2025-01-31 19:00

“座長”乃木坂46 冨里奈央「37枚目アンダーライブ、行くぞーー!」に込めた決意

乃木坂46「37thSGアンダーライブ」“座長”として3DAYS完走した冨里奈央
乃木坂46「37thSGアンダーライブ」“座長”として3DAYS完走した冨里奈央
ⒸByakuya Shobo Co.,Ltd 2025
この記事の画像(5枚)

1月28~30日、千葉・幕張メッセイベントホールで乃木坂46のアンダーライブが開催された。

昨年末発売の『BRODY』で冨里奈央を取材した。そこでは聞きにくいことも聞かなければならなかった。選抜落ちの件だ。それについて質問しなければ、欠陥商品になる。

乃木坂46の37枚目のシングル『歩道橋』。選抜メンバーに冨里の名前はなかった。彼女の名前があったのはアンダー。アンダー楽曲『それまでの猶予』をセンターとして歌うことになった。

取材での冨里は答えにくいことにもしっかり答えてくれた。取材時点でアンダーのセンターに立つことはまだわからなかったため、それ以外のことを聞いた。すると、彼女は「自分は普通だ」と答えた。

乃木坂46には、とんでもない才能の持ち主がゴロゴロいる。スタイル、歌唱力、表現力……。乃木坂46のメンバーになったら、誰でも感じることかもしれない。一度は周囲の能力におののいた。しかし、今では深く悩まなくなったという。そのきっかけとなったのは、『考えないようにする』をもらってからだった。一昨年の夏のことだ。

そんな冨里がアンダーライブの座長を務めるという。どんな考えで臨むのか。それはブログを読むことよりも、本番を観ればいい。答えはステージにある。そう思い、アンダラ最終日の幕張メッセへと向かった。

1曲目のイントロ、冨里は煽りを任されていた。「37枚目アンダーライブ、行くぞーー!」と、普段は聞かれない声量で叫んだ。自分の殻を破らなければ座長は務まらない。その叫びには彼女の意気込みがすべてパッケージされていた。

特に忘れられない楽曲がある。終盤の『日常』だ。この日はいろんなメンバーがセンターに立って歌ったが、この曲は冨里がセンターだった。彼女は一段ギアを上げたように見えた。感情を込めて、広い会場の隅々にまで届けとばかりに体を動かした。パフォーマンスとはそういうものだ。その時の感情を込めれば、伝わるのだ。その証拠に、『日常』を歌い終わると会場からは拍手が起きた。他のメンバーも心と体をフルに動かした。

『日常』は、普段の自分から脱皮することを願う主人公の曲だ。もしかしたら冨里の心情に寄り添ってくれる楽曲なのかもしれない。そういえば、いつかのブログにも書いてあった。「今シングル 自分にとっても大きく変わる時だと思ってる」と。そんな感情をぶつけているように見えた。

「過去の私は、人に自分のことを話したり、考えていること、悩んでいることを話すと、その人に弱みを握られてしまうんじゃないかなとか、悲しい考えをしていました。でも、乃木坂46に加入して、私は変わりました。今回、アンダーライブの座長という立場でプレッシャーとか責任とか、そういうもので押し潰されそうになった時に、いつも誰かがそばに必ずいてくれて、背中をさすって、『大丈夫だよ。何かあったら助けてあげるからね』って声をかけてくれました。みんなと目を合わせて踊っている時、いっぱいちょっかいかけて、倍返しされて、『もう!』って言ってる時間とか、そういうものがすごく楽しくて、心から幸せだなと思いました。アイドルって楽しいことばかりじゃなくて、悲しいこととか逃げ出したくなることもあるんですけど、こうして3日間、12人全員で走り切ることができて、そして何より毎日みんなの優しさに触れて、成長できたことがすごく嬉しいです。大好きなメンバー、そして大切なファンの皆さん、そして、いつも支えてくださって、このライブを一緒に作り上げてくださったスタッフの皆さん。本当にありがとうございました(拍手)。私はアイドルになってよかったです(拍手)。3日間楽しくて、心から幸せだなって思いました(拍手)。ありがとうございます」

