときに大野愛実ちゃんが横に来て手をつないでくれたこともありました。そこで「果歩さんのここの振りが好きなんです!」とか、遠回しに励ましてくれたのかなと思うし、後輩だけどめちゃめちゃ頼もしいなーって。最後には、「何かあったら、いつでも言ってください!」とまで!
──本当に頼もしいですね。
藤嶌果歩:頼もしすぎますよね(笑)。それと、やっぱり正源司陽子にはいつも助けられているし、支えてもらっています。『ひな誕祭』の前日も連絡をくれました。「一緒に頑張ろうね!」、「何かあったら何でも言うんだよ」、「(ライブ中)いつでも私のほうを向いてね!」って。
──あらためて、藤嶌さんにとって正源司さんはどういう存在ですか?
藤嶌果歩:普段はクラスメイトみたいな、本当に気を許せる相手です。同じグループのメンバーとして考えると、アイドルとしての自分が自分でいられる存在というか。陽子がいるから日向坂46の藤嶌果歩があるなと思うし、もし陽子がいなかったらきっとまた違う自分になっていただろうなって思います。性格とかいろいろなものが正反対な陽子がいるから、じゃあ私はこうあろうって自分の道を探せるし、刺激になって私も頑張ろうと思えるし、私が日向坂46の藤嶌果歩としているために本当に必要不可欠な存在です。
──人生でそういう存在に出会えることは、奇跡のようなものかもしれません。
藤嶌果歩:本当にそうですよね。陽子以外のメンバーも日向坂46に入ってなかったら出会えなかった、いい人たちばっかりです。なので、心から日向坂46に感謝しています。

撮影/高橋慶佑
後悔の連続、それでも
──初の単独センターに不安や葛藤を抱えつつ、自分の中で決意を固めて臨んだ『ひな誕祭』2日目のWアンコールだったかと思いますが、フォーメーション発表の瞬間はどんな気持ちでしたか?
藤嶌果歩:発表の瞬間は緊張したし不安だったんですけど、私は緊張や不安がMAXになったらその気持ちが全部涙に出ちゃうんです。でも、絶対に泣かないようにしよう、感情があふれ出さないように気をつけようと思っていました。それなのに、発表される前に下を向いてたら泣きそうになっちゃって。その瞬間、『OVER THE RAINBOW』のときにスタッフさんに言われた「これからは、藤嶌にはグループを引っ張っていく存在になってほしい」という言葉が頭に浮かんだんです。その言葉はこの1年間ぐらいずっと頭の中にあったんですけど、正直に言うと「私に引っ張っていけるかな」って気持ちでした。でも、横浜スタジアムでセンターに立つことが発表される直前は、「泣いちゃダメだ。私が日向坂46を引っ張るんだ」って心の中で唱えていたんです。そしたら、自然と涙が引っ込みました。
──そんな心模様があったんですね。
藤嶌果歩:昔に比べて自分の感情をちゃんと制御できるようになったなと思いますし、大きなプレッシャーがのしかかっても潰れないようになって、成長したと思える自分がいます。陽子と一緒にWセンターに立たせていただいた『(絶対的)第六感』の時期は、もう1回やり直したいな、もっとここはうまくやれたなって後悔したこともたくさんあるんです。でも、今回は後悔することがないように、『第六感』のときとは違った自分で臨むんだって、強い気持ちになれています。
──後悔がエネルギーになる部分もある?
藤嶌果歩:私はライブで完璧にできたなって満足したことがあんまりなくて、いつももっとああしたかったなって思っちゃうんです。『Kind of love』の初披露も、もちろん後悔のないようにパフォーマンスしようと思っていたんですけど、結果的にはくやしい部分もけっこう多くて……。もっとうまく曲を表現したかったなと思うし、そのときの自分が出せるベストを出したつもりでも、満足できるわけじゃないし。なんか、いつも後悔してます(笑)。それがエネルギーになっている部分もあるのかな、なんて思ったりもします。
──でも、くやしい気持ちって表現する人にとっては大事なことなんだと思います。満足してしまったらそこで終わるんだろうし、常に貪欲に求める気持ちがあるかどうかで、間違いなく表現が変わると思うので。
藤嶌果歩:もっともっとって思っちゃいます。もっともっと上を目指したいって。
──理想が高いというか。
藤嶌果歩:高いんですかね? でも、そうなのかもしれない。とにかく、常に自分に満足してはいないです。
──裏を返せば、ちゃんと自分に期待しているということだとも思います。
藤嶌果歩:確かに! 気づかなかったけど、「自分はもっとできる!」って思えているのかもしれないですね。意外と常に心がメラメラ燃えているというか。そんな自分が、『Kind of love』の曲調にも出ているのかなとは思います。私の本質を見抜かれちゃったなって。
取材・文/大久保和則

撮影/高橋慶佑
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撮影/高橋慶佑

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