櫻坂46『13th Single BACKS LIVE!!』閉幕━━大沼晶保が叫んだ、魂の煽り「足りねえよ、勝つ気あんの?」

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櫻坂46の13thシングル『Unhappy birthday構文』の“BACKSメンバー”によるライブ『13th Single BACKS LIVE!!』が、12月9〜10日にぴあアリーナMMで開催された。櫻坂46が『BACKS LIVE!!』を実施するのは、今年7月上旬に千葉・幕張メッセ ベントホールで行った『12th Single BACKS LIVE!!』以来5ヶ月ぶり、今年3度目の開催となる。4ヶ月におよんだ全国ツアー『5th TOUR 2025 “Addiction”』や数々の海外イベント出演、四期生が全身全霊で向き合った『新参者 二〇二五 Live at THEATER MILANO-Za』と、グループとしてさまざまな形でのライブが続いた2025年だけに、今回は初めてBACKSセンターを務める三期生・谷口愛季を中心とした10名が今年の集大成となるようなステージを提示。10日の公演はインターネット配信も実施され、多くのBuddies(櫻坂46ファン)を魅了した。
『Overture』に続いて、切ないピアノの音色が会場に流れ始めると、ステージからY字に伸びた花道の中央から谷口が登場。ゆっくりと歩き始め、ステージに到着すると、蝶の映像を背に華麗なダンスを披露し、観る者を惹きつける。そして、ほかのメンバーが合流したところで、13thシングルに収録されている『木枯らしは泣かない』にてライブはスタート。切なげな表情を見せたかと思えば、サビでは力強さを打ち出すという、メリハリを効かせたパフォーマンスで独特の世界観を作り上げて行く。

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続く『ノンアルコール』ではバーカウンターをイメージしたセットを背景に、大人びた空気を漂わせながら歌い踊る。曲中、カクテルグラスを片手にした武元唯衣が大沼晶保、中嶋優月とストーリー性を感じさせる絡みを見せる場面も。『愛し合いなさい』では増本綺良を中心に、アイドル性の強いキラキラしたダンスでオーディエンスの目を奪った。

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最初のMCでは幸阪茉里乃が観客に自身の誕生日にまつわる質問したり、増本が「会場にいる皆さんと心をひとつにしたい」とアリーナとスタンド席それぞれペンライトの色を指定してハンバーガーを作ってみせたりなどして場を和ませると、谷口が「まだまだライブは始まったばかりですけど声出していけますか?私の(心臓の)バクバクを吹き飛ばしてくれますか?」と会場を煽り、場内の熱と一体感を高めた。
リラックスモードのMCに続いては、井上梨名の「声出す準備、できてますか?」を合図に自身がセンターを務める『確信的クロワッサン』でライブは再開。花道を目一杯使って、広い会場に向けて笑顔を振り撒いていく。また、卒業を控えた井上のペンライトカラーである青一色に客席が染め上げられると、「みんなのことが大好きだよ!」と感謝を伝える場面もあり、会場は幸福感に包まれた。この流れを引き継ぐように、小田倉麗奈センターの『君と僕と洗濯物』では牧歌的な空気の中、柔らかな表現を交えた歌とダンスで観客を楽しませる。かと思えば、『コンビナート』では再び会場の熱気がヒートアップ。客席がオレンジ色に染まる中、センターの増本を中心とした軽やかなダンスで、Buddiesを夢中にさせる。

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小島凪紗や谷口、中嶋がシルエットのみで艶やかなダンスを見せたのち、『心の影絵』からユニットブロックに突入。ぴあアリーナMMは三期生にとって2023年3月に初となる舞台『おもてなし会』を行った思い出の会場ということもあり、3人はあの頃よりも成長した姿を届けようと、強い個性を発揮させながらクールな世界観を提供していく。その一方で、遠藤光莉や大沼、幸阪、増本、小田倉による『風の音』ではダイナミックなダンスを届け、井上&武元による『One-way stairs』ではこの2人だからこその息の合ったパフォーマンスが展開された。

