2022-08-01 18:00

清原和博が野球人としてもっとも輝いていた時代を読む3~プロ野球死亡遊戯があえて“令和の夏”に書きたかった話(著/中溝康隆)

7月21日発売『キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー』(白夜書房)より
7月21日発売『キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー』(白夜書房)より

報道陣から「公然と嘘をついたわけですか?」と怒気を含んだ質問が飛ぶと、少しの間を置いて、その記者の方を見据えながら17歳がこう口にするのだ。「まあそう思うなら、思っといてくれたらそれでいいですけど」と。たいしたタマだ。令和の今、一連の映像を見返すと桑田の鉄の精神力に圧倒される。直撃取材してきた記者に対し「どなたですか? 名刺を見せてください」なんて睨み返したこともあったという。雑誌『週刊平凡』85年12月13日号で「蟻が手を這っても泣きだすような子でした」と母親が語る大相撲の新大関・北尾光司とは肝っ玉のデカさが違う。

「中3のときでした。新日本プロレスの試合があって見に行ったら、アントニオ猪木さんに“うちに入らないか”と誘われたんです。ぼくはハルク・ホーガンが大好きだったので、もしその直前に立浪部屋へ入門が決まってなかったらそのままプロレスに進んだかもしれません」なんつってその後の人生を暗示するかのような能天気なカミングアウトをかます新大関を横目に、同号で組まれたKKドラフト特集で、清原の母・弘子さんは夢破れた息子と一緒に大声で泣いたことを明かした。勝手に恋をして、失恋しちゃったんです。あこがれて、ふられて、悔しくて泣いた。『週刊文春』の弘子さん独占手記では「“巨人、巨人”と言っていたのは和博の勝手な片想い。相手が“清原、清原”と言っていたわけではないのですから」と巨人入りの夢がかなうかは半信半疑だったことを認めている。

確かにドラフト前の主役は清原だった。それが20日以降はまさかの巨人単独1位指名で桑田に注目が集中した。目立つのは『週刊ポスト』の「清原を育てられるのはこの人だけ!?

西武監督難産劇と長嶋茂雄」って週刊誌伝統芸の唐突すぎるミスターぶっこみくらいだ。意外なことにジュリアに傷心の清原は、ドラフトからわずか6日後の11月26日に富田林の料亭で西武と初交渉に臨んでいる。

キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー
▼Amazonで購入

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA2025年5月号

BUBKA 2025年5月号

BUBKA RANKING17:30更新

  1. 日向坂46、後輩たちへ受け継がれる野球愛…意外なバッティングセンスにも注目
  2. SKE48荒井優希「プロレス界でももっと1番を狙っていけるように」渡辺未詩とのタッグで勝利を収める
  3. 浅田真央「愛を忘れないように指導していきたい」コーチとして今後の夢も語る
  4. 【追悼・永島勝司】週刊ゴング元編集長・金沢克彦が語る「“伝説の仕掛け人”の暗躍と北朝鮮」(前編)
  5. 浅田真央、“指導者”としてスタート「何よりスケートを楽しんでもらいたい」
  6. エレガントな装いの乃木坂46池田瑛紗が華を添える「JRA70周年特別展示『世界一までの蹄跡』」9月20日より開催
  7. SKE48荒井優希、伊藤麻希選手のベルトに初挑戦するも完敗
  8. SKE48荒井優希、シングルで初のベルト獲得「何回もぺちゃんこになっちゃった」
  9. SKE48荒井優希、宮本もか選手とのタッグで準決勝進出「この勢いで次の試合でも頑張りたい」
  10. SKE48荒井優希&赤井沙希“令和AA砲”がプリンセスタッグ王者のベルト初防衛に成功
  1. 乃木坂46賀喜遥香&筒井あやめダブル主演ドラマ、トレーラー映像&第1話場面カット解禁!オープニングテーマも決定
  2. 乃木坂46 6期生・瀬戸口心月、愛らしいルックスで表紙を飾る
  3. 「誰かに慰めて貰うためにアイドルになりたかった訳じゃない」乃木坂46 岡本姫奈が選抜発表で芽生えた「悔しさ」の理由
  4. ≒JOY・江角怜音、強さと美しさを表現
  5. 私立恵比寿中学・真山りか×AMEFURASSHI・愛来 対談インタビュー|独自の音楽性を追求してきた2グループが、今お互いに伝え合いたいこと
  6. 乃木坂46 賀喜遥香、39thシングル『Same numbers』のセンターに決定「全員に感謝を届けられる作品に」
  7. SKE48長谷川雅「みんなで精いっぱい頑張っていきます」若手メンバーによる新公演スタート
  8. 乃木坂46 矢田萌華インタビュー|高校の文化祭で『ガールズルール』を踊っていた少女が、オーディションに合格し、憧れのステージに立つまで
  9. STU48中村舞ら大勢のファンに感謝!映画『鬼ベラシ』“舞台あいさつツアー”無事終了
  10. 「乃木坂46の流儀」に日向坂46 松田好花が信じられないと驚嘆! 理想の先輩・久保史緒里の「グループアイドル論」