涙声で次の曲を紹介した。『考えないようにする』だった。自身のセンター曲である。余計なことを考えず、ただアイドル道を歩いて行けばいい。そんな顔をしていた。

ステージから去る冨里は、肩の力が抜けた、実にいい表情をしていた。また表紙にしたくなった。

取材・文=犬飼華

乃木坂46「37thSGアンダーライブ」より『シンクロニシティ』でセンターを務める冨里奈央
乃木坂46「37thSGアンダーライブ」より『シンクロニシティ』でセンターを務める冨里奈央
乃木坂46「37thSGアンダーライブ」より『今、話したい誰かがいる』をソロで披露する冨里奈央
乃木坂46「37thSGアンダーライブ」より『今、話したい誰かがいる』をソロで披露する冨里奈央
乃木坂46「37thSGアンダーライブ」より『帰り道は遠回りしたくなる』
乃木坂46「37thSGアンダーライブ」より“座長ぶり”たたえられる冨里奈央
乃木坂46「37thSGアンダーライブ」より“座長ぶり”たたえられる冨里奈央

週プレNo.36 9/2号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

週プレNo.36 9/2号 [雑誌] Kindle版

週プレNo.16&17 4/22号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

週プレNo.16&17 4/22号 [雑誌] Kindle版

【週プレNo.52&53 12/30号 [雑誌] Kindle版】
Amazonで購入

週プレNo.52&53 12/30号 [雑誌] Kindle版

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA2025年5月号

BUBKA 2025年5月号

BUBKA RANKING23:30更新

  1. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#26「初めてのお別れ」
  2. 乃木坂46ドームツアー考察”2年連続座長”のエース・井上和の涙から感じた「乃木坂46らしさ」とは?
  3. 大注目のユニットTHE ORCHESTRA TOKYO(オケトー)、ワンマンソールドアウト「回数を重ねるごとにお客さんが増えていく手応え」
  4. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#13「プロにおまかせしてきました」
  5. 乃木坂46・中村麗乃さん“自分の武器が分からない”からの努力~観客を魅了する歌声を手に入れるまで
  6. 日向坂46・四期生が誰よりも高く跳んだ日━━武道館3Daysで見せつけた実力と一体感、そしてハッピーオーラ!
  7. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  8. 乃木坂46佐藤璃果「田舎から出て、違った世界を見てみたいなっていう気持ちはずっとありました」
  9. 【BUBKA WEB限定カットあり】私立恵比寿中学・星名美怜、昨年開催された「大学芸会」を振り返る
  10. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#25「バイクは運動ですか?」
  1. 「寿司百貫」「一人時間差」大食いマイペース要素がさながら「“ひとり”からあげ姉妹」!?乃木坂46の「新天然素材」増田三莉音の魅力
  2. 「年間260食以上の蕎麦ドル」日向坂46松田好花、身を削って会いに来たファンを「なかなかクレイジー」と最大級の褒め言葉
  3. 私立恵比寿中学・小久保柚乃、1年ぶり2冊目の写真集発売に喜びあらわに「もうきた(笑)」
  4. 元AKB48浅井七海、写真集のお気に入りは一番大人びているカット「“脚!”って感じで(笑)」
  5. 櫻坂46グループ初となるアメリカでのライブ完遂!『HUNTER×HUNTER』とのコラボMVやポケモンEDテーマ『ピッカーン!』を披露
  6. 日向坂46富田鈴花、自身の卒業セレモニーで同期9名へメッセージ「日向坂の可能性を広げてくれた誇らしい同期」
  7. 乃木坂46・増田三莉音、人生初ソロ表紙を飾る「感謝の気持ちでいっぱいです!」
  8. 私立恵比寿中学・小久保柚乃、“ピンク”と“14”にテンション上がる
  9. 坂元誉梨の『初心者バイク女子の奮闘日記』#26「初めてのお別れ」
  10. HKT48地頭江音々「お気に入りシーンはメンバーみんなの笑顔が見れるところ」19thシングル『半袖天使』MV公開