乃木坂46“魂”のアンダーライブ特集インタビュー|TBSテレビプロデューサー・竹中優介「乃木坂46って選抜が一軍、アンダーが二軍なんじゃないです。一軍が2つあるんです」

12月19日~21日の3日間、乃木坂46が日本武道館で「40thSGアンダーライブ」を開催する。『BUBKA』では「“魂”のアンダーライブ特集」と題し、武道館のステージに立つ14名にインタビューを敢行。それぞれが抱える思いを言葉にしてもらった。今回は番外編として、TBSチャンネル『乃木坂46アンダードキュメンタリー』プロデューサーの竹中優介のインタビューをお届け。長年密着を続けた者だけが知っている舞台裏の激闘を語ってもらった。
カウンターへの意志
──まず、竹中さんがアンダーライブに密着するようになった経緯からお話しください。
竹中優介(以下、竹中):CSのTBSチャンネルで中田花奈さんや和田まあやさんたちとお仕事をさせていただいてきて、それがきっかけでアンダーライブを観るようになりました。そこで特有の熱量に心を動かされて、「ドキュメンタリーでしか伝わらない何かがある」と直感し、番組制作を申し出たという流れです。
──最初の密着は2年前でした。
竹中:松尾美佑さんがセンターの横浜アリーナですね。『踏んでしまった』の時です。その放送がファンの方からの反響もよくて、気が付いたらすべてを追いかけるようになっていました。最初の直感通り、ドキュメンタリーじゃないと伝わらないものがあるんだなと思いました。
──アンダーライブを表現する時、熱量という言葉がよく使われます。
竹中:メンバーの思いとファンの思い。その相互作用で盛り上がるライブが僕は好きで。他のグループさんのライブを観ることもありますけど、乃木坂46というブランドの中で、その作用が起きているパラドックス。そこに面白さがあると思います。アンダラにこそ魅力を感じているファンの方もいますよね。すごい文化だなと最初はビックリしました。
──同時に、アンダーに着目するところが竹中さんらしいですね。
竹中:僕はカウンターパートばかりやりたくなるんです。改名前で伸び悩んでいたひらがなけやきもそうでした。そこにあるドラマを描くことが生きがいなんでしょうね。アイドル以外でもそういったドキュメンタリーを作ることが好きで、もがいている人たちこそドキュメンタリーで伝えるべきだというのが信念としてあります。
──そのアンダラですが、竹中さんがカメラを向けるようになってから2年が経ち、どんな変化があったのか、そこを知りたいです。
竹中:まさに今日お話したかったのは、アンダラって変わってきましたよねということでした。特にこの1年、その変化を感じています。
──今回、本誌でアンダーライブ特集をやるきっかけも実はそれが契機になっていまして。
竹中:やっぱりそう思いますよね! 2年くらい前は、選抜に選ばれなかったメンバーの悔しさや、やってやるぞという思いが色濃く反映されていました。でも、今はそれが薄れてきて、違った面白さが出てきたと思っています。同じ境遇にあるメンバーだからこそ結束が生まれるんじゃないかと。そして、自分たちの可能性を開くための場がアンダーライブになってきている気がしています。チームワークがあるから熱が生まれるんですよね。「やってやる」精神は今ももちろん感じますけど、絆が生むパワーによって熱量がさらに保たれているというか。
──カメラを回していて、印象的だった場面はありますか?
竹中:中西アルノさんです。アンダーにいると、どうしてももがき苦しむことがあると思うんですけど、アルノさんもそう感じました。しかも、センターになると、より悩むんですよね。見ていて、その葛藤は相当なものだと思いました。その時すでにアルノさんとのレギュラー番組『Spicy Sessions』が始まっていたので、より印象深く覚えています。
もう卒業されましたけど、向井葉月さんから言われた一言は忘れられません。「アンダードキュメンタリーが放送されるようになって、ファンの方により知ってもらえるようになって、アンダーライブを頑張るモチベーションが高まりました。アンダーライブをやり切ることで私は乃木坂46人生を満足させられました」と。そう言われた時、本当に嬉しくて、泣きました(笑)。その言葉はアンダーライブの核心だと思うんですよね。彼女はリハーサルを見ていてもパフォーマンスが本当に美しくて。その努力の結晶として、ステージで輝くんです。彼女はアンダラが磨いた宝石だと思います。
現役でいうと、岡本姫奈さん、奥田いろはさんの変化には驚きました。事前や当日のリハーサルに密着していると感じるんですが、シングルごとにパフォーマンスが変わっていくんです。アンダラには職人とも言うべき先輩たちがいると思うんですが、そんな先輩のいいところをリハーサルで盗んでいくんですよ。どれほど真剣な気持ちでリハに向き合っているか……頭が下がります。いろはさんは39枚目のリハでは金川紗耶さん、田村真佑さん、岩本蓮加さんのパフォーマンスをじーっと見ていて、「何をしていたんですか?」と聞くと、「今の曲の蓮加さんがすごいんで、盗んでました」とか言うんですよね。「本番で試しているのがわかった」と本人に伝えると、目をキラキラさせて喜んでくれます。「やったー!」って。もちろんその2人だけではないですけど、どんどん磨かれていく様をアンダラで見せていく。それが一つの物語になって、ファンの方を惹きつけているんだと思いました。
竹中優介プロフィール
たけなか・ゆうすけ=1977年6月18日生まれ、東京都出身。TBSテレビプロデューサー。これまで『輝く!日本レコード大賞』『アッコにおまかせ!』に携わるほか、SKE48、日向坂46のドキュメンタリー映画を監督。現在は『SASUKE』やCS放送『乃木坂お試し中』『Spicy Sessions』に加えて「エガフェス」などのライブ演出も手掛ける。
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