櫻坂46 森田ひかるが国立競技場で流した涙の意味━━振付師TAKAHIROに「破壊」か「再生」を迫られた『Nobody’s fault』での4年越しの答え

4月11日(土)・12日(日)、櫻坂46がMUFGスタジアム(国立競技場)にて、「5th YEAR ANNIVERSARY LIVE」を開催した。二日間で計14万人を動員した今回のライブ。二期生~四期生がたどり着いた5年目の大舞台の最後には、グループを背負い続けた二期生・森田ひかるの涙があった。
二日間のライブは表題曲を中心に、期別曲やカップリング曲で構成された。最新シングル『The growing up train』のセンターを務める二期生・藤吉夏鈴が先陣を切ってステージに立つと、続けてメンバー全員が横並びで登場。メンバー全員で大舞台から見える景色を噛み締めた。開幕から3曲を連続披露した後にMCパートを挟むと、以降はダンストラックや映像演出で幕間をつなぎながら、ノンストップで本編ラストまで駆け抜ける構成となった。MCパートを極力減らした構成の中、演出やメンバーの表情が各楽曲の持つテーマや意味を表現していた。
例えば二期生曲『青空が見えるまで』では、大園玲が涙を流す場面があった。「私たちは“永遠”とか“一生”とか簡単に言ってはいけない立場だと思うので。大切なものばかりが増えていくのが苦しい……」と言葉を詰まらせた大園。先輩の卒業や後輩の加入など、グループに絶えず変化が訪れる中、大園たち二期生の中からも卒業生が出てきた。今、この瞬間を共にできることを大切にしたい━━そんな思いが、彼女の涙から感じられた。

三期生曲『マモリビト』は、四期生へと受け継がれた。「とても重いその責任を今、この腕の中に受け取った。美しいその歴史と傷だらけの日々も全部」「若く強い後人(こうじん)が次にやって来る日まで、誰一人ここを動かない」と、グループの一番新しい期生が背負うプレッシャーを歌った同曲を、今後は四期生が歌い継いでいく。加入からわずか一年で国立のステージに立った四期生。偉大な歴史を作ってきた先輩たちと肩を並べるべく、彼女たちの櫻坂46人生は、国立のステージから改めて始まるだろう。


二期生と四期生の間、グループの中間となった三期生も、これまで培ってきた力を存分に発揮していた。先輩の卒業で空いたポジションを埋めるだけでなく、表題曲やBACKS曲でも中心的な存在として輝いていた。三期生の代名詞『静寂の暴力』も披露される中、とりわけ注目したいのが、『I will be』のセンターを務めた谷口愛季だ。13thシングルのBACKS曲で、少人数のパフォーマンスによるダンスナンバーでは、谷口の“かっこよさ”に振り切った魅力が存分に溢れていた。深紅のソファに座って登場する姿はオーラと自信に満ち、激しいダンスにも全くぶれない体幹、そして曲中に炸裂する彼女のシャウトなど櫻坂46のライブではあまり見られない瞬間もあった。激しいパフォーマンスを難なくやってのける彼女の実力から、表題曲の中心に立って引っ張る姿を見てみたいと思わされた。


パフォーマンスで圧倒する曲もあれば、コールやタオルを回して会場を一体にして盛り上がる曲など、メリハリの効いた構成で観客を魅了し続けた「5th YEAR ANNIVERSARY LIVE」。ライブ終盤は、『BAN』『Start over!』『Nobody’s fault』の表題曲ラッシュで締めくくられた。そして迎えたアンコール。森田は『Nobody’s fault』をパフォーマンスすることについて、「一度壊してしまって、また私たちで作り直していっても良かったんじゃないかなって思う時もあった」と振り返りつつ、「でも、今日この景色を“左目”で見た時に“再生”を選んでよかったなと思いました」と言葉を続け、涙を流していた。

森田が語った「左目」と「再生」という言葉について。この2つの言葉に込められた意味は、櫻坂46の振付師であるTAKAHIRO氏が2022年に行われた「Buddies感謝祭」で解説している。古代エジプトにおいて「右目=破壊」「左目=再生」を意味するとされており、TAKAHIRO氏が森田にどちらを選ぶかの二択を迫った際、森田は「再生」を選択したという。その結果、同曲の最後に両手で三角形を作り、その隙間から覗く振り付けは、左目で覗く形になった。彼女は自ら選んだ左目で、グループが再生していく姿を見つめ続けた。そして、『Nobody’s fault』が初披露された2020年10月の欅坂46「THE LAST LIVE」から約5年半、彼女はあの時の選択が間違ってなかったと確信し、涙を流したのだ。
『Nobody’s fault』が披露される直前、ステージに映像が流れていた。その映像ではまず森田の顔が映し出され、その後少しずつ彼女の左目に迫っていくと、その瞳には1stシングルから14thシングルにわたる櫻坂46の歩みの中で、森田が躍動する場面が映し出されていた。この映像が示していたのは、櫻坂46の中心(センター)が変化し続ける中、その始まりを担い、グループの命運を背負い続けてきたのは森田だった、ということだ。田村保乃や山﨑天、守屋麗奈、藤吉夏鈴、そして後輩たちがセンターに立ち、櫻坂46の象徴となるメンバーは移り変わってきたが、「5th YEAR ANNIVERSARY LIVE」では、「櫻坂46のセンター=森田ひかる」という原点が改めて刻みこまれた。森田が選んだ、「櫻坂46の再生」は国立競技場で完結した。アジアツアーも発表され、まだまだ歩みを止めない櫻坂46を、森田ひかるはどんな思いで見つめているだろうか。
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