2022-09-03 18:15

天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第46回「渕正信」

俺は全日本に入団して、日本で1試合もしないままテキサス州アマリロに修行に行って向こうでデビューしたけど、半年後に帰国した時に公開練習の相手になってくれたのが渕君だった。当時の俺はジャンボ(鶴田)と同じようにザ・ファンクスの弟子ということでダブルアーム・スープレックスなんかの大技を公開したけど、渕君が綺麗に受け身を取ってくれたからマスコミの人たちの評価も良かったんだよ。ローリング・クレイドルもやったかもしれない。

で、次の思い出は79年秋に2回目のアメリカ修行から帰ってきた時にビッグ・バッド・O(オー)っていう黒人選手と当てられた時のこと。大した選手じゃないんだけど、200kg近い巨漢だからコントロールできない、どうしようもない奴なんだよ。案の定、ひどい試合になっちゃったら、試合後に渕君が俺のところに来て「天龍さん、こんな奴が相手じゃ、どうにもやりようがないですよね」って。俺に同情しながら、遠回しに「ひどい試合でした」って言う渕君の賢さを40年以上経った今も憶えてるよ(笑)。

プライベートでは……彼はジャンボと仲が良かったから、派閥的には鶴田派になるよね。だから巡業に行った時にはたまに飲んだけど、オフの時の付き合いはなかったね。海外では81年2月にフロリダに行った時に渕、大仁田がいて、1週間ぐらい一緒だった。でも何もご馳走にならなかった(笑)。

渕君とリング上で絡むようになったのは87年6月に天龍革命をスタートさせてからだね」。俺たちの20分超えの初めての試合が渕君絡み(87年10・15津市体育館、鶴田&輪島大士&渕vs天龍&阿修羅・原&川田利明=22分15秒、鶴田がバックドロップで川田を体固め)だったとは、記者の人に教えてもらうまで気付かなかったよ。88年になったら俺たちの天龍同盟の試合は20分超えが当たり前になっていたけど、当時の全日本は10分ぐらいで終わる試合ばかりだったからインパクトがあったんだと思うよ。

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取材・文/小佐野景浩

天龍源一郎|1950年生まれ、福井県出身。1963年に大相撲入り。1976年のプロレス転向後は「天龍同盟」での軍団抗争や団体対抗戦で日本・海外のトップレスラーと激闘を繰り広げ、マット界に革命を起こし続ける。2015年の引退後もテレビなど各メディアで活躍中。

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