現役東大生芸人・いぜんと潜るガチ中華紀行――「牙籤肉」「焼猪腰」「錫紙龍蝦尾」これ読めますか?

撮影=編集部
池袋北口、そこはまるで小さな中国だった。ネオン看板で輝く簡体字、飛び交う中国語、香辛料の香りが漂う雑多な飲食店の数々。そんな“ガチ中華”を味わいながら、「中国で大悟に抱かれてぇ女が並んだら、万里の長城よりも長げぇよ」で話題の中国出身で現役東大生の芸人・いぜんにインタビューを敢行。絶賛“ガチ中華”にハマっている編集部員と、その旧友でいぜんと同じく中国にルーツを持つ高の3人で、“ガチ中華”の魅力について語り合った。
核融合より金融業
――ということで本日は、ガチ中華街と謳われている池袋駅北口にて、本場の空気感を存分に感じながらお話できればと。まず、いぜんさんのブレイクのきっかけとなった『千鳥かまいたちアワー』の反響について伺えればと思います。
いぜん:ありがたいことに、あの番組のおかげで、その後もどんどんゴールデン帯の番組も決まりました。最近だと、特番で中国ロケに行かせていただいて。
――早速! すごい勢いですね。
いぜん:見取り図さんの番組で行ったから万里の長城でも眺めながら、「リリーさんも万里の長城もかっけえな」とか言いたかったのに……実際行ったら、見取り図さんもいねえし! なんなら日本人は一人もいねえし、全員中国人で! 大丈夫かなこのスタッフ、詐欺とかじゃねえのかなと思いました(笑)。
――そういえば、ビザが切れることを心配されてましたけど……
いぜん:一応、今就活もしてるのでどうにかなりそうです。
――え、就活!?
いぜん:一応、金融系とか受けてるんですよ。社会的な経験も積んだ方が、将来的にもまあいいかなと。あとほら、金融系なら厚切りジェイソンさんのように金融系の知識も披露できればと。でも、私はバキバキリケジョだから。
――バキバキ童貞みたいな言い方(笑)。
いぜん:うん、バッキバキですよ本当。でも、金融系も含め色々なジャンルの知識があったほうがコメンテーターとしても活躍できるかなと思って。
高:あとは普通にビザを取得するためにも就活したほうが絶対いいって言いますよね。日本で永住ビザをもらうためには、年収は社会人一年目から年収500万〜600万以上じゃないとダメだし。
いぜん:そうそう。いくら東大生と言っても結構難しい年収設定なんですよね。できるだけ早くお笑いに集中するために永住ビザをもらえる比較的高い給料の会社を選んではいますが……。
――でも、専攻は核融合とか電子電気系の専攻でしたよね?
いぜん:はい、大学の時は理学部物理学科で理論物理の研究していて、大学院に入ってからは応用の方をやってます。まあ、もう今はもう全然研究室に行ってねえけど。地球の将来のエネルギーよりも、目の前のお客さんの方が大事というか(笑)。
――強制帰国にならなそうで安心しました。
いぜん:どうにかなりそうです!(笑)
――実際、東大に入っているというのもかなり大きい気がします。
いぜん:そうですね。やっぱり「東大」っていうのは、日本で活動していく上でめちゃくちゃ強い記号になると思ってます。インテリ路線で活動するとしたら「東大」という記号をパンっと出せば、「頭が良い」という絶対的な証拠になるので。せっかく大学出るなら、ネタになりそうな大学を選んだ方が、コスパが良いというか。
――なるほど。じゃあ今後の活動としては、色々な方面に振り切っていきたいみたいな感じですかね。
いぜん:そうですね。今年はもうとにかくテレビで活躍したいし、最近自分のYouTubeチャンネルも始めたから、自由に発信したりとかもしたいです。まあいつかは、朝のワイドショーとかで「そうですね。将来的なエネルギーについて……」みたいな真面目な話をして。で、夜帯になったら、もう一生懸命ボケまくって「一発ギャグやりまーす!」みたいな。朝は知的、夜は芸人! みたいな感じで二刀流でやっていければなと。
――でも、確かに喋りも上手ですし頭も切れるのでコメンテーターとかやってそうですよね。
いぜん:やりたいですね。大学院生をやってみて、私は一つの分野を深掘りするよりは、色々な知識を身につけていく方が自分に合っているなってことに気がつけました。
いぜん、プロフィール
1998年04月23日生まれ。中国・北京出身の東京NSC27期生。『千鳥かまいたちアワー』(日本テレビ系列)の出演をきっかけに注目を集めた現役東大院生のピン芸人。最近家系ラーメンにハマっている。
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