2024-01-01 20:00

すべての球団は消耗品である「#15 1958年の加藤近鉄編」byプロ野球死亡遊戯

すべての球団は消耗品であるbyプロ野球死亡遊戯「1958年の加藤近鉄編」
すべての球団は消耗品であるbyプロ野球死亡遊戯「1958年の加藤近鉄編」
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勝っても、負けても、いつの時代もプロ野球球団はファンに猛スピードで消費されていく。黄金時代、暗黒期、泥沼から抜け出せない低迷期。ファンは、そして僕たちはいい時も悪いときもそんな刹那の瞬間に快楽を求めているのかもしれない。

すべては長嶋茂雄から始まった。

1958(昭和33)年、立教大学から巨人軍に入団したゴールデンボーイは、同年春の記念すべき『週刊ベースボール』創刊号表紙を同僚の広岡達朗とともに飾っている。

開幕戦で国鉄スワローズのエース金田正一からフルスイングの四打席連続空振り三振を喫すると、誌面には「プロ野球の勝利」「プロの面目を保つ」といった見出しが踊った。なお、当時27歳のカネヤンはのちに「この年、私は長嶋を倒さんがために努力したおかけで、オールスターまでに20勝しちゃったんです。防御率は限りなくゼロに近く、64イニング無失点。竹村さん、これはすごいことなんですよ。おそらく世界でも例がない」なんてジャーナリスト竹村健一に自慢しちゃう日本最強投手レベルの絶頂期。なんにせよデビュー時から、「長嶋vsプロ野球」というめちゃくちゃな期待値を背負った男への注目度は桁違いで、週べ58年4月30日号は後楽園の株価がうなぎのぼりと報じ、「野球ブームの到来を、相場屋さえも素直に認めたといえるだろう。そのブームの頂点に立つ人が長嶋である」と分析している。

そして、ゴールデンルーキーは衝撃の4三振デビュー後、破竹の快進撃で三冠王を狙える勢いで打ちまくるのだ。最終的に、新人王だけでなく、本塁打王、打点王、盗塁王とタイトルを総なめにして巨人のリーグ優勝に貢献。一塁ベース踏み忘れで29本塁打となったため、史上初の新人トリプルスリーを逃す“チョンボのチョーさん”キャラも愛され、スーパースターの階段を駆け上がる。もはや戦後ではない。背番号3は高度経済成長の象徴となり、プロ野球は長嶋とともに歩み、昭和の国民的娯楽として定着する。

というわけで、1958年のプロ野球は「長嶋デビュー」のシーズンとして記録にも記憶にも残っているわけだが、実はその裏でプロ野球史上最低の勝率を叩き出したチームがあった。近鉄パールスである。

だが、当時のパ・リーグは神様・稲尾和久や怪童・中西太を擁する西鉄ライオンズや、前年初の本塁打王を獲得した野村克也のいる南海ホークスが人気で、ぶっちぎりで弱かった近鉄の情報量は極端に少ない。いやゴメン、ほぼゼロだ。

ちなみに2023年にベースボール・マガジン社から発売された「よみがえる1958-69年のプロ野球」シリーズの58年版の近鉄パールスのページでは、こんな注釈が書かれている。「パの最下位を独走した近鉄。残念ながら1958年の週刊ベースボールにはロングインタビューが1本もなかった。やむを得ず、2つのショートインタビューを収録させていただく」って、週べにすら情報ないのかよっ! ネッシーとか、本能寺の変と同じく歴史上のミステリーである。恐らく、これを読んでいるあなたも、書いてる俺も58年の近鉄パールスをリアルタイムで見ていない。もはや徳川埋蔵金を探す気持ちで、近鉄パールスの真実を発掘するため65年前の資料と向き合うしかないのだ。

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中溝康隆プロフィール

中溝康隆なかみぞ やすたか|プロ野球死亡遊戯|1979年、埼玉県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。ライター兼デザイナー。2010年10月より開設したブログ『プロ野球死亡遊戯』は現役選手の間でも話題に。『文春野球コラムペナントレース2017』では巨人担当として初代日本一に輝いた。ベストコラム集『プロ野球死亡遊戯』(文春文庫)、『原辰徳に憧れて-ビッグベイビーズのタツノリ30年愛-』(白夜書房)など著書多数。『プロ野球新世紀末ブルース 平成プロ野球死亡遊戯』(ちくま文庫)が好評発売中!

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「BUBKA2月号」内容紹介

「BUBKA2月号」表紙を飾る乃木坂46五百城茉央
「BUBKA2月号」表紙を飾る乃木坂46五百城茉央

表紙
乃木坂46 五百城茉央

付録
五百城茉央(乃木坂46)
菅原茉椰(SKE48)
特大両面B2ポスター

巻頭特集
・五百城茉央(乃木坂46)グラビア&ロングインタビュー
「Accelerating future」
・阪口珠美(乃木坂46)グラビア&インタビュー
「Thank you 2023」

グラビア・インタビュー特集
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「Pageant of Sunshine」

・江籠裕奈×井上瑠夏(SKE48)
「えご天『一生アイドル』宣言

・鈴木くるみ(AKB48)
「Feels Like Heaven」

・インタビュー連載 23人の空模様
vol.05萩原心花(僕が見たかった青空)
「クールの仮面を脱ぎ捨てて」

グラビア&スペシャル企画
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「Winter Break」

・奥村梨穂 グラビア
「いちごと黄色と。」

・大瀧沙羅グラビア
「Choppy Snow」

・マジカル・パンチライン インタビュー
「遙かなる思いを夢の舞台で」

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・『Rの異常な愛情』特別インタビュー
LITTLE×R-指定
後編「あらかじめ決められた韻たちへ」

BUBKAレポート
・Book Return
第62回 谷良一
「M-1はじめました。」

・すべての球団は消耗品であるbyプロ野球死亡遊戯
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