2025-05-14 12:00

私立恵比寿中学・桜木心菜、妹組の最年長として「同期なんだから、言いたいことは何でも言ってほしい」

私立恵比寿中学の桜井えま(左)と桜木心菜(右)
私立恵比寿中学の桜井えま(左)と桜木心菜(右)
写真提供=©STARDUST PROMOTION,INC

私立恵比寿中学・桜木心菜にインタビューを実施。妹組の最年長として多くを背負って活動に臨んできた5年間を語ってもらった。

辛い時のコンビニ

――デビューから現在までを語ってもらいたいと思います。まず、えびちゅうの新メンバーとしてのデビューライブ(2021年8月29日に神奈川・横浜アリーナで開催された『@JAM EXPO 2020――2021』)に向けたレッスン時期から振り返ってもらえますか?

桜木心菜(以下、桜木):めっちゃ大変でした。とにかくやらなきゃって思って朝から晩まで頑張ったけど、歌詞が覚えられなかったり、歌にも不安や焦りがあって、いっぱい怒られて。そんな状況だから、自分が好きで得意だと思っていたダンスも、どこかおろそかになっている感じもありました。すごく悩んだけど、(同期の小久保)柚乃も(風見)和香も年下だし、まだ相談できる関係でもなかったんですよね。

――その時期は、どう乗り越えたんですか?

桜木:当時は柚乃と泊まっている部屋が一緒だったんですけど、友だちみたいに接してくれたのがすごくうれしかったし、柚乃も不安なはずなのに、お披露目ライブに向けた話をするんじゃなくて、「とりあえずお菓子食べる?」みたいな話をしてくれたのが、私的には逆に心の支えになっていました。

――そんな中、お披露目ライブの前日のリハで、「遊びじゃないし、部活でもないよ」、「ファミえんができなくて良かったよ」(当初は同じ8月開催の単独ライブ『ファミえん2021 in 赤レンガ倉庫』が桜木、小久保、風見の初ライブになる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止)と先輩たちから言われてしまう事件が発生します。

桜木:悔しかったですね。でも、今の実力はこれだから、何を言われてもやりきるしかないと思いました。お姉さんメンバーとレッスンの先生たちに言われたんですけど、言われたあとに柚乃と和香の3人でレッスン場の外に出て、近くのコンビニに行きました。レッスンの途中だったから黒地に白抜きで大きく名前が入ったTシャツを着たまま、コンビニのイートインスペースで「どうする?」って話をしたんです。私は泣いてなかったんですけど、柚乃も和香もめっちゃ泣いてるから、ここは私が話を切り出さなきゃと思って、「同期なんだから、言いたいことは何でも言ってほしい」って話した記憶があります。そこからは、3人で思っていることをめちゃくちゃいろいろ言い合いました。自分のこともさらけ出せたし、それまで知らなかった2人の本音も初めて知れたと思います。

――その翌日、初ライブ当日を迎えます。

桜木:これまでお姉さんメンバーが積み上げてきたものがあるし、あやちゃん(安本彩花)の復帰ステージでもあったし(悪性リンパ腫の治療のため、前年10月から休業していた)、ファンの方に何をどれだけ思われるのかいろいろ悩んでたんですけど、本番ではどう思われるかとか考えずに、とにかく全部必死でした。本番直前には、イヤモニをうまくつけられなくてあたふたしてる私をまやさん(真山りか)か(星名)美怜ちゃんが気づいてくれて、つけてもらった記憶も残ってます。

イヤモニに響く思い

――そして、初ステージから1カ月後のライブ(9月25・26日に埼玉・秩父ミューズパーク 野外ステージで開催された「エビ中 秋声と螻蛄と音楽の輝き 題して『ちゅうおん』2021」)を最後に、柏木ひなたさんが年末まで一時休養することが発表されました。

桜木:ひなたちゃんって、メンバーでもあるけどすごく頼れる先生でもあったし、プライベートでもお姉ちゃんみたいな感じで、私の心の支えでもあったんです。何かあったら全部ひなたちゃんに聞いてたし、頼りすぎてた部分もあったと思います。だから、ひなたちゃんが休むことになってやばいなって思ったし、いてほしいって思ったし、悲しかったです。でも、ひなたちゃんがお休みしていた期間、自分で乗り越えられる機会がいっぱい増えたし、ひなたちゃんがいないことで成長できた部分もあるなって思っています。親離れというか、自分で選択しなきゃいけないっていうか。

――その年の年末のライブ(12月27・28日に東京ガーデンシアターで開催された「私立恵比寿中学 大学芸会2021~Reboot~」)が、柏木さんの復帰ステージになりました。

桜木:『ジャンプ』とか『なないろ』とか、えびちゅうにとって重要な歌が多かったですよね。しかも、全部で26曲。本当に不安でした。よくやったと思います(笑)。

――このときの不安はどう乗り越えましたか?

桜木:ライブの前日に柚乃と同じ部屋だったんですけど、柚乃に「不安すぎて寝れんわ」って言ったんですよ。そしたら柚乃が、「始まれば終わるから」って(笑)。

――かっこいい(笑)。確かに、それがすべての真理ではありますからね。

桜木:それを柚乃が言うんだって(笑)。でも、そう言われてめちゃくちゃ「確かに!」と思って、心が楽になりました。

――そんなライブの2日目が終了した直後、柏木さんが翌年12月16日のライブを最後に、約12年間在籍した私立恵比寿中学から卒業することが、本人から直接メンバーに伝えられました(公式発表は翌年4月3日)。

桜木:伝えられる前から、ひなたちゃんの様子を見ていて、薄々感じ取ってはいました。で、ライブのあとに本当にそうだって伝えられて、やっぱり大好きだったから、卒業しちゃうのはすごく悲しかったです。

――2022年4月29日からは、ココユノノカ(桜木、小久保、風見)にとって初めてのツアー(「私立恵比寿中学 10th Anniversary Tour 2022 ~drawer~」)がスタートしました。

桜木:私たちにとっては初めてのツアーだけど、ひなたちゃんとは最後じゃないですか。それもあって、より強く一瞬一瞬をすごく大事にしないとって思っていました。イヤモニからもひなたちゃんの歌をめちゃくちゃ感じ取って、聴いて。あらためて、ひなたちゃんの歌声ってすごく響いてくるなーって思った感じです。

取材・文/大久保和則

桜木心菜プロフィール

桜木心菜=さくらぎ・ここな|2005年9月14日生まれ、茨城県出身。叱責番号13番。生牡蠣大好きマーメイドとして魅惑の大海を突き進むヴァスココ・ナ・ガマ。鮮烈なファッションとキャラクターでえびちゅうをまだ見ぬ新境地へと導いていく。愛称は「心菜」

【私立恵比寿中学インタビュー】

・仲村悠菜「えびちゅうのオーディションに受からなかったら…」

・風見和香、不合格志願の春「私を落としてください」

・桜井えま「悠菜の存在は大きかった」

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