2025-12-14 12:00

乃木坂46“魂”のアンダーライブ特集インタビュー|岩本蓮加×冨里奈央、アンダラの熱量は不変──「超厳しかった」先輩に怒られた日々を振り返る

乃木坂46・3期生の岩本蓮加(写真左)と5期生・冨里奈央(写真右)
撮影/田中健児
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12月19日~21日の3日間、乃木坂46が日本武道館で「40thSGアンダーライブ」を開催する。『BUBKA』では「“魂”のアンダーライブ特集」と題し、武道館のステージに立つ14名にインタビューを敢行。それぞれが抱える思いを言葉にしてもらった。今回は、そんなアンダーメンバーの“魂”が宿ったインタビューの中から、3期生・岩本蓮加と5期生・冨里奈央の対談の一部をお届けする。

選抜とアンダーを行き来する日々。周囲の期待と見えないプレッシャーに揺れながらも、前を向き続けてきた岩本蓮加と冨里奈央。加入期は違えど同じ悩みを抱え、共にステージに立つ二人が、活動の中で手にした強さと続く未来への思いを語る。

スパルタ時代の思い出

──シングルの選抜発表の日をいつもどんな気持ちで迎えるのでしょうか?

岩本蓮加(以下、岩本):自分がどうこうというより、今回は誰がセンターで、どんなシングルになるんだろう? ということが気になります。自分のポジションについて当日あれこれ考えても結果は変わらないので。

──フラットな気持ちで現場に入る?

岩本:そうですね。普段と変わらずに。

冨里奈央:私もそういう感じです。もちろん選抜発表のあの空間に入ると、緊張してしまいますが。

──発表前日は眠れない、ということは?

冨里:そういうのはもうないです。

岩本:さすがに慣れました。

──かつては選抜発表の結果を受けて、カメラの前で泣き崩れてしまうメンバーもいました。

岩本:泣いている子は多かったですね。私もめっちゃ泣いてました。

──そうだったんですか?

岩本:当時、選抜とアンダーを行き来していたんです。正直、その頃の記憶はあまりないけど、選抜発表のたびに泣いていた気がします。発表が終わった後、気持ちを切り替えるためにメンバーと一緒にご飯を食べに行ったこともありました。

冨里:そういう気分になったりしますよね。私も自分の名前が呼ばれず、「今回は選抜に入れなかったな……」と落ち込むことがあります。

──選抜とアンダーを行き来するという点において、お二人は似ているかもしれません。

冨里:今、蓮加さんのお話を聞いていて、そう思いました。

──当時、蓮加さんはどんな気持ちだったのでしょうか?

岩本:やっぱり苦しかったです。

冨里:苦しいですよね。

岩本:うん。選抜発表から何日か経って、私は「今回はアンダーで頑張るぞ!」って前を向いているけど、ファンの方が私以上に落ち込んでしまうこともあったので。もちろん私と同じ気持ちで「一緒に頑張ろうね」と背中を押してくださるファンの方もたくさんいましたが、当時の私は幼すぎて、ファンの方のいろんな思いを全部受け止めることができなかったんです。

──本人の気持ちとズレが生じてしまうことがあったんですね。

岩本:思春期だったので、かき乱されて……。いろんな焦りもあるし、本当にどうすればいいのかわからず苦しかったです。でも、振り返ってみれば、今を生きている感じというか、アイドルという仕事と向き合って全力で戦っている感覚がありました。がむしゃらにぶつかって頑張っていたんだな私……って。

──蓮加さんのお話を聞いて、冨里さんはどう思いますか?

冨里:「頑張ろう!」って前向きになれるところが、蓮加さんはやっぱり大人だなと思いました。私は結構落ち込んでしまうタイプで、気持ちを切り替えられないことが多いんです。「今回は何がダメだったんだろう?」と頭の中で繰り返しぐるぐる考えてしまったり。逆に、選抜メンバーに選ばれたときも「何が良かったんだろう?」と考え込んでしまうんですけど。

岩本:うんうん。

冨里:だから、「結局、何が正解なんだろう?」と思ってしまって。

岩本:わかるわかる。

──明確な基準があればいいですが。

岩本:それがないからアイドルって難しいなと思います。数字や結果だけではないので。

冨里:本当にそれは思います。

岩本:自分がこんなに頑張ったから「選抜入れてください」とかじゃない。

冨里:何か結果が出たから選抜に入れるとか、そういうのじゃないんだなって思いました。

岩本:そこが難しいところでもあり、面白いところでもありますよね。

──「なんで今回はアンダーなんですか?」と聞くことはできるんですか?

