2022-09-03 06:15

未来から来た投げる預言者・桑田真澄~バック・トゥ・ザ・マストラダムス

予言弐「ジャストミート!!」

1年目から新人最多タイの31本塁打を放った清原とは対照的に、ルーキーイヤーは2勝に終わった桑田だったが、86年オフに雑誌『Number』で将来の目標を聞かれ、意外な理想像をあげている。

笑われるかもしれませんが、では言います。5年目までに2ケタの勝利をあげ、打率が3割、ホームランをシーズンに10本打てる投手です

なんと早すぎる二刀流宣言である。大谷翔平がまだ生まれてもいない昭和に次代のベーブ・ルースを夢見た野球の申し子(実際に2000年には打率.316を記録)。「でも、時間を下さい。少しずつ必ずよくなりますからね」という控え目な言葉とは裏腹に、2年目にプロ初アーチを放った直後は、「手応え十分でした。打席で無意識のうちに“ジャストミート”って口走っていたんですよ」なんて1秒も笑えないマスミギャグを披露。のちの日テレアナウンサー福澤朗の決めゼリフ「ジャストミート!!」の元ネタはマスミギャグかもしれない。逆襲の背番号18は、この87年に15勝をあげ沢村賞を受賞。19歳の快進撃を支えたのは気分転換で行く遠征先の映画館である。

地方の映画館って、いいんですよ。あまりお客さんが入ってこないでしょ。静かで、空いたところで見るのが一番

いわば桑田は“おひとりさま”の先駆者だ。ねるとんが流行りネアカがもてはやされるバブル突入前夜にあえて静かにひとり映画。マスコミやファンから追いかけられない空間は貴重だった。スクリーンの中のスタローンやシュワルツェネッガーだけじゃなく、同僚のビル・ガリクソンとも交流。助っ人選手と積極的に会話する“ベンチ前留学”で英会話を磨き、メジャー流の調整を学んだ。

ボクは外人的な(群れない)考え方が分かるんですよ。あ、これは外人的な考え方だけど、すごくいいなと思っても、日本人にはウケないというか、日本人には嫌われるんですよね。だけど、ボクはいいなと思ったら、それを続けていくからね。だから、付き合いが悪いとか、クライとか、人のことは放っておけと思ってる

――まだまだ続く記事の続きは発売中の「BUBKA10月号」で!

中溝康隆=なかみぞ・やすたか(プロ野球死亡遊戯)|1979年、埼玉県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。ライター兼デザイナー。2010年10月より開設したブログ『プロ野球死亡遊戯』は現役選手の間でも話題に。『文春野球コラムペナントレース2017』では巨人担当として初代日本一に輝いた。ベストコラム集『プロ野球死亡遊戯』(文春文庫)、『原辰徳に憧れて-ビッグベイビーズのタツノリ30年愛-』(白夜書房)など著書多数。『プロ野球新世紀末ブルース 平成プロ野球死亡遊戯』(ちくま文庫)が好評発売中!

キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー
Amazonで購入

BUBKA(ブブカ) コラムパック 2022年10月号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

「BUBKA10月号」コラムパック
「BUBKA10月号」コラムパック

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books

紀伊國屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA2025年5月号

BUBKA 2025年5月号

BUBKA RANKING23:30更新

  1. プロレスラー秋山準、デビューから丸30年…伝説の四天王プロレスを振り返る
  2. SKE48荒井優希、3度目の防衛成功「ここで満足せずにもっと高みを目指す」
  3. SKE48荒井優希選手、鈴芽選手に勝利し“ベルト挑戦”を宣言
  4. SKE48荒井優希&赤井沙希、プリンセスタッグ第10代王者のベルトを手にして号泣
  5. ももクロ高城れに、甲子園で始球式に挑戦「ライブより緊張しました」
  6. SKE48荒井優希&山下実優組がアジャコング&宮本もか組に勝利!!リング上ではSKE48のミニライブも
  7. 鈴木愛理、ノーバンならず…3年連続3回目「千葉ロッテ」始球式に登場
  8. 【追悼・永島勝司】週刊ゴング元編集長・金沢克彦が語る「“新日vsU”伝説の裏に暗躍した仕掛け人」(後編)
  9. SKE48荒井優希&赤井沙希“令和のAA砲”、第10代プリンセスタッグ王座陥落
  10. SKE48荒井優希&赤井沙希“令和AA砲”がプリンセスタッグ王者のベルト初防衛に成功
  1. 日向坂46藤嶌果歩、無邪気な笑顔の新カット解禁…裏表紙には宮地すみれも登場
  2. 祝『放送作家松田好花 リターンズ』放送決定!番組ディレクター・町田拓哉が語る、唯一無二のタレント性
  3. 乃木坂46岡本姫奈、ノースリーブで“さわやか”のハンバーグを食べる姿に「いっぱい食べる君が好き」「一緒に食べた気分になれる」の声
  4. 今度は55分間に何度泣く!? 敏腕テレビマンに「この番組を作れるのは松田さんしかいない」とまで言わせた『放送作家松田好花』を改めて観返してみた
  5. 『芸能人は歯が命』から30年…東幹久「あれですごく僕は認知された」
  6. 乃木坂46井上和が先輩・久保史緒里におねだり…新潟~佐渡島の旅
  7. 日向坂46五期生・坂井新奈、人生初ソロ表紙を飾る「感謝の気持ちでいっぱいです」
  8. SKE48中野愛理「写真集は自分とは無縁」驚きのオファーに「自分でいいのかな」
  9. 乃木坂46佐藤璃果、かき氷&ノースリーブの涼しげショットに「一緒に食べて暑さを忘れたい」「彼女といるみたい」の声
  10. 「帰ってきた放送作家」松田好花の無茶振りも効果なし! 日向坂46 二期生の自由すぎるノリを引き締める「ボケ収拾者」小坂菜緒の実績