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その後、神秘的なSEに乗せて幸阪がひとりステージに姿を現すと、彼女自身によるナレーションをバックに儚げなソロダンスを披露。その流れから『本質的なこと』に突入し、幻想的な照明演出に導かれるような抒情的な空気で、会場を包み込む。また、遠藤をセンターに迎えた『君のことを想いながら』では歌に注力しながらも、随所に遠藤のバレエダンスなどをフィーチャーし、美しい世界観を構築していく。そして、軽快なビートに導かれるように始まった『ULTRAVIOLET』では、中嶋を中心にブロードウェイミュージカルを彷彿とさせるダンスを交え、ゴージャスさを打ち出してみせた。

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9曲ノンストップで披露し終えると、再びMCパートへ。本公演の座長である谷口について話題が及ぶと、大沼は『ノンアルコール』の振り入れで助けられたことを明かし、「愛季ちゃんは三期生の母と呼ばれているけど、二期生の母にもなってほしい!」と懇願してみせる。また、谷口と同期の中嶋は「愛季は初めて参加する曲も多かったのに、すぐに溶け込んでくれて。そのたびに『カッコいい』と思った」と口にし、続けて「昨日の本番前の円陣で、『いっぱい練習してきたんですけど……(いざというときは)助けてください』と頼ってくれるところも可愛い」とメンバーだけが知る一面を教えてくれた。
MCでの和やかな空気も小島センターによる『僕は僕を好きになれない』が始まると、彼女の真剣な表情と全身から醸し出される気迫で一変。中盤では情熱的で激しい長尺ソロダンスパートも用意され、ライブがクライマックスを迎えようとしいていることを窺わせる。そして、大沼の「どっちが先にぶっ倒れるか、勝負だ!」という煽りから『もう一曲 欲しいのかい?』に突入すると、メンバーのギアも数段上がり、アグレッシヴな歌とダンスでBuddiesを圧倒。これに応えるように、客席のBuddiesも全力のクラップで場を盛り上げていく。ブレイクパートでは大沼が「足りねえよ、勝つ気あんの?」と挑発する場面もあり、ライブは最高潮へと近づいていった。

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『12th Single BACKS LIVE!!』以降、ライブを重ねるごとにライブアンセムとして成長していく『港区パセリ』では谷口がセンターに立ち、大人びた表情や仕草で新たな一面を提示する。そして、武元の豪快なソロダンスを導入に『油を注せ!』に突入すると、会場はさらにヒートアップ。長尺の間奏パートでは『CHOREOGRAPHY DANCE TRACK TAKEMOTO YUI』というモニターが堂々と表示されると、その通り武元が振り付けを担当したダンストラックが披露された。彼女らしいダイナミックな動きを取り入れたダンスの数々を前に、客席からはこの日一番の声援が湧き上がる。そして、ソファに座った谷口を中心に、見応えのあるダンスが展開されたのちに、彼女の〈I will be〉という囁きから本編ラストナンバー『I will be』へとなだれ込むと、ステージ上の10人は残りの体力をすべて注ぎ込むかのようなパフォーマンスを叩きつける。そんな2025年の締めくくりに相応しいステージを展開し終えると、最後に谷口が〈Can’t let go now…〉と囁き、ライブ本編はフィナーレを迎えた。

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(文/西廣智一)
『13th Single BACKS LIVE!!』セットリスト
00. Overture
01. 木枯らしは泣かない
02. ノンアルコール
03. 愛し合いなさい
04. 確信的クロワッサン
05. 君と僕と洗濯物
06. コンビナート
07. 心の影絵
08. 風の音
09. One-way stairs
10. 本質的なこと
11. 君のことを想いながら
12. ULTRAVIOLET
13. 僕は僕を好きになれない
14. もう一曲 欲しいのかい?
15. 港区パセリ
16. 油を注せ!
17. I will be
EN1. 思ったよりも寂しくない
EN2. I’m in
WEN. I will be

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