岩本:私は聞いたことないですけど、「何が足りなかったんですか?」と聞いている子もきっと中にはいると思います。

──冨里さんは?

冨里:私もないです。受け入れるしかないと思うので。もちろん、同期の半分以上が選抜に入っている状況に焦りを感じるし、後輩の6期生が入ってきて、これからどうなっていくんだろう? という思いもあります。でも、すべて自分の行いで決まるというか、結局、自分次第なのかなって思うんです。蓮加さんが言ったように、アイドルという仕事と向き合って全力で戦うしかないのかなと思っています。

──冨里さんは落ち込んで考え込んでしまったあと、どこかのタイミングで腹をくくるんですか?

冨里:そうですね。今回の40‌thシングルのときもそうでしたが、「わかった。じゃあ、アンダーライブで見せつけてやる!」っていうふうに思います。

──蓮加さんにとってアンダーライブの思い出といえば?

岩本:めっちゃ怒られたなぁ~っていう思い出です(笑)。とにかく厳しくて。

冨里:そうだったんですか?

──ライブチームが?

岩本:いや、先輩が超厳しかったです。

冨里:えぇ~!? そうなんだ!

──蓮加さんがアンダーライブの座長を務めたのは24‌thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』のときでした。

岩本:いや、あの頃はアンダーライブも慣れたものでした。その前です。

──20‌thシングル『シンクロニシティ』のとき?

岩本:そうです。初めてアンダーライブに出たときが一番しんどかったです。まずアンダー楽曲の振り入れから始まるんですけど、先輩たちと振りが全く合わなくて。同じことをやっているつもりなのに、たぶん先輩から見たら全然違うので「ここがこうで、こうだよ!」って、3期生は怒られまくりでした。

──厳しく指導されたんですね。

岩本:2期生の(伊藤)かりんちゃん、純ちゃん(伊藤純奈)、(相楽)伊織さん……。

──たしかに現場がピリッとしそう。

岩本:でも、先輩は「アンダーライブを死ぬ気で作ってきた」という強い思いがあるからこそ、それを3期生が崩さないようにたくさん指導してくれたんだと思います。最後まで私たちを見捨てず、つきっきりで教えてくれていたので。

──生半可な気持ちでやってほしくない、という思いがあったのでしょうか。

岩本:きっとそうだと思います。でも、そのおかげで「アンダーライブってこんなに熱い場所なんだ」というのを早い段階で感じることができましたし、いまでも「アンダーライブは絶対に良いものにしなきゃ!」という気持ちで挑めるんです。

──練習やリハーサルをみっちり行う?

岩本:そうですね。リハーサルの質量が違うというか。

冨里:たしかに、一曲一曲に結構時間をかけますよね。

岩本:「もっと完成度を高めて上を目指すぞ」という考えが染み付いているんです。それはやっぱり、過去から現在まで「選抜に負けたくない」という気持ちがアンダーメンバーみんなにずっとあるからだと思うんですよね。だから今も、時間をかけて一曲一曲を固めようという意識が強いんだと思います。

──冨里さんはアンダーライブ期間中に先輩から厳しく指導されたことは?

が、わざわざレッスン場に残ってくださって、振り付けを教えてくださったり。先輩はみなさん優しいです。ただ、リハーサルの段階から先輩が全力でやっている姿を見ると、「私たちもちゃんとやらなきゃ」「頑張ってついていかなきゃ」と気が引き締まります。それで、5期生だけで残って練習をしたこともありました。

岩本:昔みたいにピリピリしていなくて、今はもうちょっと和やかな雰囲気で、和気あいあい感は増したかなって思います。メンバーの熱さは変わらないですけどね。

取材/文:宮田英一郎

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「岩本:メンバーの本気とファンの方の本気がぶつりか会って生まれる熱を肌で感じられるんじゃないかな」

乃木坂46・3期生の岩本蓮加
撮影/田中健児

岩本蓮加プロフィール

いわもと・れんか=2004年2月2日生まれ、東京都出身。冨里と出演する「ふたりエスケープ」では無職という破天荒な役を演じるが、実際は12歳からグループ活動を続ける功労者。でも、休日は自前のパソコンでひとりゲームに勤しむとか。愛称は「れんたん」。

乃木坂46・5期生の冨里奈央
撮影/田中健児

冨里奈央プロフィール

とみさと・なお=2006年9月18日生まれ、千葉県出身。一刻の猶予を争う場面でも持前の愛嬌とマイペースな対応でメンバーを癒す、乃木坂46のトミーサトー・ナオッパー。被写体の最高の表情を引き出す真のアイドルカメラマンとしても活躍中。愛称は「なおなお」「なおもち」。

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