私立恵比寿中学インタビュー・中山莉子「歌穂ちゃんは不思議な存在」

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私立恵比寿中学・中山莉子にインタビューを実施。悩める時のエピソードを語るとともに、活動を共にしてきたメンバーへの思いを打ち明けてもらった。
老婆になっても
――えびちゅうは結成15周年ですが、カホリコの愛称でファンに親しまれる小林さんと中山さんの同期コンビも、えびちゅう加入10周年を昨年に迎え、2人だけのライブ(2024年9月14日に東京・J:COMホール八王子で開催された『それみろ!カホリコ~レンコンと天丼から10年~』)も行われました。これまでもいろんなタイミングで聞かれていると思いますけど、10年一緒に活動してきた同期の小林さんは、中山さんにとってどんな存在ですか?
中山莉子(以下、中山):歌穂ちゃんって、メンバーに「幸せでいてほしい」ってよく言うんですよ。私からしたらそれは歌穂ちゃんも一緒で、今も今後も幸せになってほしいなって思う人。あと、なんか不思議なんですよね。同じグループのメンバーで友だちでもあるけど、歌穂ちゃんは不思議な存在、不思議な関係性だなって思います。
――グループから卒業すると、どうしても以前よりメンバーと疎遠になるという話を聞くこともあるし、むしろそれが自然でもあると思うけど、カホリコを見てるとそんなことないんだろうなって思うんですよ。あと10年、15年してもしょっちゅう会ってそうというか。
中山:私も、歌穂ちゃんとのこの関係性はずっと続いていくんだろうなって思います。もし歌穂ちゃんが結婚して子どもが生まれたら、その子どもに遊んでもらおうと思ってるし(笑)。
――前に、おばあちゃんになったら孫を自慢しあうって話もしてましたよね。
中山:してました(笑)。
水を眺めて水入らず
――さっき、「不思議な存在で関係性」という言葉がありましたけど、そういう2人の間柄がわかるエピソードは何かありますか?
中山:おととしのツアー(『私立恵比寿中学 spring tour 2023~100%ebism~』)のファイナル(2023年7月16日の神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール)の前日なんですけど、「なんか水が見えるところに行きたい!」って連絡したら、歌穂ちゃんから「わかる!」って返信が来て、2人で水があるところに行きました(笑)。
――水が見えるところに行きたいのがわかるって、確かに不思議な通じ合い方ですね(笑)。ところで、中山さんはどうして水が見えるところに行きたいと思ったんですか?
中山:ファイナルの7月16日は、りななん(2017年2月8日に急逝した、元メンバーの松野莉奈さん)の誕生日じゃないですか。
――そうですよね。しかも、会場は松野さんのお別れ会が開かれたパシフィコ横浜で。当日のライブでは特に松野さんについて触れられたわけではなかったですけど、彼女のメンバーカラーだった青色の照明が多く使用されていて、強い思いがよく伝わってきました。
中山:その日に、10人体制(当時)になって初めて『なないろ』を歌ったんですよ。やっぱり『なないろ』はすごく大事な曲だから、いろんな思いがあって、悩んじゃって。
――松野さん急逝から3カ月あまり経ってリリースされた4thアルバム『エビクラシー』に収録されている楽曲で、えびちゅうとの縁が深いレキシの池田貴史さんが詞曲を手がけ、松野さんへの思いやえびちゅうへの願いを込めた楽曲ですからね。
中山:本当に大切な曲だから、みんなで話し合って歌割りを決めたんです。大事な曲だからこそこれからも歌い続けていかなきゃいけないしって、私だけじゃなくみんなそれぞれ悩んでいたと思います。それは、妹メンも含めて。でも、やっぱり気持ちの面でもう、そのときに感じてた人が歌うのと、そこにいなかった人が歌うのとは違うと思うんです。それは、本当にしょうがないこと、どうしようもないことで、もちろん妹メンは何も悪くない話なんですけど。ただ、気持ちがそんな感じだったから、ファイナルの前日に歌穂ちゃんに連絡したんです。ちょうどお休みの日だったこともあって。「体調じゃなくて、気持ちが沈んでたりしない?」って送ったら、「え! なんでわかった?」って返ってきて、それに「体調は通常運転って感じだけど、気持ちがまだついていかなくて」って返して、そこからさっきの「水が見えるところに行きたい」って話になりました。
――どこの水場に行ったんですか?
中山:えっと……世田谷の川が有名なところ! どこだっけ? (当時のLINEを見返しながら)あ、ここだ! 等々力渓谷! そこに2人で行って、「明日、大丈夫かな?」ってずっと話してました。そのあと、2人でお昼にパスタとか食べてたら「花火したくない?」って話になって。調べたら、二子玉川らへんで花火してもオッケーな公園があったので、そこの隅っこで昼間に花火して、「明日、頑張ろう!」って言い合って帰りました(笑)。
――いい話ですね。以心伝心というか。
中山:でも、変な話ですよね。いきなり「なんか水が見えるところに行きたい!」って伝えて、すぐに「わかる!」って(笑)。
――それにしても、水がある場所に行きたいと思うのって、どうしてなんですかね?
中山:わかんないです(笑)。でも、何かあると水があるところに行きたくなるんですよ。等々力渓谷に行ったときは、みんなで歌割りの話し合いをしているときに、自分の意見を言えなかったって気持ちもあったりして。
――水がある場所だったら、どこでもいいっていう感じなんですか?
中山:はい。川でもいいし、海でもいいし。
――例えば、噴水でもいいし。
中山:噴水でもいい……噴水? いや、噴水はどうなんだろう(笑)。でも、何かあったら必ず水があるところに行きたくなるかも。
――メンバーカラーが水色ですしね。
中山:そうだ(笑)。とにかく、何かあったら私は水のとこに行きたくなるんです!
取材・文/大久保和則

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中山莉子プロフィール
中山莉子=なかやま・りこ|2000年10月28日生まれ、東京都出身。出席番号12番。情熱的な歌声で仲間とともに青春のドラマを描くキッズ・リッタン。実は大の甘いもの好きで、生クリームなら別次元に食べられるそう。愛称は「りったん」。
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