乃木坂46“魂”のアンダーライブ特集インタビュー|伊藤理々杏×吉田綾乃クリスティー、アンダラの歴史を守ってきた3期生が語る“削りの精神”

撮影/田中健児
12月19日~21日の3日間、乃木坂46が日本武道館で「40thSGアンダーライブ」を開催する。『BUBKA』では「“魂”のアンダーライブ特集」と題し、武道館のステージに立つ14名にインタビューを敢行。それぞれが抱える思いを言葉にしてもらった。今回は、そんなアンダーメンバーの“魂”が宿ったインタビューの中から、3期生・伊藤理々杏と吉田綾乃クリスティーの対談の一部をお届けする。
乃木坂46の3期生として、アンダーライブの歴史を共に歩んできたからこそ、今は胸を張って言える━━このステージに立つ意味を知っていると。伊藤理々杏と吉田綾乃クリスティーが語る“アンダラのいま”。
落ちサビの記憶
──これまで参加してきたアンダーライブで強く記憶に残っているものはありますか?
伊藤理々杏(以下、伊藤):私は32枚目の『さざ波は戻らない』の時です。やっぱり座長をさせていただいたので。他の人にはどう見えたかわからないけど、私としては命を懸けるくらいの思いでした。ここで頑張らなきゃいつ頑張るんだって。魂を捧げていました。
──魂を捧げる……。すごい表現ですね。
伊藤:次につなげられなかったらもう終わりだという危機感を持っていました。絶対いいものにしたかったです。その時は林瑠奈ちゃんとWセンターだったんですけど、それがすごくよかったなと思っていて。一人の時よりも支え合える人がいるっていいなと思って。前作のアンダーライブの39(サンキュー)ブロックで、私は『誰よりそばにいたい』を歌ったんですけど、それは32枚目の本編ラストの曲なんですね。その時の記憶がすごく残っているんです。ステージから見た景色とか、「落ちサビ、瑠奈ちゃんとハモったな」とか。そしたら、瑠奈ちゃんがサンキューブロックで選んだ曲も32枚目の時に歌った『音の出ないギター』で。私への感謝として歌ってくれました。やっぱり32枚目って2人にとって思い出深いものだったんだなって再確認できて、幸せでした(笑)。
吉田綾乃クリスティー(以下、吉田):私は、ユニットがくじ引きで決まった回。5人組「ぴんくちゃん」(吉田、佐藤璃果、林、矢久保、奥田いろは)で歌うことになって、5人が別室でやりたい曲を話し合って決めたことがあって。34枚目かな?
伊藤:アルちゃん(中西アルノ)いたよね。
──だったら、34枚目ですね。
吉田:そうだ。自分たちで歌いたい曲を決めると、気持ちの入り方が違うんだなって思いました。5期生のいろはがいたので、5期生楽曲の『心にもないこと』を披露させていただきました。いろはに振りを教えてもらった思い出がありますね。そうやって自分たちの考えが入ると、大げさな言い方をすると、「自分たちが作ったライブだ!」という感覚になるんです。
伊藤:わかる。あの時は自分たちで曲や衣装、コンセプトを考えたんです。3日間あったので、この日はバーにしよう、この日は西洋っぽくしよう、この日はティーパーティーにしようとか。すごくクリエイティブだった(笑)。
吉田:それが3DAYS×3チームだったからね。毎日違うライブを見せている気分でした。リハーサルも見ていたけど、すっごく楽しかったです。みんなキラキラしていて。
伊藤:他のチームのリハーサルを見ると、「この子はこういうことをやりたかったんだな」とわかって。それも面白かった。
──“見てほしい自分”を見てもらえる喜びがあるんでしょうね。
伊藤:そうかもしれない。そんな自分を発信できる瞬間って意外となかったりするので。
──そして、素晴らしい照明を浴びてパフォーマンスすると。
吉田:あー!
伊藤:そうですね! それは思ってました! 「あの曲の照明いいよね!」とかメンバーで話してます。
吉田:私、2つ前のアンダラだっけな、あの時のレーザーの照明がめっちゃ好き。
伊藤:なおたん(冨里奈央)がセンターだった。『それまでの猶予』の時のアンダラでレーザーを使ってみようということで。
──幕張ですね。
伊藤:そうです。カッコよかったね。
吉田:自分たちが光をシュって集めているような演出もしてくれて。
伊藤:あの日の照明、めっちゃ顔が盛れたの!
吉田:そう! みんなかわいかった。
伊藤:観に来てくれたメンバーも「みんな、いつもかわいいけど、今回めっちゃかわいいよね」って言ってて。いや、これはアイドルとして一番大事ですから!
