2025-12-03 11:00

「日向坂のメンバーとしてやり残したことはない」松田好花が自らの成長の先に辿り着いたグループの未来のための「行動力」と、残り3ヶ月にかける思い

卒業を発表した、日向坂46の松田好花
ⒸByakuya Shobo Co.,Ltd 2025

12月1日、日向坂46の松田好花がグループ卒業を発表した。卒業発表のブログで松田は、「おそらくですが、皆さんそんな驚いていないんじゃないですかね? やっぱりとか、まぁそうだよなって思われているだろうなって想像してます」と綴っていた。彼女は自身の卒業について、ファンは勘付いていたのではないか、と考えていた。松田好花の2025年の活躍を振り返ってみると、日向坂46に何を残せるか、を掲げた期間だったのかもしれない。

松田の中で“卒業”の二文字は2024年頃からあったという。当時は先輩の一期生や同期の卒業が相次いでおり、松田は見送る立場、そしてグループを託される側だった。年が明けた2025年もその流れは続き、4月に開催された「6回目のひな誕祭」で、松田が「尊敬する大好きな方々です」と語る一期生全員が卒業となった。

松田たち二期生がグループを引っ張ることになった2025年。楽曲やライブ、冠番組『日向坂で会いましょう』では二期生をトップに、キャプテンの三期生・髙橋未来虹が中心となり、四期生が培ってきた実力を発揮、そして新戦力の五期生が未来を期待させるポテンシャルを見せていた。9月から11月までの約2ヶ月間、全国6都市を回った「ARENA TOUR 2025 『MONSTER GROOVE』」を完走し、メンバーは確かな自信を、ファンは未来への希望を感じていた。そんな中での松田の卒業発表は、彼女が「驚いていないんじゃないですかね?」と綴っていたものの、まさに青天の霹靂であり、驚きを隠せないファンのコメントがSNS上で多く見られた。

松田が表紙を飾った『BUBKA』(4月号/2025年2月発売)では、「一期生さんがたくさんいらっしゃった時は、グループを引っ張りたい気持ちはあっても、行動に移すことができなくて、みなさんに頼っていたんです。久美さんとみーぱんさん、まなふぃさんが卒業されるとなって、『いい加減、行動しなきゃダメだ』と意識が変わりました」と心境の変化を語っていた。2025年の松田は自分自身ではなく、他のメンバー、特に後輩たちがスポットライトを浴びるように活動していたのではないだろうか。

そのひとつが、8月に放送された『放送作家松田好花 リターンズ』だ。松田が放送作家として番組を制作する企画の第二弾では、「キャスティング先行で企画を考えることにしました。そのため出てほしいなと思った三期生、四期生にはアンケートに協力してもらって~」と、自分ではなく後輩メンバーが注目を浴びる番組を目指していた。「本音を聞き出す」という狙いだった松田はメンバーと向き合い、「自分の立ち位置が分からない」「(グループに自分が)必要ないのかな」「私とかが入らなければもっと……」などの悩みを引き出し、今後の活動に向けてアドバイスを送った。笑顔でステージに立ち、バラエティでは全力で笑いを届けるメンバーたちの本音をファンにさらけ出すことで、各メンバーの新たな一面を知り、応援したくなるきっかけを作った。

『日向坂46・松田好花のオールナイトニッポンX』でも、後輩に活躍の場を与えていた。フリートークで名前を出してエピソードを披露することもあれば、実際に番組ゲストに呼ぶこともあった。ツアーの期間中では、福岡公演後に平岡海月、大阪公演で正源司陽子、収録回ではあったがツアーファイナルの東京公演で渡辺莉奈が登場し、生放送のラジオという環境を経験させているように感じられた。その他にもバラエティ番組では、『ザ!世界仰天ニュース』(9月30日放送)に松田と石塚瑶季の2人で出演、『あちこちオードリー』(5月7日放送)に松田と同期の小坂菜緒、後輩の平尾帆夏と藤嶌果歩の4人で登場したこともあった。特に松田と平尾のペアは『ラヴィット!』に2度出演し、平尾が番組罰ゲームのビリビリ椅子に耐性があることが判明したことから、平尾単独で番組ゲストに呼ばれることになった。『放送作家松田好花 リターンズ』から派生した企画として、四期生の宮地すみれと渡辺の2人でPodcast特番が行われるなど、後輩メンバーが注目を浴びるタイミングには、松田の存在があった。

そして、『日向坂で会いましょう』でも松田は欠かせない存在となっていた。『BUBKA』(12月号/2025年10月発売)の番組特集では、制作スタッフから「松田さんは背負うものが多すぎる」「使命感を持っている」と、彼女が番組の中心となって盛り上げていることが語られていた。たしかに2025年の『日向坂で会いましょう』では、松田個人にフィーチャーした企画や進行役、番組MCのオードリーへのツッコミ、大喜利企画では率先して回答し、後続のメンバーがやりやすくなるように環境を整える姿が度々見られた。そんな中、卒業発表直前に放送された11月30日の放送では、松田がひな壇から他のメンバーがゲーム企画に取り組む姿を見て、「良い番組だな」と口ずさんでいた。この何気ない一言は、松田がグループの現状に安心していて、卒業発表のブログで綴っていた「日向坂のメンバーとしてやり残したことはない」というメッセージと重なっているように思える。

松田が日向坂46として活動するのは2026年2月まで。残りの期間について松田は「まだまだここから更に濃くするつもりです! 覚悟はいいですか! 最後まで見守っていてくださると嬉しいです」と宣言し、卒業ブログを締めくくっていた。直近だと、12月8日には悲願の単独ラジオイベントが控えている松田。日向坂46としての最後の3ヶ月間で、彼女がどれだけワクワクさせてくれるのか━━楽しみでならない。

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