──まさしくその通りです。
伊藤:照明の色にも意味があって。赤と青が混ざって紫になるとか。すごく愛があるなって思います。ライブチームの皆さんにはいつも感謝でいっぱいです。
──アンダーライブはメンバーが固定されているわけではありません。12月の武道館で40thとなりますが、それでも大切にしたいものって何かありますか?
伊藤:私は熱量と、会場全体での一体感を大事にしたいと思っています。なので、煽りやコールアンドレスポンスが全体ライブよりも多いと感じます。さっきも言ったように、メンバーが意見を出す構成もありますし、メンバー間の一体感も大事にしています。チーム感が上がることで熱量も上がるのは以前と変わらないなって思うし。これも繰り返しになるけど、個人が伝えたい思いをパフォーマンスに込めることもアンダーライブの特徴です。
──この曲には特に強いを込めたという記憶はありますか?
伊藤:センターで『日常』を歌わせていただいた時(30th)です。『日常』ってすごく盛り上がる曲で、ファンの皆さんの熱量もすごいんです。「いや、それに負けないぞ!」って思うんですね。「みんなを凌駕するパフォーマンスをしよう!」と思って。あの時は、「あー、削ったぁ……」って。自分の中の何かを削ったなと思った(笑)。それくらいやり切った感はありました。
──伊藤さんは何かを削ったかどうかが重要なんですね。
伊藤:はい。いいパフォーマンスをすることって何かをすり減らすことだと思っているので。それくらいエネルギーを放出するんです。全部出し切ったと思えた時は、よりよいものができているはずです。
吉田:その感覚、わかります。私も消耗しますもん。それこそ煽る時は、自分が普段出さない声を出すんです。自分ってこんな声が出るんだって思います。私の削りはそこかな(笑)。でも、私はみんなが削ってきたものを最後に補う係なんです。
伊藤:そう。ヒーラーだからね。回復させてくれるよね。
吉田:私は最後にMCを任されることが多いんですけど、各メンバーを褒めちぎるという役割をやっています。
──お母さんポジですね。それも集団には必要です。
伊藤:いや、本当に助かってるよ。いつも温かい言葉をかけてくれるので。みんなが削った分を(笑)。やっぱり褒められるのって素直に嬉しいし、頑張ってよかったなって思えるから。
吉田:私も自分が力を入れたところを褒められるのは嬉しいから。
──それは『乃木坂工事中』で笑いを取って、多くの反響があった時とは違う感情ですか?
伊藤:バラエティは言及されると恥ずかしいです。狙って笑いを取っているわけでもないから。意図していないところを褒められると、照れくさいです。そうじゃなくて、ここは決めたぞっていうところを褒めてもらったら、あのパフォーマンスは正解だったんだなって思えます。
──12月の武道館はどんなライブにしたいですか?
吉田:今回は松尾(美佑)と矢久保の卒業セレモニーがあるので、私たちもいっぱい頑張らないといけないし、2人を見送るためにも頑張りたいです。
伊藤:2人が最後のライブがアンダラでよかったなと思えるライブに絶対したいです。
吉田:4期は同志ですから。そんな話を3期でもよくしています。信用もしているし、頼りにもしています。
伊藤:後輩というか、肩を組んで一緒に歩いている感じです。
吉田:そう。仲間(笑)。
取材・文/犬飼華
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「伊藤:アンダーというチームでやっているんだなって。自分だけが引っ張っているわけじゃないんです」

撮影/田中健児

撮影/田中健児
伊藤理々杏プロフィール
いとう・りりあ=2002年10月8日生まれ、沖縄県出身。何度倒れても立ち上がるRe:リアから始まるアイドル生活。乃木坂46という長編クエストの真ん中で、今日も新たな壁に挑み続ける。持ち前の可愛さで、相手のHPを削りがち。愛称は、「りりあん」。
吉田綾乃クリスティープロフィール
よしだ・あやのくりすてぃー=1995年9月6日生まれ、大分県出身。褒めの呼吸――綾ノ型。乃木坂46アンダラ隊の“回復柱”として仲間を想う気持ちが、強くなれる理由。
声が続く限り、仲間の炎を守り継ぐ。愛称は、「あやてぃー」。



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